二〇一三年度ー新生ばらぐみでのお過ごしが始まりました。ずっと憧れてきたばらぐみさんのお部屋に、黄緑色の名札。嬉しいことばかりで毎日胸を躍らせながら、元気いっぱい新年度のスタートを切った十八人のお友達でした。
 
 
四月はたくさんのお花に出会いました。
園庭に咲き誇るチューリップにモクレン、そしてたんぽぽ。園庭に出る度にたくさんの発見をしました。
 ホールの時間にあるピンクのお花の紹介がありました。道ばたにも園庭にも咲いているお花でしたが、お名前が分かりません。そこで『このお花のお名前は図鑑に載っているかもしれないよ〜?調べてみてわかったら教えてね!』というお話がありました。ご紹介があったのがホールの時間だったこともあり、お遊びを楽しんでいるうちに”図鑑を見てみる”ということをすっかり忘れていたばらぐみさんでした。
 
お帰りの時間が迫り、「このまま分からないままかな〜」と思っていたその時、一人のお友達が図鑑に手を伸ばして「あのお花なんだったかな〜?」と調べ始めたのです。その様子にばらぐみさんは大集合!図鑑を囲んで調べもの開始です。これじゃない、それでもない…と頭を抱えながら…ついに「これだー!」というお花を見つけました。カタカナで書かれたお名前だったので、先生と一緒に読んでみることに。そのお花の名前は『ヒメオドリコソウ』というお名前でした。この日から園庭に出ると「かわいいお花みつけた」という発見ではなく、「ヒメオドリコソウみつけた!」という発見にかわったのでした。
 図鑑を見るとたくさんのお花や虫が載っていることにビックリしたお友達。毎日図鑑を開いてはお花の名前、虫の名前などを見て大盛り上がりのばらぐみさんです。これからの季節はたくさんの生き物やお花に出会える季節でもあります。目で見て、図鑑で調べてどんなことに気付くのかな?そしてどんなお話をしてくれるのかな?と楽しみにしている先生です。
 
進級して間もない頃、ばらぐみさんのお友達に向けてお話したことがありました。それは「ばらぐみさんは幼稚園で一番大きいお兄さん・お姉さんだから、小さいお友だちが困っていたら助けてあげてね」というお話でした。
 そのお話を真剣なお顔で聞いていたばらぐみさんは、小さいお友だちを見つけると、困っている様子が見られなくても抱っこをしたり、頭を撫でてあげたりと、それはそれは優しくお世話をしてくれていました。
 ところが、『小さいお友だち』にはとっても優しくしてくれるばらぐみさんなのに、「○○ちゃんが嫌なことしとるー!」「なんでそんなことするーん!」と、ばらぐみさん同士になるとトラブルになることがしばしば…。
 けれども、そんな時に助けに入るのは先生ではなくお友達なのです。「なんで泣いてるの?」「どうしたの?」と、一生懸命お話を聞くのです。これまでは先生に『泣いてるお友達がいる』という報告だけだったのが、『○○があって泣いていたから話をしたけど、まだ泣いている』など、話を聞いただけで理由が分かる報告にかわりはじめたのです。トラブルになることがあっても、自分たちでは解決ができなくても、お友達のお話を聞くーそんな友達を思う姿と助け合おうとする姿勢に『ばらぐみさんの頼もしさ』を感じている先生でした。

 ばらぐみさんになって、あっという間に四ヵ月が経とうとしています。いつでも”ばらぐみさんは幼稚園のリーダーだ!”と、胸を張って元気いっぱいお過ごしをしているカッコイイばらぐみさん。きっとこの夏でまたひとまわり大きくなることでしょう。

 
 二学期も、元気い〜っぱい思い切り楽しみましょうね。