今年は寒い日が続き、花壇のチューリップや園庭のもくれんの花が咲いたのは四月の半ばあたりと、少しばかり遅い春の訪れでした。

 羽咋白百合保育園も、二年目の歩みがスタートしました。0・一歳児さんのクラスも、新しく八名の子ども達で、保育園生活を始めることになりました。
 新学期の保育室といえば、新しい環境におかれた子ども達の泣き声が響き渡り、先生は両手だけでは足りず、背中におんぶまでして子ども達の不安な気持ちを取り除こうと奮闘。時には園長・主任も加勢して、みんなで乗り切ろうとするのが春の風物詩の光景でした。
 
けれども、今年の春は少し違っていました。
昨年から園生活を過ごしている友達が五名もいたのはもちろんですが、二名のクラス担任がそのままそのお部屋に残ったことは、子ども達にとって何よりの安心して園生活を過ごせる要因だったことでしょう。時折0・一歳児さんのお部屋をのぞくと、先生が読み聞かせている絵本に集中している子ども達。音楽にあわせて、笑顔いっぱいで表現遊びを楽しむ子ども達。またある時は、おもちゃの取り合いや大好きな先生のお膝の奪い合いで泣いている子ども達と、いろいろな子ども達の様子を見ることができます。けれども、どの子も杉本あゆみ先生・高橋史子先生の惜しみない愛情の中にいられることを喜んでいるかのような良いお顔をしているのです。私はそんな子ども達をみているだけで癒されるので、特別な用事もないのに、ついつい0・一歳児のお部屋に遊びに行ってしまうほどなのです。本当にほのぼのとした良い雰囲気のお部屋です。

 
 
0・一歳児のお部屋の壁面は、毎月可愛い作品が飾られています。先生が季節毎に工夫を凝らし、十分な下準備をしたものに、子ども達の手を加えて完成させた作品です。シールを自由に貼ってある作品もあれば、絵の具を使って手形を押してみたり、時には足の裏に絵の具をつけて、足形をぺったん!という可愛い作品もありました(笑)。
  

 六月の壁面にはてるてる坊主とカタツムリがありました。そのてるてる坊主のお顔が、それぞれ個性的で思わず笑ってしまいました。目や口などのパーツは先生が準備するのですが、のりをつけて貼り付ける作業は子ども達がするものだから、目や口、ほっぺを貼る場所が全員微妙に違うので、同じ表情のてるてる坊主が一つもないからです。笑っているものから、ちょっと困ったお顔にみえるものなど、本当にいろいろでした。でも子ども達が一生懸命取り組んだ作品で季節を感じることができるなんて素敵なことだと思いながら、作品を眺めていたのでした。
 保育園での0・一歳児さんの生活は、家庭のような安心と安定の中で、食べて、遊んで、寝て過ごす事が主な活動です。けれども二人の先生は、子ども達の成長しようとする力に、無理なく、しかも心地よい刺激を与え、子ども達の「やってみよう!」という気持ちを上手にくすぐっています。たくさんの経験を子ども達にさせようと、毎日細やかな保育計画を立てているのには、本当に頭が下がります。
 こんな風にいろいろな体験を通して、小さなたまごぐみさんもひよこぐみさんも、日々成長しています。これからの季節は水遊びが中心になってきます。体調管理にも充分気を付け、楽しく夏の遊びを展開していきたいと思っています。
 太陽の日差しをいっぱい浴びて、元気にお過ごししましょうね。