春ー幼稚園の門をくぐり、チューリップの蕾が並んだ花壇の前を、大好きなお家の方と手を繋いで歩き、ドキドキしながら園生活へと大きな一歩を踏み出したたんぽぽぐみさん。進級したお友達、新しくしらゆりっこに仲間入りしたお友達と合わせて十名の元気溢れるたんぽぽぐみがスタートしました。
 新しく入園したお友達は、お家の方と離れる時に「お母さん行く〜」と涙する姿やお兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒に登園ができて喜ぶ姿が見られました。その一方でひよこぐみさんから進級したお友達は、園生活に慣れているものの、過ごすお部屋や担任の先生が変わり「ここの部屋違う〜」と戸惑いを隠せず、やっぱり涙する姿が見られるなど、涙あり笑いありの四月でした。

 お部屋では、先生と一緒にトーマスやブロック、おままごと遊びをしたり、好きな遊びを見つけて、自分の世界に入って一人遊びを楽しんでいました。時には遊びの途中でお家の方の事を思い出して涙することもありました。でも、毎日いろんな遊びを先生と一緒に見つけていくうちに、『保育園は楽しいところ』ということが分かるようになり、みんなの不安な表情や涙も自然と消え、お部屋の中で、たくさんの笑顔が見られるようにもなりました。
 
 五月になる頃には、随分園生活にも慣れ、「先生、○○して遊びたい!」とリクエスト。また、この頃から一人遊びだけでなく、お友達の遊びにも興味を示め始め、真似っこをしたり、横に並んで遊ぶようにもなりました。友達との関わりが増えてくるとトラブルもみられるようになりました。おもちゃを「貸して」と言われても、なかなか「いいよ」と言えず、「ダメよ」と行ってしまうお友達。自分が持っているおもちゃは自分の物。お友達の事を思って貸してあげる事は難しく、おもちゃの取り合いは毎日のようにありました。そこで先生と一緒に物の貸し借りを経験していきながら、少しずつですが「貸して」「いいよ」と言うことができるようになりました。こんな風にお友達との関わりを通して、集団生活には『ルール』があることを、少しずつ学んでいるたたんぽぽぐみさんです。
 五月から六月にかけて、園庭でお友達がダンゴ虫を見つけたことがきっかけで、たんぽぽぐみでは「ダンゴ虫ブーム」が起こりました。最初はちょっぴり遠巻きでダンゴ虫を眺めていたお友達でしたが、小さくてまぁるく変身するダンゴ虫のことが、だんだん可愛くなってきたようで、日に日にダンゴ虫を探すお友達が増えていったのです。そのうちにたんぽぽぐみさん全員が園庭の花壇の後ろに集まり、頭を寄せ合ってダンゴ虫を探すようになりました。「ダンゴ虫、おったよ〜」「どこ?」「ここ!」「ほんとや」「見せて〜」と、それはそれは可愛い会話をしながら、お友達とダンゴ虫を見つめている様子は、本当に微笑ましい光景でした。こんな風に少しずつ先生の側から離れて、お友達と一緒に遊ぶことができるようになったお友達です。また「○○ちゃん」「○○くん」と、お友達の名前を呼びながら遊ぶ姿がちらちらと見られるようにもなりました。こうして『お友達』という大きな存在に気付き始め、お友達同士で刺激し合いながら、より遊びが楽しくなってきているたんぽぽぐみさんです。

 一学期も終わり、いよいよ暑い夏がやってきます。お友達と一緒に水遊びやシャボン玉遊びを楽しみながら、夏の暑さに負けずに元気にお過ごししましょうね!