先日「花の日」という行事がありました。
 イエス様は「野の花を見よ」と言われました。神様は、野に咲く一つひとつの花をも着飾ってくださいました。
 
花の日に、子ども達のそれぞれのお家から、お花を少しずつ園に持ち寄ってきてくれました。
あじさい、ひまわり、ガーベラ、デージーなどなど・・・季節の花々がたくさん集まり、玄関に置いたバケツは、色とりどりのお花でいっぱいになりました。幼稚園の玄関は、この日だけはまるでお花屋さんのようになります。
 お花を入れる容器は、ペットボトルをくり抜いたものに水をたっぷり含んだオアシスを入れて、リボンやセロファンで飾ったものです。そこに、みんなが持って来てくれたお花を、一本ずつ差し込んでいき、仕上げに「いつもありがとうございます」「おしごとがんばってね」などの手作りメッセージの入ったピックを刺して、かわいくアレンジメントした花かごができあがります。
 先生が花かごを作っているのを、傍らで見ていた子ども達は、「このお花はぼくが持って来たんだよ。」「私のお花はこれよ。」「きれいだね」と、満足そうにうっとりとながめていました。
 こうして、この日ホールにはたくさんの心のこもった花かごが飾られました。
花の日の礼拝はいつもと違った雰囲気の中、行われます。毎日のホールの始まりは、軽快なマーチのピアノ曲でスタートするのですが、花の日は静かなピアノの音が流れています。
 小さい組のお友達にも、この雰囲気がわかるのでしょうね。いつもは走って一番にホールにやってくるたんぽぽぐみさんも、きれいなお花と静かな音楽に、いつもの足がぴたっと止まり、神妙な表情でしずしずと歩いてホールに入ってくる姿がかわいかったです。
 みんなが揃うと、きれいなお花をくださった神様に感謝の礼拝を行います。
 その時には、自分たちはひとりで大きくなったのでなないんだよ。たくさんの人達に支えられて大きくなったんだよ。というお話しを聞きます。
 子ども達一人ひとりは、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんなど、お家の人達に愛されて、大切に育てられています。
 新しく社会生活を始めた幼稚園でも、先生達に愛情いっぱいに保育されています。
 そして、もっと外に目を向ければ、自分の周りには実にたくさんの人が、自分のために働いていると気づかされます。
 平和な町を守っているおまわりさん。火事がおきたら駆けつけて消火する消防士さん。健康な体を守ってくれるお医者さんなどなど・・・。しらゆりっこ達は、自分の周りの事を考えてみる機会を与えられました。
 花の日礼拝の時には、幼児祝福式も行われます。子ども達の成長を感謝し、更なる成長を神に祈るものです。
 祝福式の時には、ばらぐみさんから順番に担任の先生から一人ずつお名前が呼ばれ、呼ばれた人からお返事をし、順番に立っていきます。そして、クラスのお友達がみんな呼ばれたら、祈りが捧げられます。
 お花を前に静かに祈りを聞く子ども達。
たくさんの人に支えられている事を知ったしらゆりっこ達は、ちゃんと毎日神様が守ってくださっている事も知っているはずです。
 花の日を通して、ちょっぴりお兄ちゃんお姉ちゃんになったしらゆりっこ達なのでした。
 このように礼拝をした後、これらのお花を持って花の日訪問に出かけます。たくさんの人に支えられて大きくなった事を知っているしらゆりっこ達は、市役所、警察署、消防署、園医さんなど「お仕事、頑張ってください!」と、とても嬉しい気持ちでお花のプレゼントをする事ができました。

 
 次の日にはばらぐみさんが、老人ホームである眉丈園にお花を持って訪問しました。眉丈園の方々の前でダンスや歌を披露しました。一緒にダンスの決めポーズをしてくれる方もいらっしゃって、嬉しいひとときを過ごしました。その後、一人ひとりのおじいちゃん、おばあちゃんにお花のプレゼントをしたばらぐみさん。「どうぞ」とお花を手渡し、「元気でね」と握手をしました。
 ばらぐみさんにとっては、自分達のおじいちゃんおばあちゃんよりうんと年をとった方々です。車いすに座ったおじいちゃんとおばあちゃんは、大きなシワシワの手を差し出し、小さな手からのかわいい花かごを受け取とると「ありがとね」とか「かわいいね」と言ってくださいました。でも、中には遠くを見つめて花を受け取る手も、握手の手も動かせない方もいらっしゃいましたが、そんな時は、その手にそっとタッチをして握手をしてあげました。
 お花をはさんでばらぐみさんと、おじいちゃんとおばあちゃんの間にやさしくて暖かい空気がながれていて、とても幸せな気持ちにさせられました。

 

 お花と言えば、羽咋白百合幼稚園の園庭はとても魅力的な園庭です。
 季節毎にたくさんのいろいろなお花が私たちを楽しませてくれます。
 春の花壇には、赤、白、黄色、ピンクとお行儀良くならんだチューリップ。
 その頃には、しらゆりっこ達は花壇を見ながらチュチューリップの歌を声高らかに歌います。
 「♪赤、白、黄色、ピンク どの花みてもきれいだな」本当の歌詞には入っていないピンクが入っているのはしらゆりオリジナル。ちょっぴり素直なオリジナルソングです。
 チュ−リップと同じ時期には、大きなモクレンの木の白い花がきれいに咲きほこります。
 そして、お庭の隅には椿の赤い花がさりげなく咲いています。
 暖かい春の陽気が続く頃、その椿の花がきれいなままお花ごと地面の上にポトンと落ちてしまいます。
 モクレンの花は二十センチ以上もあるでしょうか?丈の高い木から花びらの一枚一枚がヒラヒラと地面に落ちてしまいます。
 でも落ちてしまったお花は、幼稚園ではひとつも無駄にはなりません。春のお外遊びが楽しい季節。子ども達はその花びらを拾い集めて、おもちゃのバケツの中にいっぱい入れておままごとのごちそうにしたり、お砂で作ったケーキのお飾りになったりするのです。
 そしてしらゆりっこ達は、お散歩の時に見つけた小さな小さなお花。オオイヌノフグリやホトケノザ。こんなに小さなお花にもちゃんと名前がついている事も知っています。
 梅雨の季節には、所々にあじさいが花を咲かせます。雨上がりにあじさいの上にかたつむりを見つけたりできる絶好の場所でもあります。
 そして季節は夏。
 チューリップの花が終わった園庭の花壇には、今いっせいにコスモスの茎が伸び続けています。みんなで種から植えたアサガオ、ヒマワリ、ホウセンカも大きくなり、花を咲かせ初めるでしょう。

 
 
子ども達を取り巻く花々は、子ども達の心身の成長に、やさしく働きかけてくれています。