しらゆりっこ達の二学期は、運動会からスタートしました。と言っても、競技の練習を何度もするわけではありません。体操やダンスの練習をできるようになるまで何度も練習するわけででもありません。
 
「運動会ごっこ」という遊びの中で、軽快なマーチの音楽に合わせて胸を張ってかっこよく歩いてみたり、ホールや園庭を思い切り走ってみたり・・・。季節はちょうど、長い夏が終わり、さわやかな秋の風を感じる頃です。思い切り動くのにはうってつけです。
 「よーいどん!」とみんなで走る事が大好きです。音楽に合わせてみんなで踊るのが大好きです。競争のゲームをするのが大好きです。
 運動会ごっこを通して、自分一人で走っても楽しいけれど、お友達みんなで走るともっと楽しいな!自分一人でダンスを踊っても楽しいけれど、みんなで踊るダンスはもっと楽しいぞ!と気付く事ができ、友達と過ごすのがとても楽しくなっていきます。ばらぐみさんやゆりぐみさんぐらいになると、とても団結力が強くなるのもこの時期です。
 自由遊びの時間もお友達同士で「運動会ごっこしようよ!」と、走ったり踊ったりして盛り上がっている姿をよくみかけましたし、「あと、○回寝たら運動会やね」と、運動会を楽しみにしている様子が伝わってきました。
 
 
運動会当日は、幼稚園のホールより大きな勤労者福祉センターの体育館で、思い切り走ったり踊ったりして、お家の方々と楽しく過ごす事ができました。
 そして、運動会のすべてのプログラムが終わり、最後にしらゆりっこ達がみんな集まって運動会の閉会式が行われました。
 集まったみんなに向かって「今日は、とっても楽しかったね」という言葉を投げかけると、さも満足に満ちた笑顔で「うん!」とばらぐみさんを中心に、ほとんどのしらゆりっこ達が首を縦に振って返事をしてくれました。それを見ていたご家庭の方々も一緒に首を縦に振ってくださいました。まるで、会場にステキな波が広がるような、心あたたまる瞬間でした。
 そんな楽しかった運動会は、運動会が終わってしまってからも、自由遊びの時間やホールの時間、お部屋の時間にも、運動会ごっこしよう!と盛りあがり、長い間繰り広げられたのでした。
幼稚園の生活は、遊びがすべてです。楽しく遊ぶ事にこそ、大きな学びがあるのです。

 この夏の事です。毎年中学校では、中学二年生の生徒さんが、わく・ワーク体験と称して、いろいろな職場体験をしてみようと、いろいろな職場で仕事をしてみるといういう企画があります。
 そして、羽咋白百合幼稚園にも中学二年生の生徒さんが、幼稚園のお仕事を体験しようという事でやってくる事になりました。
 今年は、羽咋中学校と邑知中学校で、合計六人の中学生がやってきました。
 自分で希望してきたのでしょう。六人共、ここ羽咋白百合幼稚園の卒業生でした。小さい時の面影が残るものの、心も体も大きくなって、とても頼もしく成長していて嬉しくなりました。
 
そんな、お兄ちゃん先生とお姉ちゃん先生の登場に、しらゆりっこ達は大喜び!「だっこして!」「おんぶして!」「ドッチボールしよう!」「おにごっこしよう!」などなど・・・。止めどないしらゆりっこ達の要望を、汗をかきながらも、体全体でうけとめてくれる中学生達もまた笑顔でいっぱいでした。。
 わく・ワーク体験は三日間ですが、その中で、一人の中学生の男の子が「先生、新聞紙で遊んでもいいですか?」と言ってきたのです。
 かぶとでも折ってあげるのかな?とその子に新聞紙をあげると、その子は新聞紙を一枚取り、端からくるくると巻いていき、棒をつくり、棒の一方に持ち手を作って「剣だよ」と幼稚園の子ども達にあげていたのです。たちまちその子の周りには剣をつくってもらい、持ってレンジャーごっこしている子や、脇差しをしているようにズボンに剣の先を入れて、ポーズしている子ども達でいっぱいになりました。
 「おもしろい遊び教えてもらった!」と、どの子の表情も生き生きと輝いていました。
 その中学二年生の子達は、羽咋白百合幼稚園が、現在学童保育、ゆりっこ児童クラブとなっている本町の場所から、今の松ヶ下町に移ってきての初めての卒業生でした。その子達が、年長のばらぐみさんの六月に現在の場所にお引っ越ししてきて、早いものでもう八年目になります。
 
初めて、その子達をこの場所に連れてきた日の事をです。
 幼稚園バスに乗って、まるで園外保育に行くように、わくわくしながらここにやってきました。「今日からここがみんなの幼稚園なんだよ」と、玄関から入ると、目の前にはホールが広く広がっているのが見えました。そして、しらゆりっこ達に次の言葉はいりませんでした。「わーい!」と喜んで、ホールを全速で走り出したのです。遊具もまだたくさん運んでいなかったので、ただホールがあるだけだったのですが、飽きもせず延々と走り回っていたのが印象的でした。
 その子達が、新しい場所ー現在の羽咋白百合幼稚園に慣れて来た頃に、流行った遊びがこの新聞紙ごっこでした。剣を作ったり、服のような物を作って着てみたり、おいしそうなケーキの広告を切り抜いたり、それがヒーローっごっこやお店屋さんごっこに発展したりして、毎日盛り上がったのを覚えています。
 その頃、夢中になって遊び込んでいた遊びです。 その子達は、その頃この遊びをして、とっても楽しかったのでしょうね。
 
 
 この新聞紙遊びを通して、昔(?)のしらゆりっこ達と今のしらゆりっこ達とが、熱心に遊び込こんでいる姿はとてもほほえましいものでした。
 楽しかった記憶は、こうして色あせず心に残っているものなんですね。
 遊び込むことの大切さを改めて感じたのでした。

 そして、今年もしらゆりっこ達と共にクリスマスツリーの飾り付けをし、アドベントカレンダーに一本一本灯りをともし、アドベントカレンダーを毎日めくり、クリスマスを心待ちにする季節がやってきました。
 クリスマスはイエス様の誕生日です。
 「誕生日にはプレゼントを持ってこなくちゃ!イエス様が一番喜ばれるみんなのよいお心をプレゼントしましょう。」と持ち帰った献金箱。
 献金箱を持ち帰ってしばらくしたある日、ある子が、「あのね、献金箱によいお心が今四つ入ってるんだよ」と言いました。すると他の子も「ぼくもいっぱいよいお心がたまってきたんだよ」と報告をしてくれました。
 献金箱に入っているのは、お金ではあるけれどちゃんと「よいお心」と表現している所が、しらゆりっこ達のステキなところです。
 そんなステキなお心を持ったしらゆりっこ達。今年のクリスマスも、きっととてもすばらしいものになるでしょう。


 このように、大きく成長したしらゆりっこ達。三学期もたくさん遊んで、たくさん学んでいきましょうね。