二〇一一年度の幕開けと共に、すみれぐみから進級した十人のお友達に、新しいお友達を一人加えて、新生ゆりぐみがスタートしました。
 始業式当日。ゆりぐみのお部屋で、ピカピカの黄色いバッチをつけることに。ずっと憧れていた黄色いバッチにドキドキ・ワクワクのお友達。「黄色いバッチつけてもいいかな?」と聞くと、全員迷うことなく「うん!」という大きなお返事をしてくれたのでした。一人ずつお名前を呼びながら左胸につけてもらった新しいバッチをじっと見つめてはニコニコ、鏡に映る自分の姿をみてニコニコと、いつまでも大きくなったその姿にみとれていたお友達でした。
 
黄色いバッチがついてゆりぐみさんになったといっても、三月まではすみれぐみさんだったお友達。お友達と一緒にいることが楽しくて、お椅子並べの時間だということをすっかり忘れて遊んでいたり、ご飯を食べることよりもおしゃべりに花が咲いて、食事がなかなか進まないという日々が続きました。「お椅子並べの時間だよ〜」「おしゃべりもいいけど、ご飯も食べてね〜」と、言われる度にハッと気づくことができるのですが、「自分で気付く」ということがなかなか出来ないこともありました。
                                     
六月に入り、お部屋では六月十日の時の記念日に向けて時計製作をしました。「時間を大切にしようね」というお話を聞いたり、長い針・短い針、そして一〜十二までの数字と、時計や時間についてたくさんの事を知る機会がありました。『何時何分』ということは難しいので、「お片付けは長い針が十だよ」などと言いながら、お過ごしをするようにしました。するとある日、時計を見ていたお友達が「長い針十や!お片付けの時間だよ!」と、先生からお片付けの声かけがある前に気付いて、お片付けができたのです。時計を見るようになったお友達は、さらにお片付けを伝えるだけでなく、長い針が十の真ん中までいっているか、という細かい所まで見て活動できるようになりました。お友達との時間を楽しみながら、今は何の時間かな?と少しずつ気付くことができるるようになったゆりぐみさんに驚かされた先生でした。
ばらぐみさんの姿に強く興味を示すゆりぐみさん。ある日のお外遊びの時間に、ばらぐみさんが虫かごを持って何か作っていました。「何してるの〜?」と興味津々のゆりぐみさんが聞いてみると、「かたつむりのお家作ってるよ!」とお話してくれたのです。土・石・葉っぱを虫かごの中に入れて、上手にお世話をしている様子を見て「ゆりさんもかたつむりしたい!」とばらぐみさんの真似っこを始めたのです。まずはかたつむり探し。ばらぐみさんがかたつむり探しをしている姿を見て「あじさいのお花の近くに行けばいいんだ!」と、気がついたお友達は大急ぎであじさいの元へ。すると長い目をだしてのっそりのっそり歩くかたつむりを発見!「やった〜!かたつむりだ〜!」と大喜びで虫かごに入れてお部屋にご招待。とは言っても、顔をなかなか出してくれないかたつむりに頭を抱えるお友達。「あじさいの葉っぱ入れてあげる?」「お水かけてあげる?」と一生懸命考えながらお世話をしていたのでした。「ばらぐみさんみたいにしてみたい!」「どうしたらいいかなぁ?」と一生懸命考える姿がとっても素敵だなぁと思った出来事でした。


 こうして夏を迎える頃には、お心もお身体も黄色いバッチが似合う素敵なゆりぐみさんのお兄さん・お姉さんとなったお友達。そんなお友達を待っているのは…一学期最後の行事となるお泊まり会です。いつも元気いっぱいのゆりぐみさんですが「僕、泣くもん!」と、ニコニコ笑顔で泣きます宣言をするお友達。「大丈夫かな…」とちょっぴりドキドキのお友達と、初めてのことに不安でいっぱいのようです。でも大丈夫!頼もしいばらぐみさんのお兄さん・お姉さん、そして先生も一緒ですよ。もちろんお泊まり会は楽しいことがた〜くさん!元気いっぱいのゆりぐみパワーで楽しみましょうね。