幼稚園の花壇に赤や黄色のチューリップがたくさん咲き誇る春。ピカピカのピンクのバッチを胸に付け、ひよこぐみさんから進級したお友達九名と、新しくしらゆりっこに仲間入りしたお友達九名の、合わせて十八人の元気あふれるすみれぐみがスタートしました。
入園当初は、お家の方と離れる時に泣いてしまうお友達や、泣きたいけれどぐっと涙をこらえているお友達と、様々な姿がありました。進級したお友達は、園生活に慣れていて、余裕の笑顔でお過ごししていましたが、新しいお友達は、今までとは違う環境にたくさんのお友達・・・何もかもが新しくてもうドッキドキ。そこで先生と一緒に幼稚園の中を探検したり、じっくり粘土遊びやお絵描き遊びを楽しんだりと、いろんな遊びをしながら、まずは幼稚園を好きになってもらうことからスタートしました。
 
 
安心してお過ごしができるようになると、泣いていたお友達も先生の側を離れて、自分の世界で自分のしたい遊びを楽しむようになっていきました。けれども「ママのとこいく〜」と誰かが泣き始めると、その涙につられて、一人、また一人と涙の連鎖反応もありました…。
そんなすみれぐみのお友達も、五月になると随分園生活にも慣れてきました。そしてそんな頃からなんだかみんなの笑顔もよりたくさんみられるようになってきました。それはお友達という大切な存在に気付き始めたからです。自分一人で遊ぶことは楽しいこと。けれどもお友達が一緒だともっともっと楽しいことが少しずつわかってきたからです。そしてお友達同士お名前を呼び合いながら一緒に遊ぶ姿があちこちで見られるようになっていきました。
 もちろんお友達との関わりが広がることは楽しいことですが、自分の思いを素直に口にするため、トラブルが発生することもあります。けれどもそのトラブルを経験することで『集団生活のルール』を知ったり、『相手の気持ちを考える』という貴重な経験をしているのです。
 
六月に入り、お部屋でブームとなっていたことが『電車ごっこ遊び』です。五月頃までは、お友達の肩に繋がって電車を作るものの「○○ちゃんの後ろがよかった〜」と並ぶ場所の取り合いになり、電車が壊れてしまうことがたびたびでした。また電車が出来ても、お友達のペースに合わせて歩くことは難しく、途中でお友達の肩から手が離れてしまうこともありました。けれども毎日やっているうちに、みんなで一列の電車になって遊ぶことができるようになってきました。この頃からお友達の中で『みんなで一緒に遊ぶことは楽しい』と分かり始めてきたのでしょう。一列の電車が出来上がると「わぁ〜長いね〜」とお友達の肩に手を乗せながらニッコニコさんのすみれぐみさんでした。
  
 
 こんな出来事がありました。いつものように電車ごっこを楽しんでいると、電車の先頭さんが、一番後ろのお友達の肩に偶然手を乗せたのです。先頭と最後尾がくっついたことで、大きな円ができました。するとお友達の中から「わぁ〜ドーナツみたい」との声が。するとその声で周りをみると、本当に大きなドーナッツができているではありませんか!もちろんみんな大喜び。みんなで作ったドーナッツに大喜び!この日以来、ますます電車ごっこが大好きになったすみれぐみさんで〜す。

 楽しかった一学期も終わり、いよいよ夏本番がやってきます。夏の暑さに負けずに、お友達と楽しく元気にお過ごししましょうね!