「学院長室から」

          
  
                               学院長 釜土達雄
 
 七月七日の新聞各紙に、ここしばらく注目されてきた幼稚園や保育園に関する記事が載っていました。北国新聞や、北陸中日新聞にちゃんと載っていた大事な記事でした。
 例えば、読売新聞はこんな風に報じていました。
『幼保一体化13年度にも、補助金も一本化明記』
 幼稚園と保育所の一体化を検討してきた政府の「子ども・子育て新システム検討会議」作業部会は、六日の中間とりまとめで、保育と幼児教育の両方を提供する「こども園・総合施設」(仮称)を二〇一三年度にも導入する方針で一致した。
 幼保関係者らが参加した部会が一体化の方向性で合意し、長年の懸案が具体化へ進むことになった。
 新システムは、幼稚園と保育所を機能統合した「総合施設」の創設が目玉。中間まとめでは、保育所や幼稚園などを二〇一三年度をめどに「こども園」に統一し、補助金も一本化すると明記した。
 そのうえで、「こども園」を〈一〉〇〜二歳児対象の保育所〈二〉幼児教育だけの幼稚園〈三〉総合施設――の三タイプに仕分け、総合施設へ誘導していく方向を示した。これにより、すべての三〜五歳児が就学前教育を受けられる体制を整え、待機児童を解消する。(二〇一一年七月七日 読売新聞)』
 ???と、お感じになる方もいらっしゃるかもしれませんね。保育所は原則〇歳児から二歳児まで。幼稚園は三歳児から小学校入学まで。〇歳児から小学校入学までの保育所は、幼児教育を提供できるように体制を整えて、総合施設になるように体制を整えること。また幼稚園も、〇歳から二歳児を受け入れることが出来るように体制を整えて、総合施設になれるよう支援していく。
 はい、羽咋白百合幼稚園は、この四月から〇歳から二歳までの羽咋白百合保育園を併設し、すでにこの総合施設を「認定こども園羽咋白百合幼稚園」として、先取りしてしまったのです。
 しかもわたしたちはその準備を、本町の旧羽咋白百合幼稚園の園舎から、松ヶ下町のこの場所に移ってきた二〇〇三年からはじめてきました。そしてこの四月に実を結んだのです。実に長い日時をかけて、ゆっくりと準備をしてきたのです。
 制度をつくれば、それで保育が出来るわけではありません。特に幼稚園が、〇歳から二歳の子どもたちをお受け入れするためには、保育者はちゃんと訓練を受けないといけないし、施設の準備も必要です。じっくりと時間をかけさせていただいた準備の時があって、この四月があるのです。
 そして、もう一つ同じ時間をかけてじっくりと準備をし、この四月にはじまったこと。それは、繁在家真紀先生が、園長としてお仕事を始めてくださったことでした。
 わたしはこれから、羽咋白百合学院の学院長として羽咋白百合幼稚園・保育園に関わります。
 一九九七年に園長をお引き受けしてきてからのわたしの願いが、二つ結実しました。感謝です。