園庭の花壇に色とりどりのチューリップが咲き始め、春の足音を知らせてくれた四月。大好きなお家の方と手を繋いで幼稚園の門をくぐり、新しい一歩を踏み出した十人のすみれぐみさん。入園式ではピカピカのピンクのバッジを胸に、目をキラキラ輝かせながら喜びいっぱいのお友達でした。

 ひよこぐみさんから進級したお友達は、憧れのすみれぐみのお部屋でお過ごしできるとあって嬉しい笑顔でいっぱい。何をするにも「すみれさんだも〜ん」と、はりきっていました。四月から新しくしらゆりっこに仲間入りしたお友達は、初めての集団生活に嬉しさと同時に、緊張や不安などいろんな思いがあったことでしょう。入園当初は、お部屋の中を走ってみたり、おままごと遊びをしたり、粘土遊びをしたりと、一人遊びを思う存分楽しんでいました。時にはクラスのお友達が遊んでいる姿を、ちょっぴり離れた所からみていることもありました。けれども五月になると、幼稚園にもお友達にも慣れてきて「お友達と一緒にいるって楽しい!」ということがわかり始めました。この頃から進級組さんも新しいお友達もすっかり仲良しになり、お友達同士でお名前を呼び合って、一緒に遊ぶようになっていきました。お友達との関わりが増えていくと、楽しいことがたくさん増えますが、同時にお友達同士のトラブルも見られるようになりました。まだまだ自分たちで解決できないすみれぐみさんですが、トラブルを通して、お友達の思いを知ったり、自分の思いを伝えたりしながら、素敵な経験をしているすみれぐみさんです。

そんなすみれぐみさんの「出会い」は、お友達だけではありませんでした。幼稚園にあるいろんな遊具、園庭に咲き誇る綺麗な草花、ばらぐみさんが育ててくれたお野菜、そして自然の生き物などたくさんの「出会い」がありました。
五月、先生がお家からもってきたモンシロチョウの卵。キャベツの葉っぱにくっついている小さな小さな黄色い卵を見つけようとお目々を大きく見開いてじっと観察していました。卵から青虫が生まれると、キャベツを食べて、大きく育っていく青虫を嬉しそうに見ていました。六月に入ったある日、「先生、青虫さんいないよ〜」と言うお友達の声が。見て見ると青虫はさなぎになっていたのです。「青虫はチョウチョになるためにさなぎになってお休みしているんだよ!」と教えてあげると、虫かごの蓋にくっついているさなぎを何とも不思議そうなお顔で眺めていたすみれぐみさんでした。そしてそのさなぎからチョウチョが産まれたことを見付けた時の嬉しそうなお顔ーとっても可愛かったです。小さな小さな卵から新たな命が誕生した場面に遭遇したことは、たくさんの感動と喜びを感じる良い機会となりました。
 
 
 
 六月にはすみれぐみさんにもいろんな変化が。ちょっと前までは食事や排せつ、着脱などいろんな面で「先生、○○してください」とのお声があちこちから聞こえていたのですが、この頃では「先生、一人でできるよ〜」というステキなお声が増えてきています。そんなお友達の姿に、みんなが大きく成長したことをしみじみと感じている亜寿砂先先生です。こんな風に大好きなお友達と毎日刺激し合いながら、お心もお身体も少しずつ成長しているすみれぐみさんで〜す。
 
 楽しかった一学期も今日でおしまいです。夏休みも元気にお過ごしして、二学期もみんなでお心を一つに頑張っていきましょうね。