暖かい風が気持ちのよい季節になりました
 
先日の発表会では、小さなたまごぐみさん、ひよこぐみさんのおぼつかないながらの劇遊びでのかわいいセリフ。体いっぱい動かして大はりきりのすみれぐみさん、もうすぐばらぐみ嬉しいなという気持ちがいっぱい伝わってくるゆりぐみさん。そして、一年生になるパワーに満ちあふれたばらぐみさん。ばらぐみさんに関しては、幼稚園最後の発表会、小さい頃から立派に成長した姿に会場中感動に包まれましたね。
 このように、クラス毎に大きくなった姿を充分にお家の方達の前でお見せする事ができましたし、年齢を超えてしらゆりっこ達の仲のよい所を披露する事ができたのではないかと思います。
 
こんな事がありました。
 八月の夏期保育中の事です。白百合幼稚園を卒業した子で、小学校に入る時に金沢にお引っ越しし、金沢の小学校に通う事になった女の子Nちゃんが、妹さんを連れて幼稚園を訪ねて来てくれました。Nちゃんは小学校六年生、Nちゃんが金沢にお引っ越しした時、赤ちゃんだった妹さんは小学校一年生になっていました。赤ちゃんだった妹さんは、もちろん白百合幼稚園の事を知りません。ここはどこ?ときょとんとしている妹に「お姉ちゃんの幼稚園だよ。お姉ちゃんの先生だよ。」と教えてあげていました。
 園内にはちょうどおとまり会の写真が飾ってありました。多目的ホールに布団を敷き詰めてパジャマ姿でかわいいしらゆりっこ達。千里浜の暮れゆく夕日を並んで眺めているしらゆりっこ達。お楽しみ会の劇ヤッターマンのコスチュームを着て、ポーズを決めている先生達。
 Nちゃんは、今の白百合幼稚園に、旧園舎から、ばらぐみの年にお引っ越ししてきたお友達です。そして、その年のおとまり会から、千里浜の夕日を見に幼稚園バスで出かけたり千里浜からの帰り道バスの中から夜の羽咋の町探検をしたのでした。
 それらの写真を見つけると、Nちゃんはいきなりけらけら笑いだし、「わあ!懐かしい。おとまり会だね。私の時もめっちゃ楽しかった。海行ったし、劇も見たの覚えてるよ。でもちっとも変わってないんだね」と嬉しそうでした。

また、こんな事もありました。
 秋も深まる頃に、ばらぐみさんはそれぞれ入学する小学校に学校訪問する会があります。私もばらぐみのお友達三人を連れて、瑞穂小学校を訪問する機会が与えられました。参加したばらぐみさん達も学校の広さに驚き、たくさんのお友達にキョロキョロしながら、一年生の教室に入れてもらい、授業をみたり、参加させてもらったりしました。その横顔はドキドキしながらも、学校ってなんだか楽しそうだなときりっと引き締まる表情が伝わってきました。
 学校訪問のすべてのプログラムが終わり、ばらぐみさんを連れて幼稚園バスで幼稚園に帰ろうと玄関にいると、「先生久しぶり!」と声を掛けてくれた小学生の女の子がいました。よく見ると、四年前に白百合幼稚園を卒業したMちゃんでした。「今、四年生だよ」と教えてくれたMちゃんは、白百合幼稚園の制服を着ているばらぐみさん達の方を見て「白百合幼稚園からは、男の子が来るんだね。よろしくね。」と言ってくれました。
 本当に心も体も大きく成長して、ステキなお姉さんになったなと感動していると、Mちゃんが、「家で白百合幼稚園のホームページ時々見るよ。新しい先生がいっぱい入ったんだね。ゆかり先生は幼稚園にいるんだね。他の先生はどこに行っちゃったの?」と、彼女が幼稚園にいた頃の先生の事を話してくれました。そして、「でも、今も前も変わらないんだね。とっても楽しそう!懐かしいからまた見るね。
いろいろな情報が簡単に見たり調べたたりできる、インターネットの時代になりました。まさか、こんな風に小学生がインターネットでホームページを見ているなんて!驚きと共にとても嬉しい出来事でした。

 このように、久しぶりに出会ったNちゃんも、Mちゃんも白百合幼稚園の事を、とても懐かしんで喜んでくれました。そして、二人とも言った言葉が、「幼稚園は変わらないんだね。」という事です。そして、「変わらない」その言葉に自信と誇りを持った私です。

三月になり、今年度も晴れやかな気持ちで卒業生を送り出す事になりました。今年度で八十二回目の卒業式になります。

 園の保育内容は、小学生が嬉しそうに懐かしんでくれるくらい変わらないのです。時代の波にきちんと乗りながらも、かわらない幼稚園をめざしていきたいと思います。