今年参加した研修会のお話です。

 それは「見えない世界に生きる」という主題に基づいた研修会でした。講演会では、目に見えることにばかりとらわれるのではなく、その内面にあるものを見落とさない。そしてそれらを見極める心の目を養い、これからも子どもの成長のためにより良い保育ができるように、自分を今一度見つめ直すことが大切であるといったものでした。
 この講演を聞きながら、私は思いました。白百合幼稚園で大切にしている「誰が見ていなくても、神様が見ています」ということを。
 子ども達は毎週月曜日に牧師先生のお話の中で、神様に守られていることを感じています。そして、心から祈りを捧げています。小さな手を組み合わせ、目を閉じて一生懸命祈っています。目には見えない神様を思って。
 また、私たちは時折保育を展開する中で「そんなことしていたら、神様どう思うかな?悲しんでるよ」「神様見ててくれたかな」と、神様の存在を子ども達と考えるときがあります。これは、神様が「怖い存在」であると言うことではなく、神様に守られていることに感謝し、心が豊かに成長してくれることを願っているからです。
 
祈ること。感謝すること。お友達を気遣うこと。どれをとっても目にはみえないことですが、子ども達の心の中でちゃんと芽生えているステキな気持ちです。
 文字や数字などは、学ぶ機会があれば子ども達は吸収し、知識とします。けれども優しい心は教えたからといって、そうなれるものではありません。優しくされた経験―その時に自分がどういう気持ちになったかの想いが根底にあるのではないでしょうか?そんな心の豊かな成長のために、これからも私たちは保育をしていくことが大切だと改めて感じた研修会でした。
 二学期も、あとわずかとなりました。クラス担任をせず、事務室から子ども達の成長を見守っている私からみても、一学期に比べると、子ども達の成長はもちろん、お友達同士のつながりが深くなっていくのがわかりました。同じクラスのお友達とは、いろいろな経験を共有することで、連帯感がうまれてきて、クラスとしての活動に一層活気が出てきました。また、クラスの枠を超えた縦のつながりは、こんなステキな光景は他にあるのかしら?と思えるほど、優しさが溢れ、微笑ましいシーンがたくさん見られましたこんな風に、幼稚園の子ども達の全体の成長を見ながら、その子ども達を囲んでいる現場の先生達の成長も、私の目にはしっかりみえた嬉しい2学期の歩みでした。
十二月の声を聞く頃から、幼稚園はクリスマスを迎える準備に入りました。アドベントカレンダー・クランツにリース。そして大きなクリスマスツリー。子ども達ばかりではなく、大人の私も嬉しい気持ちになりました。そして、幼稚園のあちこちから、クリスマス会で行う歌やダンス、ハンドベルが聞こえてきました。イエス様のお誕生を祝うためです。
 いつも守ってくださる神様を思って、楽しそうに取り組む可愛い白百合幼稚園の天使たちの姿は、今も、そしてこれからも白百合のステキな十二月の優しい光景なのでしょう。