直線上に配置

Aぐみのお部屋から

担任 坂井 菜見子


 晴れた日の日差しは、ぽかぽかと暖かく春の訪れを感じさせられる季節となりました。Aぐみさんのお部屋の横にある、ベランダが大好きなAぐみのみんな。雪が積もっている間は出られなかったけれど、暖かくなってきた近頃、「ベランダ行ってもいいですか!」と聞きにきて、ベランダに出ては、みんなで花いちもんめをしたり、ひなたぼっこをして過ごすことを楽しんでいます。「先生、見てみて!」と声をかけられ見てみると、プランターに黄色いクロッカスのお花がひとつ、可愛く咲いているのを見つけました!「春だねぇ」と小さな春を見つけて嬉しくなったお友だち。その横のプランターを見れば、チューリップの葉が土の中から顔をだし、大きく開いてきていました。去年の秋に、「このチューリップが咲くころには、みんなは一年生だね」と植えた球根。いつの間にこんなに大きくなったんだろう?植えたのは、ついこの間の気がするのになぁ…。小さな自然の変化ひとつひとつが、新しい春がやってくる喜びを感じさせてくれ、そして一年前の春のことを思い出します。





 憧れの青バッチを胸に、とってもほこらしげだった四月。お友だちも二人増えて、ますますにぎやかになり十七人でスタートしたAぐみさん。園のお庭にはチューリップ、ヒヤシンスやクロッカス、桜などのお花がきれいに咲き、お庭でお花見を楽しんだりもしました。Aぐみさんならではの、新しいお当番活動『お椅子並べ』『お花のお水やり』『金魚さんのエサやり』もとっても張り切っていしていたAぐみさん。一番大きなお兄さん、お姉さんになった自覚と自信を持って、がんばっている姿がとっても素敵でした。五月の子どもの日にむけてこいのぼりを作りました。画用紙にはさみで切り込みを入れたり、おり方が複雑だったり…ちょっと難しかったけれど、がんばって作ったこいのぼり。できあがると、早速お庭やベランダで泳がせてみました。風に吹かれて元気に泳ぐこいのぼり、そして走るAぐみさん(笑)楽しそうなみんなの笑顔がキラキラ輝いていました。

 五月は、母の日がありました。大好きなお母さんにプレゼントをしたい!だったら「お母さんの身につけられるものがいいよ!」とお話していたAぐみさん。プラパンのキーホルダーを作りました。みんなそれぞれお母さんが大好きなお気持ちを込めて可愛く絵を描いたプレゼント、とっても素敵でしたね。それから『いちご狩り体験』もありました。おいしいいちごは赤くて、大きくて…と、よく考えて、とって食べました。「おいしいのはヘタがあがってるんだよ」と情報を教えてくれたお友だちもいましたね。近くにいた、ヤギとも「メェ~」と鳴き声を真似して触れ合ったり、エサやり体験をして楽しんだいちご狩りでした!

 六月は、保育参観がありました。「身近な生き物」のことをたくさん調べたり、観察したりしました。カタツムリやおたまじゃくしを飼うために、お家はどうやって作るのか、みんなで調べて、お庭で葉っぱや小石を拾って入れてお家を作ったり、エサやりやお家の掃除、毎日霧吹きしたり、一生懸命だったAぐみさん。それぞれの虫や生き物が、卵からいろんな姿を経て成長している姿も、知っていきました。小さな命にも目を向けて、これからも、大切にするみんなでいてほしいと思います。また『花の日礼拝』『花の日訪問』では、いつもお世話になっている方、みんなのためにお仕事をしてくれている方に「ありがとう」のお気持ちを込めて、お花を届けにいきました。みんなの周りにいる方々に目を向け、そして自身が大きくなった喜びもまた感じることとなった、花の日の体験だったことと思います。そしてさらに身近な存在のお父さんに、いつもありがとうのお気持ちを込めて父の日のプレゼント作りもしました。お父さんの形をした風鈴で、揺らすと「お父さん鳴ってるよ!」横にして「お父さん寝ちゃった。」手足を動かして「お父さん体操しとるよ。」それぞれ大好きなお父さんのお顔を思い出しながら描いてできた、可愛くて面白いプレゼント。みんなの、ありがとうのお気持ちと一緒にお渡ししましたね。

 七月、『たなばたさまの会』がありました。この日にむけて、Aぐみさんは新しい楽器ハーモニカに挑戦しました。初めて使う楽器にどきどきわくわく、ではやく吹いてみたい!と楽しみにしていたみんな。がんばって吹きすぎて、くるしくなっちゃった!なんてお友だちもいました。吸ったり、吹いたり、少しずつ上達していったみんな。みんなで一緒に、音を鳴らすと、なんだかとっても素敵…。お心をひとつにして『メリーさんの羊』の曲を演奏しました。みんなで一緒にすること、がんばったこと、とっても嬉しかったね。たなばたさまの会が終わると、お部屋では『ぎゅっぎゅっ♪ぎゅぎゅぎゅ♪』のお歌が流れていました。よさこいの『ステキな日曜日』のお歌です。よさこいを踊ることもとても楽しみにしていたAぐみさん。七夕の短冊にも『よさこいが上手におどれますように』と書いたお友だちがたくさんいました。ちびっこカーニバルの日は、Aぐみさんのお部屋で、髪型をセットしてもらい、はっぴも着て、かっこいい姿に変身!したAぐみさん。変身した姿を鏡でチェックしたり、お友だちの姿を見て、「かっこいい!」「かわいいね!」と始まる前から、楽しみでわくわくだったみんな。マリンパークにつくと、ちょっぴり緊張…もしたけれど、よさこい三曲とも一生懸命踊り、楽しみました。みんなで一緒に踊る楽しさと、一生懸命がんばった達成感を感じ、キラキラの笑顔を見せてくれたみんなの姿がまぶしい、そんなちびっこカーニバルでした。

 一学期が終わり、夏も本番、夏休みになりました。夏休みには、『おとまり会』がありました。スイカ割りでは、さすがAぐみさん、上手でした。思いっきり棒を振り下し、パカッ!と見事にスイカを割ったお友だちもいました。それにはみんなも「やったー!」と歓声があがっていましたね。夜にはみんなで『十字架音頭』を歌って踊ったり、花火をしたり、キャンプファイヤーをしたり、みんなでお風呂に入ったのも、とっても楽しかったですね。Aぐみのお部屋で、一緒に寝たり、朝はお散歩に行ったり、一緒に朝ご飯を食べ、CDぐみさんが登園してくるのを迎えました。そんなAぐみさんのお顔は、どこか誇らしげでしたね!お泊まり会を通しても、またひとつ大きく成長したAぐみさんでした。

 二学期になり、『秋の遠足』でのとじま水族館にいきました。行きのバスの中でも、水族館にいる生き物のことをお話したり、とっても楽しみにしていたみんな。水族館に到着すると、まず出迎えてくれた大きな水槽、そしてジンベエザメ。圧倒されて近づけないお友だちもいたり、先へ先へとどんどん進んでいくお友だちもいたり、それぞれ大興奮で楽しんでいました。ふしぎなくらげコーナーに夢中になったり、触れ合いコーナーで、お友だちと濡れながら遊んだり、みんなでイルカショーを見たり、アザラシの背中を触ってみたり、たくさんみんなとの楽しい思い出ができた、遠足でしたね。

 九月は、運動会ごっこもたくさんしました。バトンリレーは、走ること、勝負することが大好きなAぐみさん。毎回チームやアンカーをかえては何度も対決してきました。負けると本当に悔しそうにしたり、一位になると、チームのみんなで手をあげて喜んだり、勝敗に一喜一憂し楽しんだリレーでした。跳び箱、マットにも挑戦しました。高い段にも、挑戦したい!やりたい!と新しいことにも、どんどん意欲的にとりくんでいくAぐみさん。少しずつ高い段に挑戦していき、上手にお友だちが跳べるのを見ると、拍手をおくって喜んでいました。跳べるようにお友だちを応援したり、お友だちを思うお気持ちも感じられた跳び箱、マット運動でしたね。組体操は、どんなことをしたいか、みんなで話し合って考えました。夏休みにでかけたいろんな場所や、見たこと、したことをお話してくれたAぐみさん。『わくわくAぐみツアー』の組体操ではそんなみんなの意見をもとに、飛行機になって旅に出ることから始まりました。北海道や青森、東京ディズニーランドやのとじま水族館、いろんなお場所に行き、最後にたどりつくのは…みんなが大好きな七尾幼稚園でした。最後は、みんなで手をつないで『波』をして終わる組体操。決して一人ではすることができない『組体操』をやりとげ、みんなのお心がひとつになった、『わくわくAぐみツアー』でした!みんなで力を合わせてしたこと、もうひとつパラバルーンがあります。ワンピースのお歌『ボンボヤージュ』に合わせて、いつもノリノリで楽しんでいたAぐみさん。みんなの息が合わないと、うまく膨らんだり、動いたりできません。動きを覚えて、音楽、お友だちに合わせて…一生懸命がんばっていたAぐみさんでした。そんな少し難しいことも、お友だちと一緒にすることで、がんばれて、楽しかった運動会。一人ひとりが、それぞれ大きく成長し、Aぐみさんの団結力もさらに深まった、運動会でした!

 運動会が終わると、ますます秋も深まり、実りの季節となります。『いもほり遠足』、そして『焼きいも大会』がありました。Aぐみさんはやきいも大会の日はおいもを包んで、焼き芋の準備もしました。あいにく途中から雨が降ってきてしまい、雨の中お庭で焼かれていたおいも。大丈夫かな?とホールから、お庭を心配そうに見つめていたAぐみさん。雨にも負けず、しっかりと焼かれたおいもはホールでシートをしいてみんなで食べました。ちょっと変わった焼きいも大会になったけど、ちょっと特別で、なんだか楽しかったやきいも大会。みんなで食べたその味はまた格別でしたね。
 十一月になると、りんご狩りや白菜、大根の収穫体験があり、嬉しい秋の実りを感謝して、『収穫感謝礼拝』もありました。お家からもみんなそれぞれ野菜や果物をもちよって、秋の実りを喜びました。野菜や果物のお腹を切ってみてみたりもしました。スターフルーツやドラゴンフルーツなど普段あまり見ることのないかわった食べ物を知ることもできました。翌日の『おもちつき大会』では、おもちにあんこときなこをつける役割をしたAぐみさん。大張りきりで、おもちをついて、あんこときなこをつけてくれました。お母さんたちが作ってくれためった汁と、自分たちでついたおもちを味わっているお顔がとっても嬉しそうだったみんな。いろんな物をおいしく食べられる感謝の気持ちを感じ、喜ぶことができた、収穫感謝礼拝、おもちつきでした。
 また、十一月は、みんなでご相談して作ってきた共同作品をみそぎ児童館に見にいきました。この共同作品も、何を作りたいか、みんなでご相談することから始まりました。「幼稚園のお庭を作りたい!」ということ、「楽しかった運動会を作りたい!」ということから、園のお庭を作り、パラバルーンをしているみんなの姿を作りました。お庭の遊具ひとつひとつも作り方を考え、パラバルーンはみんなで折り紙をちぎってちぎって、ちぎって…たくさん貼りました。児童館で飾られている作品を見つけると、「あ!あった!」と嬉しいニコニコ笑顔になっていたAぐみさんでしたね!そして十一月といえば、お金ごっこがはじまります。お店屋さんごっこにも、大張りきりだったAぐみさん。品物作りも、大盛り上がりでした。三色コマを両面折り紙で作って、『四色コマ』にしたり、わたあめを作ったり、プリキュアの変身コンパクト、ウィザードリングを作ったり、みんながこだわって作ったいろんな品物が並んだお店屋さん、とっても楽しかったですね。

 十二月。『ハンドベル』の楽器に初挑戦しました。どんな音か聞いてみよう、と耳をすませて、しーんとしたAぐみのお部屋。ひとつひとつ鳴らすたびに、「こんな音か!」「いいねぇ!」と音を楽しんでいたAぐみさん。『もろびとこぞりて』の曲をみんなで演奏しました。真剣!な表情でお友だちの音をしっかり聞きながら、取り組んでいたみんな。クリスマス会でもきれいな音色を響かせてくれました。クリスマス会では、『ページェント』もしました。イエス様をお祝いするお気持ちを大切に、BぐみさんAぐみさん力を合わせて、やりとげることができました。『おめでとうクリスマス』の合奏もして、嬉しいクリスマス、みんなでお祝いし、楽しくおすごししたAぐみさんでした!クリスマス会の日が終業式となり、冬休みになりました。




 新しい年が明け、二〇一三年になりました。「新年、あけましておめでとうごさいます!今年もよろしくお願いいたします!」元気に新年のご挨拶をし、スタートした三学期。さっそく、カルタやはねつき、すごろくなど“お正月遊び”を楽しみました。Aぐみさんが自分たちで作った特製カルタでも遊んでみたりもしました。お正月らしく、『かきぞめ大会』もしました。本物の墨や習字道具を使い、「集中して書くんだよ!」とお話して始めると、とっても静かになったAぐみさん。いつもの元気なお部屋とうってかわって、びっくりするくらい集中しているみんなのお顔がありました。お友だちが書いている間も、息をのみながら、じっと見つめていて、応援していました。まじめな姿も実はある、Aぐみさんの一面が見られた、かきぞめ大会でした。そして一月と言えば、みんなが楽しみにしていたお菓子作りがありました。みんなで作った『かぼちゃのクッキー』。生地をのばし、型を抜き、トッピング!をがんばりました。形が崩れてきてしまうのが、普通のクッキーとは違って難しかったけれど、一生懸命おいしいクッキーを作ろうとがんばっていたAぐみさん。「かぼちゃのにおいがするね~」「はやく食べたいな~」と出来上がるのを心待ちにしながら、作って行きました。焼きあがったクッキーをみんなで食べてみると「おいしい!」とにっこり笑顔になったAぐみさん。幼稚園のお友だちにも、できたクッキーをお届して、食べてもらいました。「おいしい!」と食べてくれるお友だちのお顔を見て、またにっこり、嬉しいお顔になったみんな。お家に持って帰るお土産も、自分たちで袋に入れて、るんるんでお持ち帰りしました。自分たちで作ったお菓子、それをみんなで食べる嬉しさ、相手のことを思って作ることの喜びを感じたお菓子作りでした!

 二月になると、共同製作のご相談がはじまりました。まずはテーマを決めるために、設計図を持ち寄りました。水族館、動物園、遊園地、昆虫館…どれも楽しそうで、素敵。どれも魅力的でなかなか決められないAぐみさん。お話合いの末、遊園地をみんなで作ることに決めました。そうと決まれば、乗り物作りが始まります。最初は、段ボールを見て、乗り物の車を作ることにしました。形やどんなものを使うか、ご相談しながら、みんなでひとつひとつ作っていきました。次に作ったお城は、ティッシュの箱をたくさん重ねて大きくしていきました。よく見ると大きさが少しずつ違うティッシュ箱。初めはただ積み重ねていっただけなので、隙間ができてしまったり、うまくつなげなかったり…で、今度は大きさごとに合わせて組み立て直しもしました。「エルモアちゃんとって!」「ネピネピちょうだい!」ティッシュの箱の名前を呼び合っていた不思議なお城作りでした…(笑)そんなみんなの努力とがんばりで、何人もお友だちが入ってみることができる大きなお城もできました。他にも、コーヒーカップや観覧車、海、いろんなものをみんなで作りました。みんなで意見を出し合い、そして協力しあって、完成した共同製作『Aぐみわくわくランド』。みんなの思いがたくさんつまっていて、とっても素敵なものになりました!
 共同製作とともに、おひなさまの会に向けてのご相談も始まった二月。最初に挑戦したのが、『ピアニカ』です。指使いに苦戦しながらも、どんどん上達していったAぐみさん。ハーモニカで演奏した『メリーさんの羊』をひいてみるのも、上手でした。新しいお歌『チューリップ』に挑戦し、みんなで弾きました。みんなの息もぴったり合って、おひなさまの会でも素敵な演奏を聞かせてくれました。


 またオペレッタでは、『ながぐつをはいたねこ』をしました。初めにみんなで絵本をみてみました。物語を知り、どんな登場人物がいたかな?とお話していくうちに「女の子は○○の役があるよね~」とオペレッタのことを意識してお話していたお友だちもいました。ダンスの曲のCDを聞くと、「おもしろい!」と言って盛り上がっていたAぐみさん。うさぎのダンスでは女の子も男の子も、なりきってぴょんぴょんジャンプをはじめ、人食いオニのダンスではライオンになりきって「ガオー!」と吠えたり…。「カラバこうしゃくのものでございます~♪」は、お歌が始まると、みんなが歌わずにはいられないくらいお気に入りの曲です。役が決まってからも、自分の役意外のときも一緒にお歌を歌ってノリノリだったり、思わず体が動いてしまったり、とみんなで一緒に楽しんだ「長ぐつをはいた猫」のオペレッタでした。Aぐみさんのお友だちとする最後のオペレッタ、みんなで一緒に歌って踊って、楽しむことができましたね。

 とうとう三月になり、卒業式に向けてのご相談がはじまりました。みんなでお過ごしするのもあと少し。お友だちが行く小学校を見てこよう!と、バスに乗って、小学校めぐりにでかけました。山王、天神山、石崎、小丸山、それぞれの小学校を見ながら「なんか小学校楽しみになってきた!」という声も聞こえてきました。バスの中でもランドセルのことをお話したり、「ドキドキドン一年生」を歌って、一年生!を楽しみにしていたAぐみさん。自分が大きくなる期待を胸に、楽しく行ってきた小学校めぐりでした!

 みんなそれぞれ違う小学校へ行きバラバラになってしまうAぐみさん。だけど、一緒に遊んだこと、ケンカしたこと、たくさん一緒にしたいろんな事。一緒に過ごしてた時間がみんなとの大切な絆になっていることと思います。だから、小学校へいくこと、ちょっぴり不安もあるかもしれないけれど、きっと大丈夫、そう信じています。明るく元気にいろんな事をのりこえてきたAぐみさん、これからもそのパワーと笑顔で、すすんでいってください!小学校へ行っても、ずっとみんなのこと応援しています!一年間、(Bぐみさんからは二年間)本当に、ありがとうございました。ご卒業おめでとうございます。
(2013年3月22日 七尾幼稚園Aぐみのお部屋から)

トップ アイコン今月のトップページへもどる