直線上に配置

Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子



 幼稚園のホールから、♪つくしのようにすくすくと、しゅイエスのこどもよ のびてゆけ♪のお歌が聞こえる頃となりました。
 先日のおひなさまの会。「いぬさん、てつだっておくれ!」等々と、次のお友だちを呼び、何より全員そろって大きなかぶにつながることができましたね。これは簡単なようでなかなか難しいこと。たくさんの方の前、しかも気になるお家の方が側にいる中。いつもと同じように演じることは、年齢が小さくなればなるほど難しいことなのです。それでも、自分の役柄の扮装、動物の帽子がお気に入り。♪いちばんめのはたけにキャベツをうえたら♪と、いまでもよく口ずさむ『はたけのポルカ』のお歌もお気に入り。お友だちと一緒に!という気持ちの方が大きくなってきたDぐみさんは、ドキドキしながら自分の意志でみなさんの前に立ったのでした。
 時はさかのぼって、同じホールで行われた4月の入園式。「ママきて…」とお家の方の手を握り、そばを離れがたかったDぐみさんたち。そんな姿を思うと、今では懐かしくもあり、また大きな成長を感じます。おひなさまの会を過ぎ、3月。大きな変化の時を迎えようとしています。
 
 お部屋では、簡単な『フルーツバスケット』のゲームをして遊びました。りんご、みかん、バナナのカードペンダントをつけて、くだものに変身。輪になっていすに座ります。「りんごさん、おいすをたちましょう」「おばしょをかわりましょう」等々、言葉をかけて場所を移動します。この自分の場所の引っ越しが、なかなか楽しい様子です。あっち見て、こっち見て、場所を決めて行きます。お友だち同士同じ所を目指して、先に座られてしまうこともあります。ゲームはルールがあり、ルールを守らなければ楽しくありません。いろいろなやりとりを経て、新たに得ることも多いのです。お友だちがそばにいて、関わりの中から生まれる楽しさを感じています。

 先日は年長組Aぐみさんのお部屋に招待されて、卒業の共同製作の恐竜の国を見に出かけました。大きな紙に描かれた恐竜たちの迫力にビックリ、でも興味津々。恐竜の時代に行くためにのタイムマシンにも大きな関心を持ちましたね。また、Dぐみさんに付き添い案内してくれたAぐみさん。一人ひとりに合わせて、楽しい時間を過ごさせてくれました。
 そんなAぐみさんも、もうすぐ卒業です。泣いている時にいち早く気づいてそばに。玄関でも支度を見守ってくれたAぐみさん。一緒に手をつないで美術館にも行きましたね。お部屋で聞くと、いろいろなことを思い出してお話ししてくれたDぐみさんです。
 そして、お祝いのプレゼントをCぐみさんと相談して作りました。「しょうがっこうではおべんきょうするんだよ」と、えんぴつを入れるえんぴつ立てに。模様はAぐみさんにちなんだ『ふしぎの国のアリス』のうさぎと時計。お渡しする日を待っています。お渡しする時は、お別れの時。でも、Aぐみさんにもらった周りの人に優しい気持ちは、小さかったDぐみさんの心にもしっかり残っています。
  
 
 Dぐみの窓の外にはチューリップのプランターが並んでいます。「せんせー、チューリップのあかちゃん!」と、指さす先に緑の芽が顔を出していました。みんなで植えた球根。雪の中で少しずつ大きくなっていたのですね。色んな人の関わりの中で成長してきたDぐみさん。春のきざしを感じて、Dぐみさんも次の成長の段階へ。いろいろと温かいサポートをありがとうございました。 
(2011年3月19日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

トップ アイコン今月のトップページへもどる

直線上に配置