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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子



 気まぐれな梅雨空の下、あちこちへ楽しいことを探して探検のDぐみさんたち。それは、玄関であったり、お茶コーナーであったりもします。
 玄関には、カブトムシのケースが三つ。そしてオタマジャクシに、棚の上には、アオムシくん。毎日気になって、のぞいて見ていますね。本当は、自分の手で触ってみたいところなのに、「みるだけよ」「シーッ、ね」と、自分に言い聞かせるように友だちに声をかけたりするところが、何ともかわいいです。
 あっちへ行って、こっちへ行って…そのうちのども乾いてきます。そこで玄関近くのお茶コーナーで「おちゃ、のも!」。水色のカゴは新しいコップ、飲んだ後は「こっちだよ」と、赤いカゴへ。お茶を入れるのも自分で。「いっぱい入れたらだめねんよ」と言う子もいれば、「もういっかい!」と、何度もおかわりする子も。汗をかいた後、自分で入れるお茶のおいしいことといったら…。ひと息つくとまた、遊びに戻って行くのでした。お家では自分ですることというより、お手伝いしてもらって与えられることの一つ。幼稚園でのDぐみさんは、『じぶんで!』。こんな当たり前のような一コマですが、周りのお友だちを見て、まねて経験として積み重ねていっています。
 先日は、お家の方にも来ていただいた、たなばたさまの会がありました。そしてその翌週に、園庭に出て試してみたことがありました。園長先生の『星にさわる』お話です。星に触りたい…とたくさん願うと星に触ることができる、というお話し。くつをかえ、さてDぐみさんと一緒に「ほしにさわりたい!」と、願って大きく広げた手を地面にペッタン。その手には、たくさんの砂が。それは“地球”という星の砂。「星にさわれたね!」と言うと、不思議そうに両手を見ながら「うん!」と、嬉しそうなお顔に。
 続いて、いつものあじさいのお花の所へ行くと、葉っぱには小さなアリさんがお散歩をしています。「あ!星のかいじゅう」と言うと、「ほんとだ!」「こっちにもいるよ」「並んで歩いているよ」等々、星のかいじゅう探しが始まりました。
 砂場での砂遊びは、星に穴を開けるということに。星のお山も作りましたね。ちょっとしたことなのですが、いつもの遊びがまた数倍楽しくなったひとときでした。その後のトイレタイムでは、星の砂が子どもたちのズボンにたくさん付いていましたね。星の砂にまみれて遊んでいる子どもたち。何だかステキに思えますね。
 『そんなの当たり前』と思うようなことでも夢のような世界を、今は一緒に楽しんでほしいと思います。大きくなったらなかなか出来ないことを子どもたちは、今、たくさん経験しているところ。想像は広がり、その中で感じること、新たに知ることがいっぱいあるのです。
 先日は、幼稚園のホールにて『さんぼの冒険』の観劇会がありました。トラが出てくるとチョッピリドキドキ。でも、ぐるぐると回り始め、バターになってしまうシーンに興味津々。最後にそのバターを用いたホットケーキをサンボがムシャムシャ食べている様子をみていると、当たり前ではない世界の中にすっかり入って一緒に楽しんでいましたね。
 当たり前のようなことだけど、とても大事なことや、当たり前ではない世界が混在しているDぐみさん。身の回りにはまだまだいっぱい不思議なこと、楽しいことがいっぱいあります。もうすぐ来る“夏”。新たな夏ならではの楽しい経験をお友だちと一緒にたっぷり経験していきましょうね。    
 
(2010年7月20日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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