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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子



 能登に新緑の季節がやって来たことを伝えるお祭りも過ぎ、お隣の小丸山公園には色とりどりのつつじの花が満開です。今年は、ゆっくりやって来た春。汗ばむ日の後には、こたつが恋しいお天気が続いたり、お花のつぼみもやきもきしていたことでしょう。
 そんな中、新しいお友だちを迎えて新学期開始。まず、入園式はお母さんやお家の方と一緒に登園。「ママと…」と、お家の方のそばで安心…のお顔でしたね。
 
 そして、始まったにぎやかな毎日。お家の方とは玄関で、バスで一旦『さようなら』とお別れです。お家の方と離れて過ごすことに気づいた子どもたち。「ママのとこ行きたい」と涙で訴えることもありましたね。
 そんなDぐみさんの様子に気づいた、大きいクラスのお友だち。誰に言われたわけでもないのですが、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」「ママくるよ」等々となぐさめて、そばにそっといてくれたりします。そうするうちに、楽しそうに遊ぶお友だちの姿にも目を向けるようになりました。そして、興味を引いた遊具に手をのばしたり、まねて遊んでみたりして、気持ちもほぐれてきます。『何だか楽しい!』『ママは、必ずやってくる』『バスが迎えに来てくれる』。毎日を積み重ねて行くにつれて、幼稚園での時間の流れもわかり安心して時を過ごすようになってきたのでした。

 いろいろなお友だちと一緒に過ごす幼稚園。お家では、自分のものを自分で使って遊ぶことが当たり前。でもここでは、おもちゃもお友だちと一緒に。すべり台や車の遊具もお友だちと使います。同じものを使いたくて、様々なトラブルも発生。『これぼくの!』『あたしの』『ぼくがさき!』『わたし!』等々…。さて、どうしたら楽しく過ごせるのかな?いろいろ考えて、それぞれ答えを探して過ごす毎日。もちろん、今日わかっても明日はまた同じ事の繰り返しだったりしますが、何度も繰り返しながら、多くの事を感じて学んでほしいと思います。

 イースターのたまごさがし、でか山見学バスツアー、お散歩のあった4月を過ぎ迎えた連休。そのお休みあけは、思ったより機嫌良く登園のDぐみさんでしたね。『幼稚園は楽しい!』という気持ちが、お心の中に芽生えて少しづつ広がって来ているのでは、と思います。
 
 自分の印のついた棚があることを知り、外ばきズックを内ばきズックに替えることを覚えた、Dぐみさん。「おくつはきましょうね」と言うと「はーい!」と元気なお返事。でも、なかなか上手くはくことが出来なくて、怒ってしまったり、そのまま待っていたり…。まだまだ、出来ないことや、うまくいかないことが身の回りにはたくさん。でも、その先には一つひとつ出来るようになっていくこと、過程、喜びが、それだけたくさん待っているということなのです。それを、ゆっくりと見守り、一緒に喜び、認めて次の成長につなげていけたらと思います。
 
 今は、身の周りのあちこちに興味津々。あっちを向いたり、こっちを向いたり。それでも、何か始まる時には、その視線が一つに集まります。そのキラキラ光る視線を受けて、これからの毎日を楽しく過ごしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
(2010年5月27日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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