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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子



 先日、バスで最後のお友だちを送り届けた際に、ふと見ると道ばたに“ふきのとう”のかわいい姿が。まだまだ寒い日々ですが、春の気配を感じさせてくれる光景でした。
 幼稚園のお庭に目を向けると、Dぐみのお部屋の窓からは、プランターが目に入ります。雪の時には白くおおわれていたプランターですが、ある日変化に気づいた子どもたち。「せんせーみて!」「たいへん!」と、言うので「どうしたの?」と見ると、プランターの土の中から小さい緑の芽がお顔をだしているではありませんか。それもいくつも。それが秋にみんなで植えて、土をそっとかけたチューリップの芽だということをお話しすると、大喜び。「はやくおおきくなってね」と、みんなで声をかけたあのチューリップの球根の変身の姿と気づくと、不思議な気持ちでいっぱいのようでした。

 ♪いつのことだか、思い出してごらん♪と、ほんの少し前だけど、今ではずいぶん前のような日々。入園まで、それぞれお家で過ごして来たDぐみさん。それでも、興味は少しずつ広がり入園の時を迎え、お母さんやお家の方と離れて過ごす日々が始まりました。お友だちがたくさんいてとてもにぎやかだけど、大好きなお母さんは一緒にいてくれない。「ママのとこ、いきたい」「イヤもん!」と涙の訴えもありました。
 でも、いつの日も決して一人ではありませんでしたね。それは先生や大きいクラスのお友だちだったり、同じクラスのお友だちだったり。誰かが必ずそばにいて、暖かな眼差しを向けてくれました。そして、『だいじょうぶだよ』と手を握り、頭を優しくなでて『ママくるよ』と。不思議にそうするうちに、段々落ちついてきて、周りに目を向けることが出来るようになってきたのでした。色々な人との関わりの中、一人で遊ぶのも楽しいけれど、お友だちと一緒にいるともっと楽しい!そんな気持ちがどんどん膨らんできた一年でしたね。

 『はるをみつけよう!』と、後日園庭に出てみました。園庭のプランターをさっそく見学。茶色かった球根から、緑の芽がニョキニョキ。どれだけ見てもやっぱり不思議そう。他に何かかわったことは?とみると、「せんせい、見て!」「なんかあるよ」と発見。指をさした先には、あじさいの木の芽。桜の木の芽も少しふくらんできているようです。まだまだ寒く、何もないように見えて、どんどん次の季節へのお支度は始まっているのでした。
 春には、次の成長の日々が始まることを知っているDぐみさん。「あたし、ピンクバッチのCぐみさん!」「お兄ちゃんになる!」etc…と、それぞれ楽しみにしているようです。 優しかったAぐみさんには、お別れにプレゼントのご相談。Cぐみさんと一緒に作りました。Aぐみオペレッタ『青い鳥』モチーフのかわいいえんぴつ立てに、ありがとうの気持ちを込めて…。 

 Dぐみオペレッタ『てぶくろ』のように、「中に入れて」と言われると「いいですよ」と、受け入れることが出来るようになってきたDぐみさんたち。♪おーいと呼んだら、こたえてくれる♪お友だちと『いっしょ』です。受け入れられた喜びを知っている子どもたち。新しいお友だちを迎え、『いっしょ』に新しい次の成長の日々を受け入れ、さらに大きくなっていくことでしょう。   
(2010年3月18日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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