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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子



 今年の十二月のお庭。風はちょっと冷たいけれど、時にはまだまだ園庭に出て遊ぶことを誘ってくれるお天気が続いていました。
 その中で、吹く風に舞う最後の銀杏や楓の落ち葉を見て「はっぱさん、おさんぽしてる!」の声。それは、地面を低く、高く、自由自在、まるで生きているよう。追いかけていくうちに、園庭をひとまわり。砂のお山に登って「せんせー、ヤッホー」と手を振るDぐみさん。Aぐみさん中心で作ったそのお山は、雪が降ると雪山となり、そりすべり場に。その変身の時をじっと待っています。
 そんな十二月のある日の朝。ホールには、丸い輪の形のアドベントクランツが登場。クリスマスまでの日々を楽しみに待つ、待降節が始まりました。週を重ねる度に一本ずつ増えていくろうそくの灯りに、Dぐみさんたちの瞳は釘付けです。廊下や窓が綺麗に飾られていき、玄関やホールにはいよいよ大きな生木のクリスマスツリーもやってきました。飾り付けをお手伝い。不思議そうに見あげていましたね。『何があるんだろう?』と、心に感じて過ごす日々です。
 お部屋にも、ホールと同じようにクリスマスまでの日を示すアドベントカレンダーが、あります。「トントントン」と、みんなで扉をノックするまね。視線は、その小さな扉に。「おうまさん!」「ツリー」・・・。何が見えるか、一日一つの扉をみんなでお心を合わせて楽しみに待っているのでした。
 クリスマスは、イエスさまのお誕生日です。お誕生日には、プレゼントをもらったり、ケーキを食べてお祝いしたり。でも、サンタさんからのプレゼントは、よい子のDぐみさんたちに。プレゼントを自分がもらうだけでいいのかな?と、ご相談。大好きなお家の方たちに自分の手でプレゼントを、と作り始めました。空き箱を利用して、大事なお手紙を入れるお家の形のレターケースに。屋根には、クレヨンで模様を。絵具を使ったそめ紙遊びを貼った窓は、同じものがない不思議な模様に。最後にミニリースを飾り、贈る人のことを考えて作ってきたプレゼント。贈るその日を楽しみに待っています。
 また、クリスマスには楽しいお歌がたくさん。さんびかの中には、♪もろびとこぞりて、むかえまつれ♪♪きーよしこのよる♪♪いーざ、うーたえ♪等々、ちょっぴり難しい言葉も出てきますが、いつしかまねて覚えているDぐみさん。自信を持って大きなお声で歌っていて、ビックリすることもあります。その中で♪クリスマスのかね♪のお歌に合わせて、カンカンカン…の所を両手でパチパチと拍手。それでは楽器を持ってと、楽器遊びが始まりました。タンブリン、すず、カスタネット、自分の手で振り音が聞こえることが楽しくてたまりません。ずっと振って楽しんでいたい気持ちも…。でもピタリ!と、みんなのお心が合ったりすると、思わず笑顔のステキな瞬間が生まれるのでした。クリスマス会では、さて?ドキドキの姿に大きな拍手をお願いします。(最初と最後の様子にご注目を)。
 ホールの時間にはABぐみさんが、赤ちゃんイエスさまが生まれるまでの聖誕劇を演じます。いつも一緒に遊んでいるお兄ちゃん・お姉ちゃんたちが、ひつじかいや天使、マリヤさん、ヨセフさんに。その劇を興味津々の瞳で見つめるDぐみさん。「あのピンクのひと(マリヤさん)になりたい」「おほしさま!」・・・。昔むかしのお話に出てくるいろいろな人々、それになりきろうとしているお友だちに、あこがれの眼差しを向けて一緒に過ごす大切な時間。
 クリスマスの本当の意味は、まだわからなくても、お心の中に小さい優しい灯りが一つずつ。Dぐみさんのクリスマスまでの大切な日々。楽しい気持ちでいっぱいの毎日を過ごして来たのでした。     
(2009年12月18日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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