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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子



 園庭も桜の花の頃を過ぎ、青葉がさわやかな風にそよぐ季節となりました。
 今年も園庭に面したテラスのそばのDぐみのお部屋は、お庭が一番見渡すことが出来る特別席。お部屋に入ると、「チューリップ!」「あか!」、時期が過ぎる頃には「おはな、なくなったねー」等の声。毎日移り変わっていく季節を、とても身近に感じて過ごしています。
 また、園庭から公園へおでかけの大きいクラスもすぐそばを通っていきます。「いってらっしゃい!」の声をかけ、自分たちのことのように何だか嬉しそうです。
 月に二回のスイミングの時に玄関で大きいお友だちを送り出す時にも、幼稚園で過ごすDぐみさんは「いってらっしゃい!」。先日の二回目のスイミング時、笑顔で手を振っていたDぐみさん。もう、登園した玄関へ行っても、お家を思い出して「ママは?」の声は聞こえませんでしたね。
 お母さんと離れても、お友だちや先生がすぐそばにいる。そして、周りに目を向けるようになり、手をのばせば楽しいことがすぐそばにあるという大事なことに気づき始めたのでした。
 
 でも、ほんの少し前のこと。お母さんと一緒だった4月の入園式の後、一人で「いってきます」の頃。大好きなお母さんやお家の方と離れて過ごすことがわかると、あちこちで「ママとこいくー」の声や「イヤもん!」と涙、涙…も。もう大丈夫と思っていても、思わずもらい泣きしていたりもしましたね。
 それでも、お友だちがたくさんいる、にぎやかな幼稚園の様子にも興味津々。お家から幼稚園への気持ちの切り替えも少しづつ上手になっていきました。また、手をつないで「おいで」と支度をお手伝いしてくれたり、「だいじょうぶよ」と優しく声をかけてくれた大きいクラスのお友だちの存在も、大きかったですね。
 幼稚園では、お家からはいてきたくつを内ばきにはきかえたり、持ち物を自分の印のシールのはってある棚に片づけたり、自分ですることがたくさん。小さいDぐみさんは、毎日そうして自分でできたことが大きな満足感にかわっていきます。大きくなると当たり前のように過ぎていくこと。でも、今はそれがとても大事なこと、なのです。   
 初めての経験がいっぱいだった、この2ヶ月。イースターのたまごさがし、でか山見学バスツアー、小丸山公園へお散歩、いちご狩り遠足等々。お部屋では、紙を折ってのりを使って、こいのぼりを作ったり、お母さんへプレゼントも作って持ち帰りましたね。『おともだち』といっしょ『せんせい』といっしょに。見て、感じて、触れて、時には驚きも感じてきました。
 Dぐみさんにとって、他のクラスの何倍も大きな変化と驚きを感じた2ヶ月だったことでしょう。嬉しい気持ち、楽しい気持ちは、きっとお心のどこかに残っていきます。
 まだまだDぐみのこの一年は、始まったばかり。いろいろな人と関わりながら、たくさんのことを感じていきたいと思います。かけがえのない今≠大切に、大きく成長していく姿を一緒に楽しんでいきたいと思います。これから一年よろしくお願いします。 
             
(2009年5月22日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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