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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子


 新しいお友だちを迎え、二〇〇八年度が始まりました。お庭で迎えてくれた大きな桜も、ピンクの花から青葉へ。
 4月の入園式では、お母さんやお家の方と一緒に登園し、家族の方に見守られて過ごしましたね。胸には嬉しいピンクのコサージュ。沢山の方の前で、お名前を呼ばれてドキドキ。チューリップのお歌も歌いました。
 チューリップは、Dぐみのお部屋の窓のすぐそばに。その時は、つぼみでしたが少しずつ花開き、それに気づいたDぐみさん。毎日「せんせー、みて!」「あかいおはな」「きいろ!」…と教えてくれましたね。

 また、「ママは?」とおうちの方から離れることに気づき、思い出して涙ぐむ姿も…。園の生活になじんだ様子だったお友だちも、少なからずお心が揺れたことがあったのでは、と思います。そんな時、誰が言うともなく「ママくるよ」「だいじょうぶよ」と声をかけ、手をつないでくれたお友だち。優しいやりとりの姿を、お庭から大きな桜の木やチューリップはそっと見守っていたことでしょう。そのうち、周りに楽しい事がたくさんあることに気づいて過ごして来た日々。お心の中に残った優しい言葉は、いつかまた他のお友だちに伝えてくれることと思います。

 大きくなったらとても簡単なこと。それがDぐみさんには、難しいことだったりします。 まず幼稚園に登園した後、外のくつから内ばきに履きかえます。玄関にお座りして、一休みしてゆっくり始める子。脱がずに行こうとする子。誰かが手伝ってくれる事をじっと待っている子等々。朝の玄関でのほんの一コマですが、子どもたちにとってはお家と幼稚園モードへの切り替えの時。その姿には色々なお心の葛藤もかいま見えるのでした。
 その後は、お部屋に自分のカバンを持って進みます。くつの棚、お部屋の棚。自分のしるしに気づき、ニコニコのお顔で「みて!」と、指さして教えてくれることもありましたね。そうかと思うと、目に見えておもしろそうなことに興味津々。玄関から見えるホールのおもちゃへ、カバンも一緒に一直線だったり(笑)。お部屋の時間には、まずおはようぶっくに今日のシールをはります。ここでも、個々の姿。棚のカバンを取りに行ったのに、おもちゃの方へちょっと寄り道。また、一旦おいすに座ると、なかなか立ち上がらなかったり。カバンを持ったままお花を眺めていたり。見ているだけで、何だか楽しいですね。それでもみな、シールをはることには興味津々です。最後には全員が着席して、「どのシールにしようかな♪」と決めるのでした。
 もちろんその日の気分も大きなDぐみさん。こんな姿が日々変化していきます。またそれがとても楽しみでもあるのです。
 初めての経験がいっぱいだった、この2ヶ月。毎日のこと以外にも、イースターのたまごさがし、でか山見学バスツアー、オタマジャクシのたまごやカブトムシの幼虫ふれあい体験、いちご狩り遠足に春の遠足等々。お友だちと一緒に目で見て、手で触って、口にして感じてきました。
 
 Dぐみの一年は、とても中身の濃い一年。この一年で、びっくりするほど変化していくことと思います。歩みを感じることに大きな喜びを感じています。かけがえのない今≠大切に、成長していく姿を一緒に楽しんでいきたいと思います。これから一年よろしくお願いします。    
(2008年5月27日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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