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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子


 朝に降って帰りにはすっかり消え…の雪の日が続いた後は、暖かな日差しがお庭遊びへと導いてくれるようになって来た今日この頃。玄関にはカエルのたまごも登場。田んぼにも、もう春の兆しが見え隠れしています。
 先日、ポカポカお天気に誘われて、Dぐみさんは園庭探検に出かけました。久しぶりにみんな揃ってのお庭です。内ばきから外ばきへとズックをはきかえることを、今ではよーくわかっているDぐみさん。お気持ちが先に走りだして、そのままお庭へ…の姿が今では懐かしく感じます。はく時も「じぶんで!」ですよね。その後自分の支度ができたら、もう目の前をピューッとダッシュ…ではなく、まずテラスにそれぞれお座り。ゆっくりペースのお友だちを待つことも、覚えましたね。

 お友だちと手をつないで歩くお庭には、普段感じなかったことも一緒に感じることができます。見えなかった物も見えてきます。まず見つけたのは、Dぐみテラス前のプランターにみどりの芽。「あかちゃんみたい!」そうチューリップのあかちゃんです。寒い冬を土の中で過ごし、今、春を感じて顔を出しました。秋に自分たちの手で植えたチューリップの球根が変身。♪ちいさなにわをよくならして、ちいさなたねをうえました♪の手遊びのように♪ぐんぐんのびて〜♪きた芽。
 その先に目を向けると、あじさいの木の先に小さな芽を発見。「かわいいねー」と思わず声。大きな桜の木にも、小さな木の芽がお顔を出しています。見つめる子どもたちの目は、不思議さに満ちています。
 「大きくなってねー」。「“はる”さん、はやくきてねー」と、お庭に向かって呼びかけるDぐみさん。Dぐみさんの世界では、身の回りの色々なものに命が宿っています。呼びかけた後は、耳を澄ますと風の音。「おへんじ、きこえたよ!」とその声を聞いて、次の変身の時には、チューリップは色とりどりの花、桜はうすピンクの可憐なお花、あじさいはまずみどりの生き生きした葉を茂らせていくことでしょう。
 季節がかわることを感じ、お友だちとの共感ができるようになったことを感じた、お庭の探検でした。

 そんなDぐみさんも入園当初は、みんな「ママは?」『ママとこ行きたい』の声からでしたね。でも、そこから一歩、また一歩とお友だちのいる方へと、足を踏み出していきました。もちろん「だいじょうぶ」と優しく声を掛け、手をつないでくれた大きいクラスのお友だちの存在も大きかったですね。それは、きっとDぐみさんのお心に残り、次のお友だちへと伝えていくことでしょう。
 身の回りの世界が広がって、お友だちとの関わりがますます増えてきたDぐみさん。その中でそれぞれの思いがぶつかることもしばしばです。自分の思いを持ち、それを相手に伝えることはとても大事なこと。でも、今はその手段や、していいこと、してはいけないことを覚える時。まず気持ちを受け止めて、どうすれば気持ちが伝わるのか一緒に考えて答えを見つけていきたいと思います。繰り返し繰り返し…。次の成長の時を迎えるために。

 「大きくなってねー」「“はる”さん、はやくきてねー」。春を呼ぶ声に応えるようにやってくる成長の“春”。ピンクのバッチ、赤のバッチのお兄ちゃん、お姉ちゃんへ。“春”は、もうすぐそこまで来ていますよ・・・。いろいろとご協力、本当にありがとうございました。
(2008年3月21日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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