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職員室から

事務主事 釜土蘭子


  幼稚園の行事は、「毎年同じ」が基本原則なのですが、それでもちょこちょこと小さな変化があります。
 この十一月、去年から始めて、今年2回目にやってうまくいったので、これで定着するだろうと思っている行事が2つあります。
 一つは、「お買い物ごっこ」。もう一つは、「みんなで美術館見学」です。(以前は年長さんと年中さんだけだった美術館見学を一番小さい子までするようになったのです。)
 この2つの行事のキーポイントは、大きい子達が小さい子達にどう接するか、ということにあります。
 運動会ごっこを通して、同年齢での一体感が強くなった後、次の課題となるのは、異年齢の子との連帯感となります。でもここでは「みんないっしょ」というわけにはいきません。大きい子は、小さい子の為にいろんな事をしてあげなくてはいけません。それに見返りがあるわけではありません。あるとすれば、ニコニコ笑顔で「ありがとう」を言ってもらえることだけです。
 「お買い物ごっこ」、AぐみさんとBぐみさんは、小さいお友達の為に「商品」を作ります。今年はケイタイ電話、どんぐりごま、ペンダントでした。なんだか嬉しそうにせっせと作っていました。大人の目で見ると、かなり??な作品もありますが、そこが子供らしいのでした。
 「お買い物ごっこ」当日、お店やさんの子もご案内の子も、それは見事に小さいお友達に接してあげられたのでした。

 そして、「美術館見学」。特にAぐみさんは小さな小さなDぐみさんと手をつないでのおでかけでした。あいにくのお天気で、バスから美術館の入り口までは、ちょっと雨に降られてしまいました。Aぐみさんがどうするか?と思ったら、ちゃんと濡れない方を小さい子に歩かせてあげ、段差があるところも手をとってあげて・・・。美術館の中の階段でも手すりがあって歩きやすい方が小さいお友達。それはそれは見事な配慮に満ちたおでかけだったのでした。
 
 そんなAぐみさんやBぐみさんを見て、蘭子先生は思いました。この子達はご家庭でそして幼稚園で大事にされてきたってわかっているんだなぁ、と。小さい時には大きい子が守ってあげるのが普通だと思っている。それは自分も大事な子供として、お家の方に守られて大きくなった事を知っているんだろうと思うのです。きっとお父さんやお母さんとお出かけするとき、雨がかからないようにしてもらっているんだろうなぁ。階段は注意してゆっくり歩くようにしてもらっているんだろうなぁ。
 自分がしてもらって嬉しかった事を、小さいお友達にする。そしてその小さいお友達も大きくなって、また次の小さいお友達にする。そんな繰り返しがいつもある、七尾幼稚園でありたいと思っています。 
(2007年11月30日 七尾幼稚園 職員室から)

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