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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子


 ♪ぱらぱらおちる、あめよあめよ、ぱらぱらぱらとなぜおちるー♪と歌っていますが、北陸地方もようやく梅雨入り宣言となりました。空は、雲で覆われてどんよりとして、不安定なお天気が続きます。お隣の公園へとお散歩の機会を待っていたDぐみでしたが、しばらくはおあずけのようです。
 でもそんな中、身近なところにも季節の移り変わりや自然を感じる機会は、たくさんあるのでした。

 今年のDぐみ窓際テラスは、なかなかのよい眺めです。みんなで絵本を見たりする、お部屋の窓際の長いイス。そこに座ろうとする時には、自然にテラスが目に入ります。そして、目の前に先日A・Bぐみさんたちが植えた野菜のプランターが見えるのです。
 「せんせー、トマトある!」「あおいよ」「あかいのもあるよ」「むらさきのお花、あるー」「なすびねんよ」。自分の目で見て見つけたことは、誰かに伝えたい。共感したい。それがそばにいるお友だちへと広がって行きます。
 雨は、そんな野菜たちにぱらぱら落ちて、乾いた土を潤していきます。日一日と変化していく自然の姿。野菜は食べる時の姿で生まれるのではなく、大きくなるまでには、いろんな過程があること。よくみると葉も、大きさもそれぞれ一つひとつ違うこと。晴れた日には、大きいクラスのお友だちがお世話していること。それを目や耳で感じていきます。
 親しみを込めて「ピーマンさん!大きくなってね」「えだまめさん!」と呼びかけるDぐみさん。いろいろなものに命があり、大切なものと思う今の気持ちはとても大事です。そばで生活して行く中で感じることは、言葉で伝えるより心の中のどこかに残っていくことでしょう。

 そんなDぐみさんと今度は、お空の広い所に目を向けてみました。雲の上のもっともっと上のお星さまの世界へ。七夕ものがたりを楽しみながら笹飾りを作りました。
 正方形の角をつなげていって作る飾りでは、5枚5色の中から4色、2色のキラキラ折紙から1色、と5枚お選びしました。好きな色から選んでいる様子。また、はる順番もそれぞれ違って興味深かったですよ。仕上がった飾りを見て、同じものが一つもなかったことに、改めて驚きとおもしろさを感じました。同じものを作らないということも、なかなか難しい事ですね。

 先日の懇談では、子どもたちの作ったかたつむりの切り紙の貼り絵を見ていただきました。色の選び方、はり方、並べ方…その時の気持ちも入り、やはりどれをとっても同じものはありませんでしたね。


 自我の芽生えと共に、「自分が!」と自己を主張し始めるDぐみさんの時。そして、個性と個性がぶつかり合う中で、お友だちの存在を求めるようになっていきます。トラブルも当然ありますが、そんな一つひとつの関わりが、自分を認め相手を認める次の成長へとつながっていきます。
 そんなDぐみさんだからこそ、同じものは一つとしてない!のです。今は、ありのままの姿を認めて、楽しんでいけばいいのです。簡単なようで、難しいことですが、七夕さまの会でも“ありのまま”を一緒に楽しんで下さいね。
(2007年6月30日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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