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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子


 ♪きれいなあさよ〜あおばがキラキラひかりますー♪と歌うように、新緑の季節がやって来ました。
 それまで、Dぐみさんの大きな窓から見えていたお庭のチューリップの花。去年のA・Bぐみさんたちが植えてくれたものです。でも、一番よく見えるのは、窓がお庭に面したこのDぐみのお部屋なのでした。お歌が大好きなDぐみさん。♪さいた、さいたチューリップのはながー♪とよく歌いましたね。チューリップのお花にもよく聞こえたでしょう。順番に咲いていった今年のチューリップ。みんな、覚えているでしょうか?

 4月5月と、あっという間の2ヶ月。でも4月の時のDぐみのお部屋の姿を思うと、大きな変化を感じずにはいられません。
 慣らし保育を経て、迎えた入園式。お母さんにピッタリの姿でのDぐみの記念写真。週明けの月曜日は、そのお母さんの姿はもう幼稚園にはありません。お母さんと離れて過ごすことに気づいた時、「ママは?」「おばあちゃんは?」と涙することもありましたね。そんな様子を見て、もうすっかり園の生活になじんだ様子だったお友だちも、少なからずお心は揺れたりしたのでは…と思います。それでも、幼稚園には楽しいことがいっぱいあることにも気づいて過ごして来た日々。いつしか、気持ちは楽しいことに向かって行ったのでした。

 お部屋に入るとまず、自分の棚のカバンから『おはようぶっく』を出します。最初はこれもなかなか難しいことでした。自分のことを自分でしようとする当たり前のようなことが、とても簡単でとても難しいことなのでした。
 ようやく全員揃って『Dぐみさん、おはようございます!』とご挨拶。大きな声、小さな声、担任の顔をじっと見ている子。Dぐみのお部屋にあるおうちが気になる子もいます。それでも、自分の『おはようぶっく』に好きな模様のシールをはることが楽しみなDぐみさん。毎月変わるシールに、「ケーキがいいの!」「チクンに!(ハチです)」と絵を指さしてしっかり意思表示しています。お気に入りの同じシールが続いたり、ある時は違う所にはってしまったり。毎日色んなドラマ(?!)が繰り広げられる『おはようぶっく』なのでした。今は、自分の好きな模様が一番気になるDぐみさんですが、お友だちのシールは?と目を向け『お友だちといっしょ』を喜んだりする日ももうすぐ…と思っています。

 先日は、初めてお部屋でこいのぼりの製作を楽しみました。クレヨンでこいのぼりの体にうろこなどの模様を描きましたが、色やタッチなどどれを見ても同じものはありません。母の日に寄せて描いた大好きなお母さんのお顔。それも一人ずつ違うお顔に。見ていてとても楽しく、ワクワクしました。思ったままを表現するその姿が、これからどう変化していくのか、何だか今からとても楽しみなのでした。

 Dぐみさんの一年は、とても大きな変化の一年の始まりです。とても個性豊かなDぐみさん。〜みんなちがって、みんないい〜。バラバラでもいいのです。まず、自分の世界を持つことが大事。楽しいと感じる気持ちが大切です。その気持ちを、段々周りのお友だちと共有していくようになるのです。今は、それぞれの歩みで少しずつ歩いて行くことを大事に、と思っています。これから一年間、よろしくお願い致します。 
      
(2007年5月28日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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