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職員室から

事務主事 釜土蘭子


 「おひなさまの会」にむけての活動が毎日行われている幼稚園。そんな中、蘭子先生は一足先に、「卒業式」への準備が一番のお仕事になってきました。あと一ヶ月。毎年の事ですが、万感の思いがあります。
 さて、七尾幼稚園では公式には必ず「卒業式」という言葉を用います。「卒園式」ではなく「卒業式」。「卒園生」ではなく「卒業生」。「保育証書」ではなく、「卒業証書」あるいは「修了証書」。
 どちらでもいいといえば、どちらでもいいのですが、やはり「卒業」という言葉を用いたいという気持ちがあります。

 現在の国語辞典によれば、
 卒業--学校の全課程を学び終えること
 卒園ー幼稚園または保育園を卒業すること。
となっています。

 「卒業」という言葉にこだわる一つの理由は、「卒業」という言葉の方が古い言葉だからです。幼稚園にある一番古い「広辞苑」(昭和四〇年発行)には「卒園」という言葉はありません。私の記憶でも自分の子供の頃には使わなかったように思います。七尾幼稚園の場合、園が古いので、ずっと「卒業」という言葉を使ってきたので、カンタンには代え難い気持ちがあります。
 もう一つの、そして最も大きい理由は、「幼稚園は学校の一つである」という自負です。決してただ幼児を預かっているのではない、教育機関としての「学校」である事。小学校、中学校、高校と同じように学校であるという事。その気持ちを忘れたくないという思いです。
 数年前、七尾幼稚園の一人の卒業生が小学校を卒業する時に、こんな言葉を文集に残していました。
 「わたしにとっては、2回目の卒業!」
 彼女が、一回目の卒業は幼稚園なんだ!という気持ちを持っていてくれたこと。それをとっても嬉しく思いました。それから、自分だけでも「卒業」という言葉にこだわろうと決意いたしました。いろんな業者さんに頼むものはどうしても「卒園」という言葉になってしまうのですが、自分が発信する文書は全て「卒業」にしています。
 最後の一ヶ月。「幼稚園の全課程を学び終えた」と胸をはって「卒業式」を迎えられるように、Aぐみさんとの日々を過ごしていきたいと思っています。       
(2006年2月22日 七尾幼稚園 職員室から)

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