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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子


公園からときおり落ちる色づいた木の葉に秋の深まりを感じた七尾幼稚園のお庭。今年は、このお庭に食いしん坊の毛虫さんがやってきて、桜の葉っぱをムシャムシャと食べてしまいました。これも自然の姿。子どもたちの大好きな絵本の『はらぺこあおむし』でも最初と最後に食べていた葉っぱ。絵本通りのようなお話の世界が目の前に起こってビックリ!のDぐみさんでしたね。
 そんなお庭に今年もやってきた『魔法のリスさん(!)』。桜の木の下に、大きなどんぐりの実を沢山置いていきました。拾うのは5個までというお約束でしたが、嬉しくて自分の袋いっぱいに集めている姿もありました。「1こ、2こ…5こ」と一緒に数えて納得。「ママにあげる!」と大切なおみやげになりました。Cぐみさんとの古墳公園へのお出かけでも、どんぐりを発見。この時は5個といわず、小さなどんぐりを欲しいだけ拾いました。どんぐりも大事な秋の恵み。こまやネックレス、やじろべいへと色々な形に変わり、楽しい秋の遊びとなりました。

 そして、バスに乗って秋の恵みの収穫へ。まずおいも畑です。それは土の中から出てきました。シャベルで土を一生懸命掘るDぐみさん。お顔は真剣そのものです。「せんせーみて!でぶいもちゃんよー」。出てきた時の嬉しそうなお顔。土を掘って取り出した実感は、お心の中に。園庭では、翌日そのおいもを焼きいもにして食べました。Aぐみさんや園長先生が、支度をするのをDぐみのお部屋からワクワクして待ちました。テラスに並んで座り、タオルに包んでアツアツの焼きいもをいただきましたね。焼きたてはおいしくて、「おかわり!」の声が響いていたのでした。

 お部屋では、その後楽しかった気持ちから、焼きいもごっこが繰り広げられました。まずおいもを作り、本当の焼きいもの時のように自分たちでアルミホイルを巻きます。そして、新聞紙を置いた後、赤いポンポンを火に見たててしばらく待ちます。「まだ?」「まだ焼けてないよ」「もういいかな」。当日のように軍手をして、おそるおそる近づいておいもを手にするどうわき先生、「アチチ…でももう焼けたよ」。すると「せんせータオルは?」の声。みんな自分のカバンからタオルを持ってきました。一つ一つその上に乗せると、あちこちで「アチチ…」と言っています。模倣遊びの焼きいもごっこ。一つの行事が終わってもまだまだ楽しさは続くDぐみです。

 恵みの収穫、次にりんご園に出かけました。今度は、木の上からの収穫です。「りんご、いっぱい!」と木の上を見上げて、実りを実感。りんごを少し持ち上げ回すようにしてとることを聞き、さっそく自分のりんごを探します。「これ!」と見つけた一個。高い所は抱っこされて手をのばしました。木から『プチン!』と離れたその時から自分のりんごに変わります。この感触、この音は自分の手でとったから、感じることができるもの。だからこそ、いつもは口にしようとしないものでも、食べてみる気持ちがわいてくるのでしょう。お部屋では、今度も紙でオリジナルりんごを作って遊びました。もちろんりんごがりごっこも…。楽しいことは続いていきます。

 そんな神さまからの自然の恵みに感謝して、先日は収穫感謝礼拝がありました。お家から持ってきたくだものや野菜を、一つずつ手にして礼拝堂に入りましたね。翌日は、おもちつき大会でした。自分たちでついたおもちや、たくさん野菜の入っためった汁。それらを口にして、体で秋の恵みの実感でした。
 『見て』『触って』『においを感じて』『口にして』自分の五感で感じたことは、Dぐみさんのお心のどこかにいつまでも残っていくことでしょう。そんな経験をこれからも大切にしていきたいと思うのでした。

(2005年11月30日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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