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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子



   お庭からのセミの声が、ようやくコオロギの声にかわり、季節も夏から秋へと移りはじめたようです。暑かった夏の季節を過ごして、少し日に焼けたお顔のDぐみさん。お体も一回り大きくなり、逞しくなったように感じます。
 今年の夏は暑く、8月後半にも“水遊びは?”の声がよく聞かれました。元々、“水遊び”が大好きなDぐみさんたち。手洗いから歯磨きをしているうちに、水の感触がここちよくて、いつしか“水遊び”にかわっていたりすることもありましたね。お洋服がぬれてしまい、着替えることもありました。でも、お庭での水遊びは、水着に着替えて思いっきり楽しめます。水着の入った自分のプールバックを持ってくることも、なんだか嬉しそうでしたね。汗のために着脱もDぐみさんにとっては、なかなかたいへんなこと。それでも「できん!」「じぶんで!」の声が飛び交いながら、それぞれがんばっていましたね。お庭では、まず金魚すくいごっこが人気でした。その次は、水の入ったプールの中へ。ペットボトルなどの空き容器へ水を入れたり出したり・・・。水を含んだ土の上を歩いたり、どろんこ遊びも楽しかったですね。夏ならではの遊び、水や泥の不思議な感触を十分味わったのでは、と思います。
 そのお庭ではじまり、今も続いている遊びと言えば“色水遊び”です。お庭の山ごぼうの実を取ってきて、水を入れたペットボトルに入れて振ります。すると水の色が変わってくるのです。大きいクラスのお友だちがするのを見ていて、さっそくまねてみるDぐみさん。おもしろそうと感じたことにはもう自分から飛び込んでいくのでした。もちろん、それを手助けしようとする子達の姿もあり、ほほえましい光景が広がります。高いところにある実を取ってもらうこともありました。そうするうちに、指先は身と同じ紫色に染まります。嬉しそうに色水の入ったペットボトルをみせてくれるDぐみさんの指先。それは、自分でやってみて得た“証”なのでした。
 
 そして、その山ごぼうのあるお庭で今、元気一杯の光景が繰り広げられています。それは、“うんどうかいごっこ”です。Dぐみさんがまず大好きなのは、『よーい、ドン!』のかけっこです。白線の前にみんなで並んで、『よーい』でかけっこポーズ。このポーズが一人ひとり違って、みんなステキです。『ドン!』の合図でリボンに向かって走ります。『よーい!』で、もう走りたい気持ちが止められず、走り出してしまったり、『ドン!』になって、しばらく様子を見て出発したり、毎日、毎回、いろいろな姿が見られます。時には、転んで泣いてしまうこともあります。でも、お友だちと一緒にしたいお気持ちは、その胸にいっぱい。その小さな一つひとつの出来事に、大きな意味があるのです。Cぐみさんとは、一緒に『どき★ドキ カーニバル』のダンスを踊ります。手には、ピンクや黄色のポンポンを持ちます。ポンポンを振ることも楽しいことの一つとなり、身体をたくさん動かして、リズムに乗っています。
 玉入れや大玉ころがし、みんなでする体操など、Dぐみさんにとって楽しい活動が一杯の“うんどうかいごっこ”。“並ぶ”ことや“合図に合わせる”ことはまだまだ難しいDぐみさんですが、まねてするうちに覚える大切なことも多いのです。
 毎日過ごすお部屋の窓の、すぐ横に広がるお庭。コオロギの声に応援されながら、お友だちと一緒に一つのことをする楽しさを十分に感じて、皆で“うんどうかいごっこ”をつくって行きたいと思います。そして、その毎日の一コマ一コマこそが、一番大切なことと思うのです.

(2005年9月29日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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