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職員室から

事務主事 釜土蘭子


  「ピンポンパンポーン 今からお庭にかえるをはなします。見たいお友達はお外にきてください。」

 こんな声が毎日のように放送される七尾幼稚園。今年から始めたやり方です。この放送で、カエルがお庭にはなされ、またチョウチョが空へ飛び立っていきました。
 去年までのやり方は、だいたいこんなふうでした。まずホールの時間に全園児の前でお話しする。それから午後にAぐみかBぐみがお庭に放してあげる。カエルのように何匹も放す時には自由遊びの時にこっそりし続けるというものでした。
 今年このやり方を変えたのには理由があります。Cぐみの保育参観のテーマが「アオムシ−さなぎ−チョウチョ」だったのですが、その後、Cぐみのお部屋においてあったさなぎが見事チョウチョになったのでした。Cぐみさんのお部屋のチョウチョだから、Cぐみさんにバイバイをしてもらおうと言うことになりました。ようちえんニュースなどでもご紹介しましたが、テラスに並んでチョウチョさんにバイバイするCぐみさんの姿は、とても感動的でした。CぐみさんはCぐみさんなりに、チョウチョの変身を受け止めてくれるんだなぁと改めて思ったわけです。そして、小さなDぐみさんも「チョウチョ、チョウチョ」ととっても喜んでくれました。

 その後も次々と出てきました。そして、カエルさんも・・・。例年よりも数多く「バイバイ」を経験できることになったのです。
 けれど、毎回お部屋の時間に全員を集めるのは、どのクラスでもちょっと難しいのです。 そこで、蘭子先生が提案したのが、「自由遊びの時に、放送をしてからお庭に放す」という方法です。どんな放送にするかは甲部先生に任せました。甲部先生は考えたすえ、自分の口で「ピンポンパンポン」と言ってから、「今から・・・」とアナウンスするようになったのです。自由遊びの間に突然そのアナウンスがあったのですから、初めての時には子供達はビックリ!でした。「何がおこったんだろう?」というお顔で、放送をじっと聞いた子供達。幼稚園の中が一瞬シーンとした状態になりました。そして、その後ほとんどのお友達が、ものすごいスピードで靴を代えてお庭に飛び出していったのです。(え、こんなに早くお靴かえられるんだ!と先生達がビックリでした。)第一回目の「ピンポンパンポン」放送はとても感動的でした。
 今は毎日のように「カエルをはなします」のアナウンスがあります。毎回必ずくるお友達もいれば、何回かに一度来るお友達もいます。それはどちらでもいいと思うのです。
 夏になったら、多分、「今からトマトをとります」というアナウンスが入る事でしょう。
 春から、梅雨、そして夏へと続く季節。その中で起こる、動植物の変化をじっくり味わってほしいと思っています。 (釜土 蘭子)    
(2005年6月30日 七尾幼稚園 職員室から)

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