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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子



   新年を迎え「あけましておめでとうございます!」のご挨拶で登園のDぐみさん。お休み明けですが、今では「ママは?」と涙を浮かべる姿はありません。むしろ「どうわき先生、あのね…」と、お休み中の出来事をお話ししたくてたまらない様子でしたね。『おもちを食べた事』『お年玉の事』『いとこと遊んだ事』等々自分の言葉で伝えてくれました。ますます言葉数が増えたように思います。
 
 お部屋ではお正月遊びとして、大きなかるたを楽しみました。絵を見て大きな声で「せんせい○○だよ!」と教えてくれましたね。牛乳パックの底でこま、折紙でぞうさんたこも作りましたね。どちらも自分の作ったもので遊ぶ楽しさを感じました。

 そうするうちにDぐみの窓の外は雪景色に変わり、お庭で雪遊びも楽しみました。
 「デカレンジャーの手袋やよ」「帽子ある!」とお支度にもワクワク。真っ白の雪の上を長靴で歩くと、足跡ができるのも不思議。シャベルで雪の中を工事したり、ごちそう作りやそりにも挑戦しました。みんなで少しずつ力を合わせて作った雪だるまの前で、『はいポーズ!』と写真も撮り大満足。氷にも触ってみました。冷たいけれど面白い雪と氷でした。そして窓から見えていたアンパンマン雪だるまも姿を消す日が。「どこへいったのかな?」と首を傾げていましたね。「ジャムおじさんの所へ帰ったのかな」に交じって「こおりみたいに、水に変身したよ」の声も。実際に自分の手で触って感じた、気付きの声ですね。

 変身といえば、先日は魔法のつえで【変身ごっこ】をしました。自分の好きな衣装(ドレスやスーツなど)をお選びするのですが、自分で決めることや、今着ている服を脱ぐことの早いことといったら…。「お姫さま(王子さま)にへんしん!」と、Dぐみさんは表情や仕草まですっかりなりきっていましたよ。

 そんなDぐみさん、絵本や物語が大好きです。お気に入りはみんなでリクエスト。その中で秋に人形劇で見た、北欧民話の【三びきのやぎのがらがらどん】の絵本がとてもお気に入りで、何度も繰り返して楽しみました。 
 小さいやぎのがらがらどん、中くらいのやぎのがらがらどん、大きいやぎのがらがらどんが順番に山の草場へ行く途中の谷川には、トロルが住んでいます。トロルはがらがらどんたちの住む土地の厳しい自然の象徴ともいえる存在です。橋を渡ろうとすると『たべちゃうぞー』と登場。どこかユーモラスなトロルは怖いけれどなかなかの人気者。『トロルってどんな顔?』と聞くと、『こーんなに大きいお目眼で、お鼻はこーんなに…』ときっと身振り付きでお話ししてくれるでしょう。今は、それぞれが登場人物になってやり取りを楽しむ毎日です。お友だちと一緒に橋を渡るシーンは、何だかいつも楽しそう。トロルの『いってしまえー』の身振りも自然に子どもたちから出てきました。
 お友だちのするのを見て興味を持ったらすぐ取り入れて。今はごっこ遊びで楽しみつつ、色んなことを学んでいく時期なのです。もちろん、みんなの前ではドキドキして判っていてもお言葉がなかなか出てこないこともあります。それでも、どの子もそれぞれのイメージを持って楽しんでいるのでした。
 日々楽しんできたそのお気持ちを感じて、おひなさまの会では暖かく見守って下さいね。

 そして、お部屋ではおひなさまも作っています。多目的ホールのおひなさまを見て「ぼく(わたし)も、おひなさまほしい!」と言っていたDぐみさん。自分だけのオリジナルびなを、手をのりで一杯にしながら作っています。お顔自分で描きました。作ったDぐみさんのお顔に似ているような愛嬌のあるお顔が並んでいますよ。
 
 寒くても、みんなで不思議を楽しんできた冬の季節。その雪の下には、もうすぐ来る春のお支度が始まっています。  (堂脇 真規子)
       
(2005年2月22日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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