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Dぐみのお部屋から

担任 堂脇真規子


 Dぐみさんの窓から見える景色も、少しずつ変わってきました。園庭の木々も赤や黄色に染まり、秋の風に誘われてチラチラ踊って落ちてきます。空を見上げ、不思議そうなDぐみさん。土の上の落ち葉をさっそく拾って集め「ママにあげる!」と見せてくれました。
 またある日は、桜の木の下に魔法のりすさん(!?)がやって来て、どんぐりの木の実を置いていったこともありましたね。この時も大事そうに袋に入れ「おみやげ!」と嬉しそうでした。

 Cぐみさんと一緒に大バスで『秋探し、どんぐり探し』に出かけた時もありましたね。まず、鳥屋古墳公園に。どんぐりはあまり見つからなかったけれど、おいしそうな柿が木に沢山実っている道を通りましたね。芝生で大好きな「よーい、ドン!」も楽しみました。次に行った国分寺公園には、どんぐりの木がいっぱい。「せんせい、あったー」と小山になったどんぐりの木の根元に登って探したりしましたね。

 能登島には、りんごがり遠足に出かけました。今年は台風の影響もあり例年より少ないというりんご。少し心配しましたが、子どもたちが来るのを落ちずに待っていてくれたりんごさんがいましたね。りんごも木の上に。木を見上げてそれを実感しました。自分だけの一個を探すDぐみさん。「あれがいいのー」と高いところのりんごをお選びしたお友だちは、抱っこして一緒に手をのばしました。『りんごは引っ張らずに、下を持ち上げるようにして取る』という、りんご園のおじさんの言葉もしっかり覚えていましたね。
 また、りんご園の奥には大きなくりの木がありました。思わず本当の木の下で♪大きなくりの木の下で♪を大合唱でした。
 大きなりんご、小さなりんご、自分でお選びして持ち帰ったただ一つのもの。どれも特別な味だったのではないでしょうか。


 秋は、神様からのプレゼントがいっぱいです。木に実る秋のみのりを感じたDぐみさん。土の中からのみのりもその手で感じました。全員でバスに乗っていもほり遠足へ。いつもの大好きな砂遊びとちょっと違う畑の土に戸惑ったりしながらも手をのばして、おいもを引っ張るDぐみさん。「せんせい、でぶいもちゃん!」と大きなお声です。持ち上げて「おもいー、持たれんよ!」とまた実感しましたね。

 そのおいもは、お部屋の窓から見えるお庭でやきいもにしていただきました。その様子をDぐみさんのいすに仲良く並んでお座り。興味深そうに見てまず楽しみ、ホカホカのおいもを口にして楽しんだのでした。目の前での焼きたてのおいもはおいしくて、おかわりの声は続々でした。

 沢山の秋のみのりを実際に感じたDぐみさん。収穫感謝礼拝では、お家からの野菜や果物を大事そうにもって園長先生にお渡ししましたね。そして、野菜や果物をつくって与えて下さった神さまにありがとうをいいました。
 おもちつき大会では、おもちをついて食べての実感。これらは、小さいDぐみさんの長い時の流れのなかのほんの一時のことです。でも、その始まりの時でもあります。
 楽しい経験は、たとえ覚えていなくても記憶のどこかに宝物として残るもの。だからこそ、幼稚園でお友だちと感じる気持ち、経験を大切にしていきたいと思うのです。

    
(2004年11月26日 七尾幼稚園 Dぐみのお部屋から)

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