アムネスティ・インターナショナル日本は、8月30日付けで川口順子外務大臣宛て に要請書を提出し、米政府が要請している、米国人に重大な犯罪の免責を与える2 国間協定を明確に拒否するよう求めた。
米政府は各国政府に対し、国際刑事裁判所(ICC)に米国の将兵を引き渡さないこ とを定めた2国間協定を要請しており、日本政府に対しても同様の協定を求めてい る。日本政府は現在、国際刑事裁判所のローマ規程に署名も批准もしていないが、 報道によれば、日本の外務省は協議を続けることで合意したと伝えられている。 こうした動きに対し、アムネスティ日本は「米国によるこのような働きかけが、 国際的な刑事司法ないし正義の実現をないがしろにするもの」であり、「米国か らの2国間条約凍結の要請を拒否し、一国も早く国際刑事裁判所規程に加入するよ う」要請した。
アムネスティ・インターナショナルは本日、『国際刑事裁判所:ジェノサイド、 人道に対する罪、戦争犯罪の免責のための米国のキャンペーン(原題: International Criminal Court: The US campaign to obtain impunity for genocide, crime against humanity and war crimes)』と題する報告書を発表し、 「米国の求める協定は、人道に対する最悪の犯罪の免責に終止符を打つために国 際社会が築いた国際システムを阻害し弱めるものだ」と批判した。
米政府は免責に関する2国間協定はローマ規程98条に基づいたものだと主張してい る。しかしアムネスティはこの主張について「米国はローマ規程を歪曲して解釈 している」と厳しく批判し、米政府との免責協定に署名する国は国際法上の義務 に反していると報告書で結んでいる。
98条(2)の本来意図するところは、既存のSOFA(Status of Forces Agreement: 軍事地位協定)で犯罪を裁くという2国間協定が存在していれば、国際刑事裁判所 は裁く必要はないというもので、米国が主張するような免責を認めるものではな いと、アムネスティ・インターナショナルは主張している。