私たちが今生活する現代は、人が望めば殆んどの物が手に入り、殆んどの事が可能になりました。しかし、この現代でも、簡単に手に出来ないものがあります。そのひとつは『一度失われた健康を取り戻すこと』です。健康な時は、さほどありがたみを感じずに生活し、痛みなどの症状が出て初めて気付く自分の健康。これからの人生を考えるとき、『自分の健康』について真剣に考えなければならない年齢になりました。
人は、30歳代半ばから自分の体力の衰えをふと感じるようになります。この年代の人々をはじめしする中高年者の健康の維持・増進を考えると、大きく分けて次の3つの問題点があります。(1)不適当な食生活、(2)運動不足、(3)休養の不足やストレスです。これらは長い間に健康に悪い影響を及ぼし、健康を蝕みます。これを成人病といい、若いときからの(あるいはそれ以前からの)生活習慣に根ざしているために習慣病とも呼ばれています。特に喫煙は、自身にも周囲の人々にも健康に好ましくない影響を及ぼしています。人生80年を生きるためには、今までの生活を見直し、改めるべきところは改めて、健康に暮らしたいものです。
そのためにはまず、健康点検のため成人病検診を受けたり、人間ドックに入ったりして、自分の身体の現状を把握します。35歳を過ぎたら毎年必ず、できれば同時期に受け、検査値に異常が見つかったときは原因があるわけですから、日常生活を点検し、原因を除去し、改善に努めます。また異常がない場合でも、検査結果通知表は保管し、長い間の検査値の変化の具合を見ることが大切です。
そして、成人病予防のための食生活を心がけます。成人病は特に食生活のあり方が大きく影響しますので、生涯を通じての適正な食生活習慣の確立が重要です。ポイントは以下の項目です。
@主食・主菜・副菜をそろえて、目標は一日30品目
A食事はいつも腹八分目
B塩からい食品を避け、食塩摂取は一日10g以下
C脂肪とコレステロールを控えめにし、動物性脂肪・植物油・魚油をバランスよく摂る
D生野菜・緑黄色野菜・海藻をできるだけ摂る
Eカルシウムは積極的に摂る
F甘い物は程々にする
かなり難しいように感じますが、慣れてしまえばそれ程難しいものではありません。今日からさっそく心がけてみてください。
次に、生活の中に運動を取り入れる工夫をします。まず、「歩く」ことからはじめます。「歩く」ことは、いつでも、どこでも、一人でもできる最も身近な運動で「健康づくりのための運動」のまさに第一歩です。一日一万歩が目標ですので、この目標に近付けるようエレベーターの使用は極力避け、階段を使うようにします。また職場や家庭でもこまめに身体を動かすなど、生活の中で意識して身体を動かすようにします。寒い季節は、身体を動かすこと自体おっくうになりがちですが、私も自分の健康のため、今後できるだけ階段を使おうと考えています。内科の某先生とは、たまに階段でお会いすることがありますが、きっとご自身の健康のために階段を使っていらっしゃるのでしょう。ぜひ、お手本にしたいと思います。
次に、ストレスを上手に処理するこつを身に付けます。一般的には以下のポイントがあります。
@気にしたらきりがないことは「柳に風」と受け流し、心のしなやかさを保つ
Aときには自分の好きなことに打ち込める時間を持つ
B身体を動かす積極的な休養を心がける
C仕事のあいまに身体全体の筋肉を伸ばすストレッチングをしてみる
Dバスタイムは入浴剤などで温泉気分を味わってみる
E良眠をとるため軽い体操やマッサージで身体をほぐし、寝具も敷き布団は硬め、掛け布団は軽めで清潔なものを使う。少量の寝酒も精神的な疲れには効果的
F客観的な立場で親身になってくれる友人に悩みを聞いてもらう
G休日は子供とスポーツやアウトドアライフを楽しんだり、普段と違うことを積極的にやってみる
H意識的なリラクゼーションの方法を身につける。ストレスは大なり小なりだれでも感じています。このストレスを生活のスパイスとして自分自身にプラスにするか、マイナスにして心身の不調の原因にしてしまうか、ゆとりをもって対処できるよう前向きに考えていけたら良いと思っています。
自分の健康は自分で守るものです。今の身体の状況を過信せず、すこやかな生活を続けるためには、働きざかりから健康の維持増進を積極的に考えていかねばなりません。