笑う門には.....

院長 神野 正博


向こうから歩いてくる一団、一方は女子高生の一団...箸が落ちてもおかしい年頃、楽しそうである.そして、もう一団...年配の方々である.別に何かしゃべってらっしゃるわけでないが、みなさん口を“ヘ”の字にして不機嫌そうである.

 さて、容姿の話をしているわけではない.筋肉の老化の話である.どこの筋肉も使えば、しまり、使わなければたるむ.顔の筋肉もしかりと思われる.笑うときには頬の筋肉が唇の両端を持ち上げる.この頬の筋肉を使わないと、唇を持ち上げる筋肉はたるみ、口は“ヘ”の字になってしまうようだ.“ヘ”の字にならないためには、大いに鍛える必要があるようだ.

 「陸上百メートルのカール・ルイス選手は、レースの八十メートル付近で意識的に笑う。するとリラックスして好成績が出る」とのコメントをラジオで聞いた.また、以前に新聞で岡山県の伊丹医師による興味深い実験が掲載されていた.二つの実験があり、一つは約二時間の間、八畳ほどの部屋の中で、とにかく笑顔を創る.もう一つは大阪で吉本新喜劇を約三時間観劇し、大いに笑う.その前後で、がん細胞を攻撃するとされる免疫細胞のひとつであるNK(ナチュラルキラー)細胞の活性(元気度)を測定すると両実験共に笑顔の後には活性は上昇したということである.

 さらに、最近の研究では人間は怒ったり、緊張したりすると、脳内にノルアドレナリンというホルモンが出てくる.これは、自然界では蛇毒に次ぐ猛毒で、様々の成人病や、老化の原因となるようである.これに対して、いつもニコニコして、物事をよいほうへと捉えていると、脳内にはβ−エンドルフィンなどというホルモンが出てくる.これは、脳内モルヒネともいわれ、人を楽しい気分にさせる.さらにそればかりではなく、免疫力を高める作用や、血液の流れをよくする作用まであるといわれ、成人病の予防に一役買っている可能性があるといわれている.

 笑う門には福来る...笑う門には健康という大きな福がやって来るようである.


ほっとたいむ目次に戻る