私は36歳、女性です。夏の素足時には気づきませんでしたので、秋になってからだと思います。両足の中指と薬指の爪先が黒く伸びてくるのです。爪を切っても黒いのが伸びてきます。最初は左足の中指、薬指、そして右足の中指、薬指の爪がそうなっているのです。正直なところ、恐くて病院で受診することができません。昔から「爪は健康のバロメーター」と聞いていましたので、「もしかして、、、何か悪性の病気?」とか「内臓が悪いのかしら?」とかつい悪いほう悪いほうに考えてしまって、受診を先延ばしにしている状態です。あいにくこんな症例は私のまわりでは、見たことも聞いたこともありませんので、もしもなどと悪いほうに考えてしまい、だれにも相談することができませんでした。一人よがりの先走りでただの栄養不足であってくれたらと思う毎日です。
受診するとしたら皮膚科かなあと思いご相談申し上げます。どうぞよろ しくお願い申し上げます。
爪は手足の指の背面の表皮から生じた角質の薄い板で、皮膚付属器(他にも、汗腺=せん、脂腺など)の一つです。通常、つめと呼ばれている部分は爪甲(そうこう)のことで、皮膚の角層(最も外側の固い部分)に相当し、ケラチンタンパクから成り立っています。爪の病気は1)爪そのものの異常,2)爪の近くの皮膚病変によって生じた異常,3)全身疾患によって起こった爪の異常―の三つに大きく分類できますが、注目する点は、爪の色の変化、爪の形の異常、爪質の変化などです。
「両足の中指と薬指の爪先が黒く伸びてくるのです。爪を切っても黒いのが伸びてきます。」黒い部分が爪のみなのか、爪の下の部分が黒くなっているのかということが重要になります。切った爪も黒いのでしょうか?
爪そのものが黒くなっているとしたら、しかも生え際は黒くなくて先端に行くしたがって黒くなるとすれば、大きな心配は要らないと思われます。おそらく、爪の栄養の問題と思われます。
爪の下(爪床)部分が黒いとするならば、色素異常が考えられ、黒子をはじめとして、さまざまな遺伝性疾患や腫瘍性のものも考えられます。
その他一般的な爪の異常について列記しておきます。
爪甲表面のへこみだけなら栄養障害や貧血による変化を、さらに変化が進み爪甲表面に落屑(カサカサした状態)があれば爪真菌(かび)症の初期変化なども疑われ、真菌検査や培養も必要になります。
つめの先端部に亀裂や割線などの変化を生じた場合には、指の先端部への局所的、慢性的な機械的刺激が加わっていないか(職業、趣味の上などで)、なども問題になります。
爪甲に縦状の線(縦溝または縦線)を認める場合には、つめ質の軽度の変化(タンパクの変性など)が疑われ、一種のつめの年齢的変化が考えられます。これはがんなどの内臓疾患ないし栄養状態とは関係なく、このような患者さんの数は年齢とともに増加し、五十歳以上ではほとんどの方にある程度まで認められるといわれています。
爪甲の縦線がひどくなると、爪甲は縦の方向に割れやすくなり、この状態は「爪甲縦裂症」と呼ばれています。爪甲縦裂症も年齢的な変化がほとんどですが、時には種々の皮膚疾患に伴うことがあり、また遺伝性のものも報告されているようです。