そけいヘルニア
女児のそけいヘルニア
9才の娘の事でございます。
「そけいヘルニア」のようで足の付け根あたりが少し膨らみ未だに治りません。それ程目立たない時もあるのですが,お風呂に入るとどうしても私が気になります。本人は全く気にしていません。年齢も考慮してお返事いただけませんか?
実際に診察いたしておりませんので、確定的な診断はできませんが、ご推察通り「そけいヘルニア」かと思われます。腹圧をかけたときに出てきて、安静時には出てこないのではないでしょうか?
残念ながら、このまま様子を見られても、大きくなる可能性こそあれなくなることは考えられません。恐らく、生後間もなくから存在し、徐々に大きくなったのではないかとも推察されます。
子宮を前屈させるための子宮円索(あるいは子宮円靭帯とも言います)がお腹の中の子宮から腹壁を貫いて恥骨に達しているわけですが、女児のそけいヘルニアはこの靭帯の通り道に沿って腹膜が突出してきたものです。
治療は手術しかありません。当院では2−3日の入院で治療しております。また、一部の病院ではデイサージャリーといって、日帰り手術を行っているところもあります。先に書きましたように、女児の場合、ヘルニアの近辺には靭帯しかありませんので、手術のリスクは麻酔のリスクのみと考えていただいてよろしいかと思います。
もし、手術をしないでこのまま様子をみた場合、危険性としてヘルニア嵌屯(かんとん)といって、出てきたお腹の中の内容が引っ込まなくなるという問題が心配されます。特に腸が出て、嵌屯しますと腸の血行が悪くなり、極めて危険な状態になりうるということがありえます。また、今後大きくなっていった場合、年頃でのそけい部の手術はご本人に何かと抵抗があるのではないかと老婆心ながら危惧いたします。そういった意味で、なるべく早い時期の手術をお勧めいたします。