肝障害と嚥下障害

肝障害と嚥下障害


Q 父の病状をお聞き下さい。
5ヶ月前に、喉にざらざらしたものが出来ました。その間これが下の方へ降りて行く様に感じ、気管の所では、せき、たんに悩まされました。また、何を食べてもおいしくなく、牛乳、たまご等、うすい塩味の物を食べると吐き気、むかむかし、2〜3時間ぐらいでおさまりました。
父は、肝炎(B型)を持っていますが、GPT,GOPとも90〜100です。この事を医者に話すと、肝臓の検査はしてくれますが、薬はなく、むかつきを無くす薬をもらっているだけです。この病気は肝臓なのか、又は別の病気なのか知りたいと思いメールを送りまし た。
A この方のお歳、普段の生活状態が分かりませんが、いくつかの可能性について書かせていただきます。
まず、今回のエピソードと肝臓との関係の可能性です。現在の状態はどういう風に医師からいわれているのでしょうか。GOTなどの肝臓の酵素は軽度上昇ですが、その他の血液検査や超音波などの検査により、判断されます。とくにB型肝炎ウィルスをお持ちとの事ですので、慢性肝炎、肝硬変に高率に移行する病態が背景に存在いたすようです。もし、肝硬変がベースにあるならば、それに伴う食道静脈瘤というものの存在が危惧されます。
食道静脈瘤は、胃腸で栄養を吸収した血液が肝臓に入る時に、肝臓が硬く変化していた場合(肝硬変)、肝臓に入らず、食道の血管をバイパスした時にできる静脈の瘤であります。 この場合は、瘤により後頭部の不快感から、食道のつかえ感を引き起こします。

メールにあった「喉にざらざらしたものが出来ました。」がなかなか理解できません。肝障害時に舌のざらざら感を訴える患者様は多いのですが、実際に何かできていたのでしょうか。もし、お父様が現在、入院中とか寝たきりという状態ならば、口腔から喉頭、食道にカンジダというカビの一種がはえ、症状を引き起こす事もありえますが、、、

また、肝臓と関係なしという事になれば、さまざまの病気の可能性があります。特に、食後の吐き気がありますので、食道や胃の潰瘍の可能性が大きいように思われます。
さらに、当初の喉の不快感からの発症を考えると、慢性の鉄欠乏性貧血による舌、食道障害や膠原病等の可能性もあります。しかしこれらは、血液検査を受けておられますので問題から除外してもよろしいかとも思います。

いずれにしましても、やはり症状の主座である食道、胃をできれば内視鏡で検査してもらうべきであると考えます。


Q & A コーナーに戻る