救急救命士法が制定された裏には、救命率の向上という本来の目的と、マスコミの力に依るところ大きいと思われる。
現在、石川県でも58名また、七尾鹿島広域圏では8名の救急救命士が救急現場で活躍されている。
当院においても、電送心電図・QQ‐PAL等も配備され、現場からは、リアルタイムで情報が飛び込んでくる状況にある。その窓口である看護婦には、重大な責任がある事を肝に命じておきたいことである。
救急救命士を中心として救急業務高度化事業推進のためには、
当院においても研修受け入れを過去数年にわたり実地して来た。高規格救急車の導入も徐々に進んでいる現況である。しかし、医師を含めた医療者側との連絡網及び指示という点では、まだまだ充分なものでないのが実状である。特に救急現場で救急救命士が独自の判断で出来る救命処置は限られたものであり、その多くは、医師の指示のもとに実地されなければならないことになっている。この点でも先進国である米国では、救命に必要な約30種類の薬品の使用や、気管内挿管等は独自の判断で実地されている。米国並みの活動には、法の改正はもとより現場での実績作りと共に、医療関係者との連携を密にし救急救命士の成長に貢献しなければならないと考える。
最後に、救急−搬送と救急医療供給体制の二元的構造を維持するならば、救急救命士制度そのものが、崩壊する可能性がある。プレホスピタルケアから救急医療施設までを一元的に考え、救急医・救急看護婦・救急救命士が協力して救急医療を実現していく時、救急救命士制度導入の本来の目的である救命率の向上は確実に達成されると思う。このことは、昨年末に制定された臓器移植法にも確実に貢献できることであろう。