健康は誰もが最も関心のあることですが、これには栄養、運動、休養のバランスが大切です。人間には食欲や睡眠欲はありますが、運動欲というものは一般的にはないようです。
しかし適度に運動することは、栄養や休養とともに健康を保つためには是非とも必要なこ
とです。現代は文明の発達に伴い車社会となり、家庭や職場でも電化や機械化が進み便利
になった反面、体を動かす機会はますます少なくなってきています。このような社会環境
では、意識的に体を動かさないかぎり運動不足に陥るのは当然のことと思われます。特に
中年以降(30―50才)の人達には、運動不足が関係している病気「運動不足症」の発
生を、何も運動せずに防止することは非常に困難になってきています。すなわち高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、動脈硬化、心臓病などの成人病や、肥満、腰痛、関節炎などの文明国における増加は、運動不足と大きな関係があると考えられています。人体の諸機能は、使うことで正常な働きを維持しています。適切な運動は心臓、肺、骨格筋はもとより、神経、血液、ホルモン、酵素など身体のあらゆる組織器官に刺激を与え、 活性化し、これらの機能を保っています。運動不足により万一病気にならなかったとして も、体力(スタミナ)の低下を来し、ついには老化を早め寿命を短くすると考えられます。 適度な運動を継続することにより、体力の減少を防ぎ、加齢によるQOL(人生、生活の質) の低下を防止することが可能と思われます。しかし急に無理な運動や過度なスポーツを行 うことは、かえって健康をそこね傷害を発生する危険があります。そのため、その人の体 力水準や健康状態をチェックして運動指導することが求められるようになってきています。 今後第4の医学として「健康増進の医学」の発展、進歩が求められています。体力は筋 力、持久力、柔軟性、スピード、敏捷性、平衡性などの要素からなります。健康や長寿の ためには、全身持久力(酸素摂取量)を増すウオーキングなどの有酸素運動と、柔軟性を 増す正しいストレッチングが特に大切であることがわかってきました。当院のリハビリテーション科では、本年より健康運動指導士、理学療法士と健康スポーツ医が協力して呼気ガス分析による酸素摂取量を含む体力測定(能登では初めて)と、成人病を予防改善し健康を維持増進するための運動処方を行っています。健康のための運動について関心のある方はご相談ご利用ください。