痴呆の原因にはいろいろあり、脳外科の手術で治る痴呆や内科的病気の治療でよくなるものもありますが、大部分は脳血管性痴呆とアルツハイマー型老人性痴呆と呼ばれるもののどちらかです。これらは最近では半々で約20%は両者を合併していると言われています。痴呆症も進行すればよい治療法はなく、ケアが中心になることから、「ガン」と同じように早期診断して初期から治療を開始し、進行を遅らせようとする試みが全国で始まっています。すなわち物忘れで悩む中高年をすべて「年のせい」にせず、画像診断や知的機能検査を行い、早期発見して、薬や脳のリハビリで進行を予防しようとするものです。脳血管性痴呆のあるタイプのものは、明らかに薬が症状の改善や進行の予防に効果があることがわかっています。アルツハイマー型老人性痴呆に対しては、有効な薬がないのが現状ですが、脳の活性化訓練及び生活習慣の改善、指導は効果があるという報告があり検討されています。
老人性痴呆になる人とならない人の差は、20歳代に決まるとも言われます。それは、受験中心の教育には使われることの少ない右脳を、いかにうまく使う習慣があるかどうかであるとされます。脳活性化リハビリ訓練とは、主に右脳を刺激するような作業を行うことです。また生活上の注意として、いろいろな事に関心を持ち、趣味のある積極的な生活をする。できるだけ外出や他人との交際の機会を増やす。そして毎日定期的な運動をし、日記をつけることなどが指摘されています。
病的な早期痴呆は、60代の10%、70代の30%に存在すると言われますので、この年代を中心に当院でも検診(痴呆症予防検診)を行っています。検診は20分ほどの脳MRI検査と20分ほどの脳機能検査からなります。脳機能検査として前頭葉機能をみる「かなひろいテスト」と、それ以外の脳機能をみる「ミニメンタルテスト」を行っています。
老人性痴呆予防検診と脳活性化訓練及び指導はリハビリテーション科外来で行っていますので御利用ください。
常に頭に新鮮な刺激を
他人との良好なコミュニケーションを
生活に張りを、手先をよく動かす
歩いたり、こまめに体を動かす
高血圧への注意
高脂血症への注意
脳卒中への注意
健康は規則正しい生活から
病気は早期発見、早期治療を目指す
日記や手紙を書く