衆議院 予算委員会速記録(議事速報)

第177回国会 
平成23年8月8日(月曜日)

馳浩 質疑部分 抜粋

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この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。
後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。
今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。

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○中井委員長

 この際、馳浩君から関連質疑の申し出があります。高村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。馳浩君。

 

○馳委員

 自由民主党の馳浩です。よろしくお願いいたします。
 男子のワールドカップサッカー、いよいよアジア三次予選が始まります。日本対北朝鮮、ホームアンドアウエーで行われます。9月2日には埼玉スタジアム、そして11月15日には、場所は確定ではありませんが北朝鮮で、このホームアンドアウエーの試合が行われることになっておりますが、北朝鮮チームの日本への入国がちょっと心配をされております。
 これは私は、この時点においても確約をちゃんとしておくべきだと思いますが、松本外務大臣にお願いをいたします。

 

○松本国務大臣

 委員がおっしゃったように、9月2日に日本で、日本対北朝鮮の試合が行われる予定であるというふうに承知をいたしております。
 北朝鮮代表チームの入国につきましては、現時点でビザの申請がなされているわけではありませんけれども、ワールドカップの予選参加という入国の目的は、FIFAの規約などに照らして、例外的に入国を認める特別な事情に当たるというふうに考えているところでありまして、北朝鮮代表チームからビザの申請があった段階で適切に対処をしてまいりたい、このように思っております。

 

○馳委員

 FIFAの規約第三条、そして第十三条、これは差別の禁止、こういうことがあった場合には制裁を科すということは明確でありますから、今の松本大臣の明言によってちゃんと確約をされるということは安心しました。

 一つ、これは問題があるんですけれども、では、報道機関、サポーターが北朝鮮から入国するという申請があった場合、どうするか。逆に、11月15日に北朝鮮で試合があります。我が国の報道機関、そしてサポーターが、行きたい、応援に行きたい、こうなったときにどうするのかという問題が残ります。

 私は、相互主義、あるいはお互いの限定主義というような考え方で決着を図るべきであり、これは外交問題でもありますけれども、北朝鮮と日本のサッカー協会において詰めて議論をされた上で外務省に相談をし、最終的には外務大臣が判断をされることだと思っておりますが、私の認識でよろしいですか。

 

○松本国務大臣

 選手、役員と、また報道、サポーターということになると、今委員がおっしゃったように、必ずしも同じ位置づけではないということになろうかというふうに思いますが、実際に、サッカーの試合は報道によって報じられ、またサポーターがいて、ある意味ではサッカーの試合が成り立っている部分もあることなども考えつつ、他方では、我が国の措置、そして法令など、クリアすべきさまざまな課題があります。

 そういった手続的な面でクリアできたとしても、実務的な面で、実際にどのように来てもらって、どのような体制を整えるのか、どのように訪問をして、どのような体制を求めていくのかといったようなこともあろうかと思いますので、十分にそれは政府内においてしっかりと連携をとりつつ、また必要な検討を進めるようにしてまいりたい、このように考えているところであります。

 

○馳委員

 いつまでに検討し、方針をお決めになりますか。私は、8月中には一定のめどを立てておくべきだと思いますよ。いかがですか。

 

○松本国務大臣

 まず、9月2日の試合をどこでやるかということについては、既に届け出るべき時期が来ているというふうに聞いているところでありまして、それゆえに、私どもとしても、先ほど御答弁申し上げたように、9月2日の試合についての、選手、役員に関しての私どもの考え方は整理をさせていただきました。

 引き続いて、9月2日についての、今お話がありました関係の対応についても早急に詰める必要があろうかというふうに思っております。
 11月の15日の日本がアウエーで行く方の試合については、今お話がありました北朝鮮になるであろうと思われる、こういう話でありました。私どもも同じようなレベルの認識で、最終的な状況についてはまだ照会をしていませんし、こちらは11月であります。だからといって、先送りにするようなことがないようにやってまいりたいと思いますが、まずは9月の件からしっかりと検討を進めてまいりたいと思います。

 

○馳委員

 さて、北朝鮮との外交問題というと、二つほど、私はどうしても確認をしておきたい問題があります。
 中井委員長、あなたは先般、国会中であるにもかかわらず、平日に、中国の長春でしたか、行かれたというふうに報道され、宋日昊さんにお会いをしたという情報が伝わってきております。
 このことは、菅総理、松本外務大臣、御存じでしたか。

 

○松本国務大臣

 事前に、行かれるということは、私どもは承知をいたしておりません。また、後にお聞きをするところによれば、担当の中野大臣の方には、御自身のいわばふるさとに行かれたというようなことだというふうにお聞きをしておりまして、私どもとしても、あらかじめそのようなことを承知する立場にはそもそもない、こういうふうに理解をいたしております。

 

○菅内閣総理大臣

 本件について、私は承知をいたしておりませんでした。

 

○馳委員

 これは、二重外交、二元外交という観点からの疑問、疑惑、疑いを国民が持っているという現状について私は質問をいたしております。
 自民党の外交部会、あるいは私もそうですが、情報として、委員長は一人で行ったわけではありません。外務省から出向した内閣府の課長補佐Kさんと、またあなたの指南役というMさんと三名で行っておられ、そして、こういう交渉は今回だけではなく、シンガポールとマレーシアと今回を含めて三回行われているという情報が入ってきております。明らかに二元外交であり、二重外交であり、こういうことが、まず情報としてこんなに早く外に漏れてしまったということが一番の問題なんですよ。

 なぜか。北朝鮮当局がこの報道を見てどう思っているか、その程度の相手と我々を交渉させようとしているのかという面にあります。
 ここで、予算委員会の場でありますので、中川筆頭理事と武部筆頭理事にお願いをしたいと思います。

 予算委員会委員長というのは、公職中の公職であり、予算にかかわる重大な職責を持っておられる方であります。中国に行かれて何をしてきたのか。少なくとも中野担当大臣は、国会の委員会で明言しておりますよ、課長補佐が同行したと。先ほど松本さんがおっしゃったようなことが事実であるならば、あなたのセンチメンタルジャーニーに、渡航許可も出していない国家公務員を通訳として同行させたという重大な問題になります。

 理事会においてこの件をぜひ協議し、事実関係を明らかにしていただきたいと思います。

 

○中井委員長

 委員長のことについてお話がございましたので申し上げますが、私が何か許可をとらずに行ったようなニュアンスの御発言がございましたが……(馳委員「そんなことは言ってない。言ってない、言ってない」と呼ぶ)きちっと許可をとって行っておりまして……(馳委員「言ってない、言ってない。国家公務員のことを言ったんです。国家公務員のことを」と呼ぶ)言ってます。先ほどの発言はそういう御趣旨でありました。(馳委員「違う。言ってない、言ってない、言ってないよ」と呼ぶ)

 それから、マレーシア、シンガポールと言われましたが、私はシンガポールへ行っておりません。
 これだけは申し上げて、十分お調べの上で、こういう公のテレビの世界で御発言をいただきたい、このことを申し上げます。

 

○馳委員

委員長、動揺しましたね。

 

○中井委員長

 委員長に質問する時間じゃないですから、どうぞ閣僚に。

 

○馳委員

 委員長、あなたが答弁する場ではありませんから、私は武部さんと中川さんに理事会で協議をしてくださいと言ったんです。

 

○中井委員長

 理事会にそんな、今そういうことを申し上げる暇じゃありません。

 

○馳委員

 それ以上あなたの答弁を求めてはいません。

 

○中井委員長

 委員長がそれを判断します。

 

○馳委員

 では、次の質問に移りたいと思いますが、不測の事態です。
 木文部科学大臣、高校の授業料無償化、私たち自由民主党は、これは教育問題として、どう考えても義務教育ではない高校を無償化するというのは目的を逸脱しているし、所得制限が一つの落としどころかな、こういう議論をして、委員会の場でも議論してまいりましたが、朝鮮高校に対する無償化の審査を昨年突然停止されました。不測の事態があった、菅総理からの指示だという文部科学委員会での答弁でありました。
 不測の事態がいつ解けて、審査を開始されるんですか。

 

○木国務大臣

 馳委員にお答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、昨年の11月、総理の指示を受けまして、審査を一たん停止したところでございます。いつ、どうするかというお尋ねでございますが、私としては総理の指示、判断によるものだと思っております。

 

○馳委員

 総理の指示と今大臣はおっしゃいました。どういう基準で、不測の事態を脱して、朝鮮高校に対する無償化審査を再開するんですか。基準をお示しください、総理。

 

○菅内閣総理大臣

 今、木文科大臣からも説明がありましたように、手続は中止という形、中断といいましょうか……(馳委員「停止、停止」と呼ぶ)失礼しました。停止という形になっております。
 そこに立ち至った経緯はもう御存じのとおりでありまして、いわゆる砲撃が北朝鮮から韓国の島に対して行われた、これは大変重大な事件といいましょうか、外交的にも重大な事件、あるいは、我が国においても、場合によれば我が国の安全を脅かすようなことにも発展しかねない重大な事件と受けとめまして、その時点で停止をいたしました。

 そういう意味では、そういった状況から今緊張関係が少し緩和をしてきておりまして、そういった中で、そういった状況があった以前の状況に戻ったと判断できるところが一つの考え直すときのめどではないかと思っております。

 

○馳委員

 私は、基準をお聞かせくださいと申し上げました。今の総理の御発言は、基準とはほど遠い、憶測とか目測に近いような発言でありました。
 では、木大臣に改めてお伺いします。
 これは外交問題、安保にかかわる、国家の平和を守るかどうかという問題じゃないですか。教育の問題と違うでしょう。あなたはずっと委員会で、教育の問題として審査をすると言い張っていたじゃないですか。外交問題で停止をした、総理の責任に転嫁をした、あなたの文部科学大臣としての姿勢、どうなっているんですか、お答えください。

 

○木国務大臣

 今振り返っていただければおわかりのように、あの11月の北朝鮮による韓国への砲撃事件は、極めて重大な事態であったと私は今なお思っております。そういうところにおいて、私どもは、これまで高校無償化について、朝鮮学校の取り扱いについて、しっかりした規定、基準をつくりながら審査をする、そういう意味では教育的見地からやっていく、これはこれで私は今なお堅持をいたしております。

 しかし、先ほど申し上げましたように、国家としての重要な事態であることは変わりありませんで、総理の判断でそのようになったもの、このように考えております。

 

○馳委員

 ということは、超法規的措置ととらえていいですね。法律に基づく停止措置ではありませんね。

 

○木国務大臣

そのように踏まえております。

 

○馳委員

 そういうことが教育の現場において行われてよいと思っていますか、文部科学大臣。

 

○木国務大臣

 これはこれで、教育は教育、しかし、やはり国家の不測の事態、そういう判断をされた、まさに総理としての御見識だと思っております。

 

○馳委員

 先ほど自由民主党の立場を明確にいたしました。高校授業料の無償化については、教育対策なのか経済対策なのか明確ではないという観点と、義務教育ではないということを考えれば、より経済的に苦しい御家庭に対する支援、いわゆる給付型奨学金などを充実するなど、メニューを丁寧に出すべきではないかというふうに申し上げてまいりました。

 朝鮮高校に対しては、教科書内容も精査をいたしました。特定の人物に対する崇拝であるとか拉致問題についてであるとか、大韓航空機の爆破事件の問題についてとか、極めて問題のある記述もございました。私は、そういう点においては、より情報公開、また最終的には国交正常化をした際に判断すればよいのじゃないんですかというふうに委員会でも追及してまいりました。

 そのさなかに、菅総理、不測の事態ということでの停止、そのままなんですよ。あの二億円はどこに行ったんですか。朝鮮高校から訴えられたらどうするんですか。そんなことも考えて、不測の事態ということで停止をされたんですか。

 そして、木大臣はずっと教育問題で判断する、その前の川端大臣もそうです、教育問題として判断をする。ところが、ある日突然、不測の事態といって、菅総理が法律にはない根拠で超法規的にストップをされた。残念ながら、教育の現場で一貫した対応がとられていないということを我々は心配しているんです。

 菅総理、先ほどちょっとあいまいでありましたね。不測の事態がどういう状況になったら審査を再開するのか。もちろん、私たち自由民主党は、それでも朝鮮高校に対する無償化適用は反対をいたします。しかし、政府が決めた方針について、あっち行ったりこっち行ったりするような対応はよくないと思います。菅総理、いかがですか。

 

○枝野国務大臣

 まず、文部科学大臣がお答えになっているのは、審査に入った場合の中身については、教育の観点というか文部科学行政の観点からなさるということで、一貫しておっしゃっておられることであります。

 今回の停止については、砲撃事件を端緒とする不測の事態ということに備えるものでございまして、先ほど総理も御答弁されましたとおり、砲撃事件によって生じた事態に対応するものでございますので、国際的、国内的な状況が砲撃事件の前の状況に戻れば停止は解除することになりますが、それについては、さまざまな内外の情報収集に努めているところでございます。

 

○馳委員

 極めてあいまいであります。
 枝野官房長官、今御答弁いただいたので、私、日ごろ言われていることをちょっとお伝えいたしますね。

 あいさつがちょっと気になると言われるんですよ。毎日記者会見をされるときに、国旗に対して敬礼をされますが、何か出勤途中のサラリーマンが電車におくれるような感じで近所の人にあいさつするように、ちょっとこうやってあいさつするだけの対応について、気になりますということをよく言われますし、私も、国旗に対しては、ちゃんと一度立ちどまって、目で見て、頭を下げて、頭を上げたらちゃんと確認をした上で対応されるということがよいと思います。指摘をさせていただきます。

 さて、ハーグ条約の問題に移りたいと思います。
 これは、外務委員会でも、また法務委員会でも、松本大臣、江田大臣と私は議論をさせていただきました。ハーグ条約の締結に向けて国内法の整備に入る。いつごろまでにめどをつけて国内法を国会に提出される予定ですか、まずお聞かせください。

 

○松本国務大臣

 御案内のとおり、法律案の策定については、子の返還手続に関する部分については法務省が、中央当局の任務に関する部分については外務省がそれぞれ担当した上で、法務省が法律案全体の取りまとめを行うということになっておりまして、今作業中であります。

 具体的な時期についてはまだ未定でございますが、外務省としては、法務省と協力をしながら、十分議論をし、適切な形で作業を進め、できるだけ速やかに国会に提出をさせていただきたい、こう考えております。

 

○馳委員

 ハーグ条約について、御存じない方もいらっしゃいますので、簡単に私の方から言えば、国際結婚をする、そして生活を始める、子供も生まれる。残念ながら離婚をしてしまう。そうすると、子供を連れてもといた国に無断で、つまり夫婦の合意もなく帰ってしまう。じゃ、未成年の子供の監護権についてどうなるんでしょうか。これは一定のルールが必要ですよねということで、もといた国に戻って子供の監護権については話し合いをし、取り決めをしましょうという、これは国際ルールであります。

 ところが、何でこんなことが外交問題になるかといえば、アメリカの議会においても、カナダやフランス等においても、どうも日本人の奥さんだった人が子供を連れて勝手に帰国してしまった、おいおい、これは拉致じゃないのか、勝手に連れていくとは何事だというところまで実は国際的に批判を受けるような事態になってしまって、これは国際社会のルールに入りましょうということで議論が始まりました。

 そこで、これは、一定のルールは必要なんですが、原則には例外規定も必要ですよね。子供をもといた国に戻さなくてもよいという例外規定、これも実はハーグ条約に定められているんですよ。松本大臣、いや、江田大臣に聞いた方がいいですね、ここの書きぶりが重要ですよね。

 つまり、離婚をして無断で子供を連れてきた理由がDVの場合、日本の場合には、実はこれは児童虐待の定義に当てはまるんですよ。2004年の改正のときに、私も担当いたしましたし、御党の小宮山洋子さんも、また公明党の富田茂之さんも随分御努力いただきました。つまり、子供の前でDVを見せてしまうこと、これも心理的な抑圧、虐待の一定義として明文化をしたんですよ。国際社会の中でこういう丁寧な明文化をしているのは日本しかありません。私は、これを引っ張ってきて、例外規定を明確に書いてほしいと思っているんですね。

 これは江田大臣に聞いた方がよろしいでしょうか。子供を返す、返さないの話の切り分けは法務省の方ですから、ちょっとお願いします。

 

○江田国務大臣

 今、松本大臣からお答えのとおり、法務省と外務省が協力をしてハーグ条約の国内のいろいろな手続について今後定めていかなきゃなりませんが、中央当局は外務省の方で持っていただくということで、その任務などについては外務省、それから、返還の事由については法務省の方で今の例外のことなど含めて決めていくということで、ことしの6月の6日に法制審議会に諮問をいたしました。そして、7月13日にハーグ条約(子の返還手続関係)部会というものをつくりまして、そこで議論が始まっておりまして、その中で今のお話のようなことについても議論を十分していただきたいと思っております。

 ただ、今議員お話しのとおり、外国で離婚をして子供を日本に連れ帰ったお母さん方がつらい立場に置かれるというようなこともいろいろ言われていて、それはそれで私ども真剣に対応していかなきゃいけない。しかし、必ず、常に日本人のお母さんが外国から子供を連れて帰るばかりじゃなくて、いろいろなケースがありますから、これはやはり国際ルールの中で、私ども、国際ルールをよりよくしていくために努力をしていかなきゃいけないという立場でここへ加盟をしようという決断をしたわけでございます。

 その中で、今議員がおっしゃるDV、つまり、いろいろなDVがあるんですけれども、ここで委員が想定されているのは、外国の夫から日本の妻に対する暴力、それが子供にどういう影響を与えるかという話で、これは子供に対しても、やはりそういう夫から妻への暴力を見せるということによって子供にいろいろな心理的な負担などを与える。そこで、これは子供に対する暴力ということにもなるんですよ、その場合には、やはりその暴力を振るう夫の方に返さなきゃならぬということについては、そんなことはない、こういうことをしっかりさせてほしいということですよね。

 これはこれから、今、法制審でも十分に議論されると思いますし、私はその日本の考え方というものは国際社会にも通用されるようなルールになるべきものじゃないかなと思っております。

 

○馳委員

 松本大臣、結構です。
 よく外務省、法務省、すり合わせをして、特にこの問題についてはスイスの国内法が極めて丁寧に整備をされておりますので、参考にしてください。

 ところで、国際離婚の話をいたしましたが、国内の離婚においても、無断で子供を連れ去るという事案、そして、その後一切別居している親に会わせないという事案が極めて多く散見をされ、実はこれ、隠れた社会問題になっております。

 この国会で民法の改正もなされましたが、江田大臣、私と随分と、法務委員会で三時間以上この議論をさせていただきました。いわゆる、離婚をしたら男と女、離婚をしてもお父さんとお母さんは変わらないじゃないかと。子の福祉を最善に考えた場合に、離婚後の面会交流、これは法的にも明確なルールを準備しておかなければいけないし、あるいは、恐らく養育費の問題もこれは出てくるんですよね。

 私は、これについてはやはり法務省も、家裁の事案とかいっぱい挙がっていると思いますが、離婚をした後の面会交流権、私はあえてはっきり言います、面会交流の必要性については今回の民法改正の第七百六十六条で明文化をされましたが、もう一歩、さらに踏み込む必要があるのではないかと思っております。

 これは、突き詰めれば、離婚をした後に単独親権かあるいは共同親権かという話に入りますが、その一歩手前として、お父さんもお母さんも共同して養育をする親としての責任がありますよ、このことを明確にしていく必要があり、それが面会交流という形として担保されるべきだと私はずっと考えて、大臣とも法務委員会で長らく議論させていただきました。大臣の見解をお願いいたします。

 

○中井委員長

 きょうの集中審議は、外交・安保等になっています。この一問に限って、国内問題ですが、許します。

 

○江田国務大臣

 委員長の采配で等の中に入れていただいて答弁をさせていただくということになりました。簡単にしたいと思いますが。
 かつては、離婚をした場合に、子供を育てていくのに、お父さんとお母さんと二つ子育ての原理があったんじゃ子供が混乱するだろう、したがって、これは単独親権にした方がいいというので今日までやってまいりました。

 しかし、お父さんとお母さん、別れた後の子供との関係、あるいは別れた二人の関係というのもさまざまなものが今出てきておりまして、昔の関係だけでは律し切れないものがいろいろ出てくるだろうというので、今議論になっているわけです。

 ところが、一方で今度は、お父さんからお母さんに対する暴力で、お母さんが離婚で逃げて子供と一緒にどこかに隠れているというような場合もあるので、この場合に全部その情報が外へ伝わっていくというのは、これは避けねばならないというようなこともございます。

 そのようなことをいろいろ考えて、ことしの、まさに委員ともいろいろな議論をいたしましたが、民法の改正で、離婚をした場合の子の監護、これも子の福祉が第一ですよ、こういうことを、これはもう今までも当然ではあったんですが、やはり書き加えようということで書かせていただいたわけであります。

 離婚後も子供にとってはお父さん、お母さん、これがそれぞれいるというのは当たり前でありまして、子供にとって、子の福祉にとって、お母さんとの面会交流、これは、お母さんが監護をしている場合にはお母さんが日常的にそれをやるわけですが、監護をしていないお父さんとの面会交流もやはりあった方が子の福祉に資するという場合があるだろうということで、とにかく話をしてください、話がつかなければ、家庭裁判所がそこは間に入りましょうというような法制度に今しているわけでございまして、これがきっちり世の中に定着をして、子の福祉が前進することを私どもは望んでおります。

 

○馳委員

 法務大臣をお務めになった中井さんも、この話はよく御存じだと思います。私は、離婚をした後、子供の立場に立った法的な整備の必要性、いわゆる面会交流を担保するんだよ、もちろん養育費もちゃんと払いなさい、こういう議論について早く整備をしていくべきだと思います。

 委員長、先ほど外交・安保等とおっしゃいましたので、私、何となく質問しづらくなってきたじゃないですか、いろいろ準備してきたのに。
 そこで、国際社会が今日本に対して不安を感じているという問題から切り口を、復興基本方針の方に入っていきたいと思います。

 放射能の問題なんですよ、放射能の問題。これは、環境に国境はありませんから、漏れ出してしまった放射能をどういうふうに対応していくかという、まず我が国の方針というのは大事だと思いますが、この議論に入る前に、木大臣、先週、読売新聞のスクープでびっくりしました。福島県の幼稚園、消えた2,300人とありましたね。退園をした、休園をした、あるいは転園をした、福島県のもといた幼稚園からいなくなってしまった子供たち、5月19日の段階で2,300人。
 今、先週の段階でこの数字はどうなっていますか。

 

○木国務大臣

 いわゆる私立幼稚園から園児が退園をしていく、こういう報道を承知いたしておりますが、文部科学省といたしましては、これは4月、園児、子供たちが異動する時期、これが落ちついてからという意味で、5月1日現在で、まず、全国の幼稚園に対して、福島県の子供を受け入れている実態がどうなのかということを調査いたしました。その結果を見ると、被災した福島県の園児で、他の都道府県の幼稚園に移った人数は974人、福島県内の別の幼稚園に移った人数は482人となっております。

 今般の福島第一原子力発電所の事故を受けまして、子供たちに対する健康の不安、将来の不安、これは大変なものがあると私も承知をいたしております。したがいまして、幼稚園の園児、こういった状況については、先般、7月26日でございました、福島県の全私立幼稚園協会の代表者が来られまして、直接今の実態をお聞きいたしました。今報道に寄せられた内容だと思っております。

 したがいまして、私たちは、この状況をさらにしっかりと受けとめて、今後の対応について、できるだけ不安がないような、そういう対応をしてまいりたい、このように思っております。

 

○馳委員

 木大臣、そして野田大臣にもこれは聞きたいと思うんですけれども、実は、放射能の話はまた後でいたしますが、我々自由民主党は、各野党の皆さん方ともいろいろ協調して、被災地の私学、施設設備等が随分と損壊いたしました、これを復旧するために、補助率を公立並みに、67%ぐらいにですか、引き上げるという議員立法を準備して、衆議院の文部科学委員会では、下村博文部会長を中心に、御党の松宮勲筆頭理事とも中身の調整をして詰めてきて、民主党の国対に民主党も賛成しますといって上げたら、何と民主党国対でひっくり返されて、だめだというふうになってしまったんですよ。それはないだろうということで、今、参議院の方で処理をしてもらおうと思って、準備中なんですよ。

 そのときの理由は何だったでしょうか。財源問題を出してきたんですよ。それはないだろうと。民主党の、これは参加された方もいらっしゃると思います、党内においても、私学だってそれは大変だと、施設設備。また、福島県の幼稚園協会の事務局長さんにも伺いましたら、木製の遊具、これもやはり放射能の汚染の心配があって、入れかえなきゃいけない。それらも含めて、もうちょっと国から明確な支援をしてほしいという声がごまんと来ております。皆さんのところにも来ていると思います。

 木大臣、恐らく御存じだと思います、私学のいわゆる補助率かさ上げ法案。木大臣、そして野田大臣にもお伺いいたします。この法案の必要性、重要だな、この国会中にやるべきだと思いませんか。

 

○木国務大臣

 御指摘の私学に対する災害助成、この点について、文部科学委員会でも御党の方から説明がありまして、承知をいたしております。
 今、私どもとしましては、幼稚園に通わせる保護者の教育費負担の軽減、そしてまた幼稚園経営に当たる立場の皆さん方の負担軽減、こういった両面から私どもとしては対策を講じております。

 まず、保護者に対しては、市町村が行う幼稚園就園事業への補助、そしてまた私立幼稚園への授業料等の減免、こういったことをして充実を図っておる。また、経営者に対しましては、施設災害復旧費に対する国庫の補助、教育活動の復旧のための国庫補助に加えて、日本私立学校振興・共済事業団においての5年間の無利子、その後の低金利の融資、長期融資、こういったものを行っております。これらに必要な経費につきましては既に第一次補正予算で措置をいたしておりまして、今その執行を頑張っております。

 なお、御指摘の法案につきましては、内容はよく承知をいたしておりますが、まだ国会に提出をされておりませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

 

○野田国務大臣

 お答えいたします。
 木文科大臣の御答弁にありましたように、子供を幼稚園に通わせる保護者の教育費の負担軽減、あるいは被災した幼稚園の施設復旧や経営支援を図るために、御党にも御賛同いただきましたけれども、5月2日に成立をした第一次補正予算において、約1,100億ほど予算措置をとらせていただいております。まずは、文科省におかれましては、この予算を有効に御活用いただきたいというふうに思います。

 加えて、まだ国会に提出をされていないということでございますので、出た場合には虚心坦懐に検討したいと思いますが、一般論で言えば、やはり災害復旧に係る激甚法のいわゆる法体系、体系があります、それをどう整合的に説明できるかということが重要な観点になるだろうと思います。

 

○馳委員

 これは枝野官房長官にもお願いしておきたいと思います。我々は、衆議院の文部科学委員会でそういう事態になりましたので、参議院でお願いしようということで、参議院の方で今、提出に向けて、今週中が山場としてやっておりますので、現場の調整についてもよく理解をいただきたいと思います。

 

○中井委員長

 答弁は要りますか。

 

○馳委員

 結構です、枝野さんはよくわかっておられますから。
 それで、放射能の話を改めて申し上げますが、木大臣、では、先ほど申し上げました福島県内の子供たち、親御さんも含めて、どうやったら安心してもとのふるさとに戻れますか。

 

○木国務大臣

 私どもも、一日も早く子供たちの多くがふるさとで生活をできる、そういう状況をつくりたいものだと思っております。
 まず第一には、福島第一原子力発電所の一日も早い収束、これに全精力を傾けること。二つ目には、やはり今そういう、まだまだ収束していない現状でありますから、しっかりした目に見えるモニタリングをきめ細かくやっていく。この再生についても、今我々は補正予算等についても御協力、御理解いただいております。

 そして何よりも、除染をしていく、できるだけ放射線量を低めていく。これは私たち、学校の校庭、園庭においては一ミリシーベルト以下を目指す、こういうことで財政支援もやっておりますが、その除染も、これは学校にかかわらず、通学路あるいは公園等においても万全の努力をしていく。

 それから、福島県が行う被災者・子ども健康基金、これも私たちは、健康管理、ある意味では長い間の健康管理、これも徹底を図っていく、こういうことについてもしっかりやっていかなきゃならぬと思っています。

 

○馳委員

 これは平野復興担当大臣、そして細野原発担当大臣に聞いたらいいと思うんですけれども、我が国でかつてありませんでしたよね、原子力施設や管理区域の外にこれだけ大量に放射性物質が漏れ出してしまったということは。いわゆる大気汚染防止法とか、環境基本法とか、環境アセス法、水質汚濁防止法などなど、また農用地土壌汚染防止法など、環境法制の適用除外になってきたのがこの放射性物質なんですよ。

 これを、今、木大臣がおっしゃったように、きちんとモニタリングをし、そして廃棄物があればその処置をするルールをつくり、同時に除染の措置をしていく、それについては国が全面的な責任を持って行う。当然、費用負担については東電にも求償しなければいけないでしょう。こういったルールが必要になってくると思われて、4月以来、我が党も、また公明党の皆さん方も、随分と、早くルールをつくれ、法律をつくれとやかましく言ってきたんですが、いまだに出てきていないので、実は2週間ほど前から、私が自民党の担当者として、また公明党の江田康幸さん、そして御党、民主党の担当者もおられます、名前は言いませんけれども、現場で詰めてきております。

 これは細野さんと平野さんとお二人に伺います。
 漏れてしまった、そして世界も心配しています、この放射性物質についての処理、対処については、議員立法でやるよりも、本来ならば国が責任を持って法律をつくってちゃんと対応しなければ、まさしく子供たちは安心して放射能の不安なくふるさとに戻ることはできないんですよ。これは物すごい大きい話であり、平野さんが出されました復興基本方針、この中にも5、6行ほど書かれてありますけれども、まだ十分ではありません。

 細野さんと平野さんに、この放射性物質への対応、瓦れき処理への対応、国の責任ということについての現時点での方針をお示しいただきたいと思います。

 

○細野国務大臣

 馳委員御指摘のとおり、発電所の外に放出をされました放射性物質の処理については、我が国の場合、法体系が十分整備をされておりません。
 まず、昭和30年に原子力基本法が制定をされ、そして30年代には原子力規制法令というものが整備をされてきたわけでございますけれども、その中には、炉規制法の中で、災害防止のために必要な措置を命ずることができる、そういう規定になっておりまして、あくまで事業者に対して義務を課すという形になっております。

 今回のように、事業者の手に負えないような放射性物質が出てくるということを実質的には想定していなかった、ここは法の不備があったことを認めざるを得ないだろうというふうに思います。
 そこで、政府としては、そのことについては重々承知をした上で、まずは現実対応していこうということでやってまいりました。すなわち、そうした物質の処理の方法について明示をし、財政的な負担もしっかりやった上で、自治体の皆さんとしっかり協議をしながらこれを処理していこう、そういう努力をしてまいりました。

 現在、各党でそうした法のあり方について議論がなされていると承知をしておりますので、それは、非常にこうした状況を考えればありがたいことだというふうに思っておりまして、それを受けて、さらに精力的に取り組んでいく必要があると考えております。

 

○平野国務大臣

 御指摘のように、放射性廃棄物、廃掃法の適用ができません。あるいは、土壌の除染につきましても、土壌法等の適用ができません。こういった中で、国が責任を持って前面に出て立法措置をする、あるいはさまざまな措置をとるというのは必要なことだと思います。

 ただ、それが議員立法という形になるのか閣法でやるのか、それは、それぞれの法律の内容によると思いますので、必ずしも私はこだわらなくてもいいのではないかという考え方を持っております。

 

○馳委員

 これはかつて、12年前ですけれども、ダイオキシン類対策特別措置法、これも実は当時、私は参議院議員だったんですけれども、当時も自公民で議員立法としてやったんですよ。なぜか。当時は九省庁が絡んでいたんですよ。今回も、この放射性物質の対処については、細野さんも平野さんもよく御存じのように、各省庁が絡んでくるものだから、環境基準を設定する、そのために、各省庁がどういう法律でどういう対処をするかということが、それぞれ決まってくるんですよね。だから、ちょっと調整がついていないのが現実です。

 ただ、地方自治体は、特に福島の皆さんは、いいかげんにしろと思っているんですよ。だから、我々は議員立法でとにかく早くやろうといって、今調整しています。今国会中に、絶対にこの放射性物質への対処法は成立をさせなければなりません。でないと、木大臣、いつまでたっても子供たちはふるさとに戻ることはできないんですよ。このことをよく理解をいただきたいと思います。

 最後に、けさ、野田財務大臣、朝早くからお疲れさまでした。記者会見もされましたが、まず総理にお伺いしたいんですよね。
 今般のアメリカの国債の格下げ等やヨーロッパの財政不安等で、オバマ大統領やあるいはサルコジ大統領やメルケル首相など、電話の一本もかかってきましたか。笑い事じゃないですよ、これは。金融不安について、我々国会議員は、本当に日本が何かすることがないだろうかと。先週、単独介入されましたけれども、そういう問題じゃなくなってきています。

 リーマン・ショックのときには、当時の麻生総理がG20の金融会合をつくって獅子奮迅の働きをされて、解散しろ解散しろと言われておりましたが踏みとどまって、世界的な金融不安をすんでのところでとめましたよ。
 今、菅総理、アメリカからフランスからドイツからヨーロッパから、電話の一本もかかってきましたか。

 

○菅内閣総理大臣

 私も総理に就任する前、財務大臣をいたしておりまして、特に当時はギリシャの危機の問題で、G7の財相会議、電話会議を含めて、連日のようにいたしました。今回は、野田財務大臣がそういう立場でしっかり取り組んでくださっていると思っております。

 現時点で首脳同士のそうした電話会議の形にはなっておりませんが、財務大臣が連日やっておられることについての報告はしっかりと聞いております。

 

○馳委員

 電話の一本もかかってきていないんです。これが首脳外交が6月2日以降全く機能していないという現実で、みんな不安に思っているんです。野田さん一人が頑張っていてもだめなんですよ。首脳外交の意味の大きさということは皆さんもよく御存じだと思います。

 最後に、私も元国語の教員でありまして、今の菅総理の答弁を聞いて、一句できましたので、ちょっと詠んで終わりたいと思います。

 空きカンをたたいてみれば秋の空といって、きょうは8月8日、立秋ですよ。秋になりました。古来、古今和歌集などでも、秋というのは心が離れてしまう、飽きるという言葉にもかけられていますよね。

 空きカンという大変失礼な言葉も使ってしまいましたが、政策には中身が詰まっていなければいけないし、中身というのは、政権交代前の民主党の皆さんがおっしゃったように、プロセスなんですね。党内、閣内、透明性のある中身の詰まった議論をし、たたいてみるというのは、これはマスコミの皆さんや我々野党はどんどんたたきますよ。たたいて中身が出てこなければ、秋の空になってしまうんですよ。

 以上、申し上げて、私の質問を終わります。 


  ※詳しくは衆議院 会議録議事情報 会議の一覧 をご覧ください。
(常任委員会 → 予算委員会の会議録 → 8月8日 ) 


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