衆議院 予算委員会第四分科会 会議録 平成23年2月25日(金曜日) 第1号
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【馳浩 質疑部分 抜粋】
○城井主査
次に、馳浩君。
○馳分科員
おはようございます。自由民主党の馳浩です。午前中の最後のバッターということで、よろしくお願いします。我が党の竹本さんから大相撲の現状を大変憂慮したお話がありましたが、私の考え方は全く反対なんですよ。仏の顔も三度まで、今まで何度同じ答弁を相撲協会が繰り返してきたかということを考えると、徹底的にやってください。そして、そうすることが協会内を国民の信頼に足る組織につくり上げることになりますので、大臣のリーダーシップを期待いたします。
私は、きょう、質問通告をいたしました十番目から質問をいたしますので、申しわけございませんが、資料の方をめくり直してください。
かつては、日本語教育に関する調査研究を行う政府機関が存在しました。独立行政法人国立国語研究所です。その国立国語研究所の日本語教育基盤情報センターでは、日本語教育に関する調査研究、カリキュラムの開発、試験シラバスの開発、日本語教育の人材育成、全国の日本語ボランティアのネットワークづくり、さまざまなデータの蓄積、データベースの維持管理を行っていました。この独立行政法人が廃止され、平成二十一年十月一日から、大学共同利用機関法人人間文化研究機構の中に新しい国立国語研究所が設置されました。そこでは、日本語教育研究・情報センターが設けられ、旧国立国語研究所の仕事を引き継いでいます。
センターの予算規模、人員、プロジェクトの内容が、移管前と後ではどう推移していますか。移管前三年間と移管後二年間の数字でお示しください。機能が縮小されていることはないか、政府の認識をお伺いします。
○笹木副大臣
お答えします。予算規模についてですが、旧国語研の移管前三年間については、研究所全体で毎年十一億円であった。大学共同利用機関への移管の後ですが、平成二十一年度が十一億円、平成二十二年度が十二億円というふうになっています。
人員については、旧国語研で日本語教育に関する事業を実施していた日本語教育基盤情報センターが十人の体制であった。移管の後では、同事業を引き継いだ日本語教育研究・情報センターで、研究系との併任も含めて、平成二十一年度が十人、平成二十二年度が十三人、こういうふうになっております。
○馳分科員
独法移管を法改正した当時の衆議院の文部科学委員会では、私も自民党の筆頭理事を務めさせていただきました。審議の末、それまで当該研究所で実施されていた日本語教育研究にかかわる業務の維持拡充を担保するための修正案と附帯決議案が、全会一致で採択をされました。そのときに知恵を出していただいたのが鈴木副大臣でありまして、ありがとうございました。当時、私も丸のみをさせていただきました。いいものはいい、そういうことです。その際、修正文で、当該業務を担うにふさわしい主体等に関し二年を目途とする検討条項を加える、当該業務のあり方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとするとし、附帯決議では「さらに、将来的には国の機関とすることを含めて組織の在り方を抜本的に検討すること。」と述べています。移管されたのは平成二十一年十月一日のことですから、ことしの十月には二年経過いたします。
そこで質問いたします。
まず、文部科学省では、移管前の日本語教育研究業務が移管後も十分に維持されているかどうかの調査を開始しているでしょうか。
○笹木副大臣
プロジェクトについては、日本語教育基盤情報センターで調査研究事業として実施されていた事業は、移管後、研究・情報センターの共同研究プロジェクトとして引き続き実施をしている。同センターでは、日本語教育データベースの構築、日本語教育、学習に関する情報提供事業を引き続き実施しているわけです。こうしたことを踏まえて、今言った人員等について、あるいは予算のことについても調査を始めております。
○馳分科員
そこで、通告していた次の質問は、さっき伺いましたので結構です。移管の前と移管した後で、大規模な調査研究事業の実施について何か影響はありますでしょうか。
○笹木副大臣
現在、日本語教育研究・情報センターとして引き継いでいるわけですが、国内外の大学等から多数の関連研究者の参画を得て実施をしております。また、日本語教育データベースの構築、日本語教育、学習に関する情報提供事業も継続実施しております。こういうふうに、移管の後も、旧国語研の日本語教育基盤情報センターから引き継いだ事業については着実に実施をされているというふうに認識をしております。
○馳分科員
政府は、移管後も日本語教育に関する調査研究、資料の作成、公表等の業務が維持拡充されていると判断しますか。その根拠とともにお示しください。
○笹木副大臣
移管後の国立国語研究所において、移管前から実施されていた生活のための日本語の内容や評価に関する研究継続はもちろんですが、大学共同利用機関法人としての特徴を生かした幅広い学問領域と連携をして、日本語教育に関する多様な問題について実証的な研究を行うプロジェクト、こうしたものも新たに開始されております。こうしたことも踏まえれば、日本語教育に関する調査研究、資料の作成、公表等の業務が移管後着実に実施をされている、そして今お話しした新たな事業も実施をされている、こういう現状です。
○馳分科員
大規模な調査研究など事業性の高いプロジェクトを大学共同利用機関法人の枠組みの中で実施することに制度上の制約や限界があると思っていますか。それとも、そうではなくて、今のままでも十分だとお思いですか。
○笹木副大臣
旧国語研の日本語教育基盤情報センターから引き継いだ事業については、予算、人員、プロジェクトの内容の面で、先ほどからお話をしていますように、着実に実施をされている、新たな事業もやっている。このように、大学共同利用機関に移管をされた国立国語研究所において、移管後も、国語の改善や国語政策に積極的に貢献するという観点から、国語に関する総合的な学術研究は着実に推進をされている。制度上の制約や限界があるとは、今のところ把握をしておりません、認識をしておりません。
○馳分科員
この独法改革のときに修正案を私ものんだということは、まさしく今笹木副大臣がおっしゃっていただいた心配があったんですね。大丈夫かな、組織が変わって、この調査研究、こういった機能が失われたり縮小していくんじゃないのかなという心配があって、修正文や附帯決議をつけたんですね。老婆心ながら、当時は、「国の機関とすることを含めて」、あえてこういうふうな文言を載せたんですよ。その真意というのは御理解いただけると思うんですね。二年目を迎えようとしておりますので、国の機関とすることを含めての組織のあり方について抜本的に検討する、ここは政治判断もあると思うんですが、今ほどずっと副大臣の答弁を伺っている限りにおいては、心配がないのかなと私も判断しましたが、ここは、「国の機関とすることを含めて」とある中で、今後の組織のあり方についての見解をちょっとお示しいただければありがたく存じます。
○高木国務大臣
御指摘の点については、委員は非常に詳しい法案審議の過程も承知をした上ですけれども、この独立行政法人に係る改革を推進するための文部科学省関係法律の整備等に関する法律の附則第十五条、つまり、「国は、国語に関する調査研究等の業務の重要性を踏まえ、当該業務の人間文化研究機構への移管後二年を目途として当該業務を担う組織及び当該業務の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」ということでありまして、この移管後二年というのは平成二十三年十月一日、こうなっております。したがいまして、我々としても、移管後の業務の状況について検証していく予定としておりますし、組織のあり方についても、この検証を踏まえて、外部の有識者などの意見もお聞きしながら検討してまいりたい、このように思います。
○馳分科員
実は、私、あえてこの質問の順番を変えたのは、ちょっとだけ説明させてください。リーマン・ショックの後に、我が国で働いておられた日系外国人の皆さん方が職を失う、特に派遣の方も多かったりして、では今後の生活をどうしようかとなったときに一番最初にぶち当たった問題が、日系外国人の日本語の問題だったんですね。つまり、再就職しようにも入り口で、手続からしてわからない、どこに相談へ行っていいかわからない。
当然、日系外国人は家族を連れて日本に来られておりますから、その子供たちの教育環境も、仕事がなくなったので、外国人学校に高いお金を出して行かせることはできなくなった。そうかといって、では、地域の小中学校には当然通うことはできますが、行かせたらいじめられて、いられなくなった、そして学校に通わなくなってしまった。そうすると、今度、日本ならば高校進学の問題がありますけれども、高校進学すらしない、できない現状になって、そういう方々が、特に定住外国人集住都市と言われる、これは大体三十ほどございますけれども、ちょっと社会問題になりましたね。
そのときに、日本語教育についてのメッカというか組織的な母体がしっかりしていて、その上で、関連する、厚生労働省関連、経済産業省関連、法務省、外務省関連、そういった手続等、あるいは情報のセンターとしての機能が一つ必要なのではないかなというふうな議論が大変多くあったんですね。
そういう背景の中で、私も当時、独法改革、自由民主党としても行政改革の必要性は十分認識している中で、ばっさりと断ち切るような形だったんですが、鈴木副大臣も御存じのように、お互いに話し合いの上で、この機能はやはり残していかなきゃいけないねということで、こういう形で移管をしたという経緯がございます。
そこで、また質問に戻りたいと思います。
平成二十二年八月三十一日に、日系定住外国人施策推進会議から、日系定住外国人施策に関する基本指針なる政府文書が公開されています。この文書は、関係府省庁の副大臣が策定したものであり、民主党政権の基本姿勢を明確に示すものであります。
「単に定住を認めるだけに留まらず、日系定住外国人を日本社会の一員としてしっかりと受け入れていくべきであり、そのための方策を考える必要がある。」と明言し、次の五つの基本指針を挙げています。一、日本語で生活できるために、二、子供を大切に育てていくために、三、安定して働くために、四、社会の中で困ったときのために、五、お互いの文化を尊重するために。
この政府文書は、我が国の外国人政策の歴史から考えて画期的なものであると高く評価したいと思います。外国人の受け入れは日本社会の将来を大きく左右する重要な問題であり、このような認識のもとに、以下の質問をいたします。
この政府文書では、「基本指針に盛り込まれた事項については、各府省庁で検討を行い、平成二十二年度末を目途として策定する行動計画に反映させることとする。」と明記されています。その後、行動計画の策定がどこまで進んでいるのでしょうか、進捗状況をお伺いいたします。
○高木国務大臣
昨年八月に日系定住外国人施策推進会議が策定しました基本指針では、いわゆる定住外国人の日本語習得のための体制整備、子供の公教育を受ける機会の保障などが盛り込まれております。これに先立って昨年の五月に我が文部科学省で取りまとめた、定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会の意見を踏まえた政策のポイントでは、まず第一に、日本語指導の充実を図る、第二に、公立学校に入りやすい環境を整備する、第三に、外国人学校における各種学校、準学校法人化を促進する、この三つについて、そのほかもありますけれども、これに取り組むことにしております。これらは、今年度中に策定する日系定住外国人施策に関する行動計画にぜひ盛り込んでまいりたい、このように思っております。
○馳分科員
「行動計画に盛り込まれた事項のうち新たな施策については、外国人に係る住民基本台帳制度のスタートを」、これは予定されているのは平成二十四年夏でありますが、「目処として本格実施を目指すこととする。」と書かれています。ここに書かれている新たな施策として、どのような施策が検討されているのでしょうか、途中経過だけでもお聞かせください。
○岡田政府参考人
御指摘のとおり、基本指針には、行動計画に盛り込まれた事項のうち新たな施策について、外国人に係る住民基本台帳制度のスタートを、二十四年夏でございますが、目途にして実施を目指すこととしているということを記載してございます。これは、日系定住外国人施策を今後具体化するに当たって、中には、新しい項目につきましては検討に時間がかかるというものもあるということから、時間的な余裕ということで、平成二十四年を一つの目安として考えたらどうかということを示したものでございまして、具体的に、こういう施策を、あることを想定して、念頭に置いて決めたものではございません。
行動計画につきましては、先ほど大臣から御答弁がございましたけれども、今年度末を目的に今作業をしておりまして、内閣府として今、関係省庁からいろいろとお話を聞いたりするというようなことを通じて、検討を進めているところでございます。そういうことで、現段階では関係省庁と調整中でございますので、現段階ではなかなか申し上げる事項がないということについて御理解いただければと思います。
○馳分科員
「日本に定住し、日本社会に受け入れられるためには、日本社会におけるコミュニケーション手段である日本語をしっかりと習得することが必要である。」と書かれています。では、現在、日本に定住している外国人の日本語能力はどの程度であるのか、日本語の習得状況はどうなっているのか、定住外国人は日本語習得に当たってどのような困難に直面しているのか、このような基本的な事項についての調査データがあればお示しください。
○笹木副大臣
国立国語研究所が実施した調査で、我が国に定住する外国人約千六百人にアンケートを実施して、その結果ですが、日本語について、読むことに関しては、全く読めないとか、平仮名と片仮名、易しい漢字しか読めない方が五割、書くことについては、全く書けない、平仮名と片仮名、易しい漢字しか書けない方が六割、話すことについては、全く話せないか、日常的なあいさつ、あるいは簡単な表現しか話せない方が五割、こういう結果となっています。あと、いろいろ悩みですとかそういう不満、あるいは問題点ということですが、母国語で学べる学校とか教室がない、それから、都合のいい場所や時間に日本語学校、教室がない、あるいは、これはアンケートの結果ですが、勉学に充てる時間がない、そうした回答が多いわけです。
母国語ができる人によって日本語学習の指導者をということで、今、そういう奨励とかは一生懸命している状態です。あと、委託をふやしていろいろな場所で、場所の問題があります、それから時間の問題、いろいろな場所で日本語の教室を開けるようにしたい、今そういう取り組みをやっている最中です。
○馳分科員
国として今後取り組むべき施策の一つとして、日本語教育の総合的な推進体制の整備を挙げています。具体的にはどのような施策を考えているのか、政府の方針をお聞かせください。
○笹木副大臣
我が国に在住する外国人に対する日本語教育については、関係する府省でいろいろな取り組みがあるわけですが、全体として効果的に実施ができるようにということで、総合的な推進体制を整備することが必要だと思っております。文化庁で、関係府省の実務者を集めて、政府の取り組みについての現状そして課題を整理していく、日本語教育関係府省連絡会議を開催しております。さらに、今後は、日本語教育について具体的な事業を行う関係機関、団体の参集を得て、日本語教育推進会議の開催、これは新年度に始めたいと思っております。さらに、さまざまな機関が保有している教材、資料、データ等の各種コンテンツを横断的に利用する、日本語教育コンテンツ共有化推進事業も実施していきたいと思っています。
先ほどのアンケートの結果の中で、御紹介を先ほどし忘れましたが、どこに問い合わせしたら、どこに当たったらそのヒントが得られるかわからないというのも、一〇%台だったと思いますが、そういう答えもあります。これは、文化庁のホームページとかそういうところを通して、無料でそういう仕事も始めていきたいと今取り組んでいるわけです。
○馳分科員
副大臣、それはいいと思いますね。やはりデータベース、どこからでもアクセスできて、だれでも利用することができる情報の一元化、私はそれは本当に大事だと思います。今副大臣がおっしゃった日本語教育関係府省連絡会議、その活動内容を具体的にお知らせください。
○笹木副大臣
この関係府省連絡会議は、昨年七月に設置をしております。今まで、現状の把握、課題の整理ということで情報交換を行っているわけですが、七月と九月、二回開催をしております。関係省庁、内閣府、総務省、法務省、外務省、厚労省、経産省、文科省。日本語教育の総合的推進と日本語教育関連施策について、まずそれぞれ説明をし、課題を整理していこうということです。
○馳分科員
「地域の日本語教室や日本語学校等における教育体制の充実を図る。」とも書かれていますが、地域の日本語教室ではどのような問題が起きていますか。それに対してどのように対応しようと考えていますか。また、日本語学校などの教育体制についてはどのような施策を考えていますか。
○笹木副大臣
平成二十年一月の文化審議会小委員会の報告において指摘もされているわけですが、外国人の日本語教育の学習内容、方法が確立をされていないという点、それと、今先生の御質問の中にもいろいろ最初にお話がありましたが、ボランティアに過度の負担を強いている結果になっているということ、これが指摘をされております。そういう指摘を踏まえて、文化庁では、外国人が日本で生活する上で最低限必要な日本語をちゃんと習得できるための標準的なカリキュラム案、その活用のためのガイドブックを作成しています。それと、日本語教室の設置やボランティア研修を行う、生活者としての外国人のための日本語教育事業、これを実施しております。
今後は、この日本語教室の設置等をさらに推進する、公民館であったり、日本語学校においてやっていただく、こういう設置をさらに推進する、ふやしていく、あと、カリキュラム案やガイドブックを踏まえた教材例の作成、周知を行っていきたい、それで体制の充実を図っていきたい、そういう取り組みをやっております。
○馳分科員
外国籍児童生徒の不就学は看過できない問題です。文部科学省も積極的に取り組んでいるところでありますが、不就学児の学習支援のために実施されている虹の架け橋教室事業は、これまでにどのような成果を上げたのか、その実績をお示しください。この事業をなお一層充実させるための方策を検討している場合には、その内容をお聞かせください。
○笹木副大臣
今委員からお話があった虹の架け橋教室、定住外国人の子供の就学支援事業、平成二十一年から実施されているわけです。自治体あるいは大学、NPO法人が実施をしている四十二の教室で千二百人の子供たちが学んでおります。虹の架け橋教室で日本語や生活習慣等の指導を受けて、公立学校にこれまでに百六十九人、ブラジル人学校等に二百二十四人が就学をしております。
この事業では、今お話をしたように、子供を学校へつなげるということとともに、地域の行事への参加とか社会見学、あるいは子供と保護者に日本社会と接する機会をふやしていく、そういうこともやっております。交通費の支給とかも含めてやっているということです。
あと、不就学の子供や保護者のいろいろな実態調査をしていて、なかなかそういうところにつながっていない。就学意識、就学をさせようとか、本人が就学しよう、そういう意識が弱い場合も結構見受けられる。これは、外国人集住都市会議とかでも指摘をされています。
そこで、この日本で学び活躍している、例えばブラジル等から来日して活躍している、そういう方の先輩に架け橋サポーターとして子供に体験談を話してもらったり、そうした将来の夢を引き出す取り組みも今始めたところです。
○馳分科員
ちょっと質問を離れるんですけれども、子供がどうやったら寄ってくるかというのは、いろいろな知恵が必要だと思いますね。長らく日本の学校制度の中で言われているように、給食があればやはりやってくるかもしれないし、あるいは、ブラジルといえばサッカーとか、あるいは、最近地方自治体でも協会ができてきていますけれども、カポエイラという民族格闘技、あるいは音楽とか、こういった言葉あるいは学校、やはりある程度子供たちが通ってきたくなるような仕掛けというのも必要だと思うんですよ。
ただ、行政的にホームページや、あるいは公民館や国際交流センターなどでこういう集いがありますからというパンフレットみたいなものを配って、さあ集まりなさいと言うだけでは、なかなか集まってきたがらない。特に、思春期の子供たち、また、高校進学を断念せざるを得なかった、何となく町でうろうろしていなければならない子供たちは、そのままにしていいわけがないわけですね。その子供たちがまず集まってくる、そこでコミュニティーができて、それを育てていこうとするところに行政の責任があるのかなと私も思いますので、工夫のほどをお願いしたいと思います。
次の質問に入ります。
外国籍の児童生徒の教育に関しては、日本語指導に携わる教員の養成が必要です。現行の教員養成課程の中に日本語教育科目を必修科目として加えることも検討されるべきであります。日本語指導教員の養成についての見解と増員に向けての方策を伺います。
○高木国務大臣
御指摘の点については、現在、中央教育審議会で教員の資質能力の向上方策について議論をされております。その中で、例えば、外国人児童生徒に対する教育などに関して、専門性を公的に証明する専門免許状、これは仮称ですけれども、こういったものをつくってはどうかということについても、今後検討する際の論点になります。
また一方、研修については、独立行政法人の教員研修センターでは、日本語指導の指導者を養成するための研修が行われております。四日間のコースで約百名の受講者が対象になっております。
私どもとしましては、中央教育審議会の審議も踏まえて、今後とも日本語教育指導教員の養成、そしてまた確保に努めてまいりたいと思います。
○馳分科員
教員養成についての考え方というのは、私も大臣と全く一緒ですね。養成段階、よりハードルを高くせざるを得ないな、そして採用、それから採用された後の研修、また、信賞必罰といいますか、頑張っている教職員をしっかりと褒めたたえて、給料もちょっと上乗せしてやる、そういった姿勢を文部科学省が毅然としてとる必要があると思うんですよ。そんな中で、日本全国の小中学校で外国人の児童生徒を受け入れることができる、である以上は、やはり配置される教職員に対して、一定の基礎的な知識、対応能力、専門能力はそんなに高くなくても対応能力ぐらいはないと、自分のクラスにそういう児童生徒がいたら、何となく、ちょっとおっかなびっくりに対応してもらっては困るじゃないですか。そういう意味での基礎的な科目としても、日本語指導はどうあるべきかと。
自分の手に負えないこともある、そういうことはあるんですよ。でも、そういうときにはどこにつなげばいいのか、次にどうしたらいいか、だれに頼ればいいかということが、教職員には、管理職が理解をしていれば、うまくつないでいくことができると思うんですね。私は、その辺の配慮というものも、この中教審の議論を見守りたいと思いますが、大臣にもそういう意味でのリーダーシップを発揮していただきたいとお願いを申し上げます。
次の質問に移ります。
定住外国人が安定して働くためにも、就職に必要な日本語能力の習得が必要です。その観点から、厚生労働省が平成二十一年度から実施している日系人就労準備事業のこれまでの成果及び問題点をお示しください。
○生田政府参考人
日系人の求職者の方の再就職を支援するために、就労への意欲は高いですけれども日本語コミュニケーション能力が十分じゃないようなことで安定した就職ができない方に対しまして、日本語コミュニケーション能力の向上ですとか、あるいは履歴書の作成などを指導する就労準備研修につきましては、平成二十一年度に事業を開始しておりますけれども、この二月十八日現在で、全国で八百三コース、それから延べ一万二千五百五十七人の方が受講されています。初年度につきましては、研修修了後一カ月で見まして、研修修了者の三五%の方が再就職をされておりまして、一定の成果は上がっているんじゃないかというふうに認識しております。ただ、昼間のアルバイトとの両立が困難であるということですとか、あるいは授業についていけない方がいらっしゃるということなど、そういう理由で中退する方がいらっしゃるということが最大の課題であるというふうに考えてございます。
そのために、平成二十二年度から、まず、土曜、日曜ですとか、あるいは夜間コースというのを積極的に設定しようということ、それから、習熟度の差に配慮いたしまして、補助教員を配置するといったような工夫をするということでございまして、これからも効果的な事業ができるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
○馳分科員
生田さん、何で平成二十一年度からこの就労準備事業が始まったと思いますか、その社会的背景を含めて。今後の継続がやはり必要ですよ、充実も。そのことをちょっとお答えください。
○生田政府参考人
今委員から御指摘ございましたように、リーマン・ショックの後、大量に日系人の失業者の方が出まして、ハローワークの窓口も日系人の失業者の方であふれ返ったということがございます。以前のベースと比べまして十倍以上の方の求職者が来られて、就職をするのに、やはり日本語能力がないとなかなか就職できないという現実がございましたので、二十一年度からこういった事業を始めてございます。今後とも、日系人の方が就職するためには、やはり日本語能力がないとなかなか厳しいというのが現実でございますので、こういった事業につきましては着実にやっていきたいというふうに考えてございます。
○馳分科員
この問題は、総括的に私からも意見を申し上げて、大臣の見解を伺いたい。日系人、また定住外国人の方々が、日本において生活をすることができるわけですよね。そうすると、生活言語、学校言語、それから就職、仕事をするための専門的な言語、それと、今般の地震じゃないですけれども、何かあったときの緊急言語というか、こういった意味で、当面生活していく上で必要な日本語習得のためのチャンス、場所、それを指導する人、それを我が国の政策として統括する場所、こういうふうな一貫的な政策の進め方が必要なのだろうなと思うんですよ。
来年夏から始まる定住外国人に係る住民基本台帳制度、これで恐らく、大体、その定住外国人がどこに住んでいて、幾つぐらいで、どういうふうな行政のサポートが必要かということを一貫して理解していくことができるようになる。また、提供できるサポート体制も飛躍的に充実すると思うんですが、それに備えた、特に日本語指導の充実、そのための体制の整備をぜひお願いしたいということなんです。
改めて、大臣の決意を伺いたいと思います。
○高木国務大臣
確かに、定住外国人、これは、子供だけではなくて、大人に対する日本語の指導についても私どもは重要だと思っておりまして、いわゆる能力評価の基準とか標準的なカリキュラム及び教材を作成するとともに、これらの周知徹底そして活用について今後とも充実を図っていきたい、このように考えております。
○馳分科員
私、ちょっと友達が静岡刑務所に入っておりまして、あそこは初犯の方が入るところなんですが、慰問に行ったときに、せっかくだから、刑務所の職員の皆さんといろいろと懇談をさせていただいたんですね。一割が外国人の方でありました。刑務所ですから、もちろん少年刑務所とは違うんですけれども、せっかく日本が政策的に定住外国人、日系外国人を受け入れているにもかかわらず、生活をするに当たって十分なサポート体制ができていないということがこういった数値にもつながっているので、やはり、馳さんも国会議員として、こういう実態も踏まえた対応をお願いしたいということ、私も非常に印象的に覚えておりまして、改めて、これは文化庁といったらいいんですか、日本語教育指導についてのリーダーシップを期待するということを申し上げて、次の質問に移ります。
教職員のうつ病対策でありまして、私、地元石川県の北国新聞の昨年の八月十三日の記事を参考にして、全国的な傾向とは思いますが、石川県でもやはりそうでした。〇九年度、うつ病などの精神疾患で休職する教職員が過去最多、この十年間で八倍ですか、伸びている。そして、休職期間の長期化、あるいは休みがちな予備軍も増加傾向にあるということであります。
この方々、教職員として大事な人材ですよね。職場復帰支援プログラムはどういうふうになっているのかな、そして、これは国も支援していただいているのかな、ここに着目をして、私はきょう集中してお伺いしたいと思います。
では、まず最初に、ちょっと時間がありますので、これは鈴木副大臣に聞きましょう。
もし鈴木さんが中学校の教員だったとして、うつ病になって、二カ月なり半年なり休まざるを得なくなった、こういうふうになったときに、職場に復帰するときに、どういう不安があって、それをどういうふうに解消したら職場に復帰できるか、率直にどう思われるか、お聞きしたいと思います。
○鈴木(寛)副大臣
そういうことで一回職場を離れるわけでありますから、やはり再度復帰するといったときにはかなり心理的な、心配というんでしょうか、職場にもう一回、雰囲気になれて戻れるだろうかというところがポイントなのかなというふうには思います。
○馳分科員
これは、私学はさておいて、公立を中心に話をしますが、実際に、職場に復帰できない、させられない、そういう教職員はどのぐらいいるんですかね。いないはずがないんですね。どのぐらいいるものなんですかね。それを、統計の数字がわかりましたら、ちょっと教えていただけますか。
○鈴木(寛)副大臣
私ども、休職者数は把握いたしておりますが、復帰できないというのも、これまた、期間をどういうふうに決めるのか、こういう定義の問題もあろうかと思いますが、復帰できないという観点での調査は、今のところ持ち合わせておりません。
○馳分科員
僕は、そこも今後一つの課題だなと思って聞いたんですね。「精神疾患の療養を理由にした休職は最長三年間まで認められ、給与は一年目は八割、二年目以降は無給になっている。」という記事を私は参考にして申し上げさせていただきました。
そうすると、三年間までは身分保障で守られているのかな、一年目は八割、二年目以降は給料はないんだな、でも、籍はちゃんと三年間は守られているんだなと。多分、この辺を少し基準にして、当事者、本人も考えるだろうし、その休職している教職員の担当医師もそういうことを踏まえた対応をしたり、あるいは所属している教育委員会もそれを踏まえた対応をしているんだろうというのは当然だと思うんですね。
ここは、僕は何度も言いますけれども、やはり教職員は現場にとっての宝物ですよ。できるだけ復帰させてやりたいし、そのための支援をしなければいけない。そのときに、かゆいところに手が届くような支援になっているのかなというところなんですね。交通事故に遭って入院して、休んで復帰するというのとは意味が違うじゃないですか。教育現場での精神疾患というのは、これは大きな影響があるわけですね。
だれに影響があるのかなと私も考えたら、まず、教員自身、本人に影響がある。それから子供たち、授業を見ているわけですから、子供たちに影響がある。それから、子供たちを預けている保護者に影響がある。それから、ある日突然いなくなるわけですから、同じチームであるほかの教職員にも影響がある。それから、管理している、当然、管理職である校長にも影響がある。そして、こういう教職員がふえればふえるほど、教育委員会としても、町の評判になりますよ、これは。当然、人の手当てもしなければいけなくなりますから、これはさらに心配事がふえていく。こういうふうに、どんどん影響が連鎖してくるんですね。
そう考えると、今やっている政策の中で、復帰をさせることができた、でも残念ながら復帰ができずに離職をせざるを得なかった、その実態というものは、調査し、分析して、その分析した成果というものは文部科学省としても持っておく必要があるのではないかなと思うんですね。いかがでしょうか、鈴木副大臣。
○鈴木(寛)副大臣
一義的には人事権は都道府県教育委員会でございますが、この問題は、全国的にも、どの県においても大変重要な課題になっております。ということも含め、またきょうの御議論も含めて、都道府県教育委員会とも相談をしてまいりたいと思います。
○馳分科員
これは去年の八月十三日の地元の新聞ですから、私も、同級生が、県の教育委員会や教員研修センター、あるいは小学校、中学校、高校の教員として現場におります。友達ですから、みんなに電話をしたり、会って確認をしてまいりました。そして、県の教育委員会にもいろいろ伺ってきましたら、教員研修センターにいる私の同級生が、そんなのあったかな、あれ、どうなっていたかなという対応だったんですよ。そうか、そういう意味では、一般職員にとってはそんなにポピュラーな話じゃないのかなと思いながらも、さらに調べてみたら、先週、県の方から資料をいただきまして、休職の問題に関する県の施策の概要ということで、ちょっと申し上げますよ。
研修会、セミナー、一、管理監督者向け教職員健康管理指導者研修会、平成十五年から。中堅職員向けのメンタルヘルス支援セミナー、平成十八年から。その授業を見てみたら、たった一日の研修なんですよ。大学の先生とか、県の労働者健康福祉機構の石川産業保健推進センターの副所長さんが来て、講演して終わりなんですよ。あるいは、中堅職員向けのにしても、元気力アップの講演、それからコミュニケーションの演習、実技、ストレッチ。これは一日で終わっているんですよ。これで十分復帰支援プログラムとして休職対策になるのかなと私は不安に思いました。
さらに、研修センターの友達に電話して聞いたら、そういえば電話があったぞと。「はあとダイヤル」というのがあるんですね。電話相談をやっているんですよ。受け付けが、月曜から金曜の午後三時から午後七時まで。これは平成二十一年の九月一日からやっているんだということでありました。
職場復帰支援プログラムとしてのきめ細かなサポートは、多分、このほかにもやっているんでしょうけれども、県の教育委員会、人事管理者としての認識が余りにもお粗末だなと正直私は思いました。
精神疾患です。公立学校の教職員です。何とかして現場に戻してやらなければいけないということを考えれば、原因がどうであったか、どのぐらいの期間かかったか、担当の精神科のお医者さんとの関係性はどうか、その教職員はどういう家族構成か、家族の問題もあるのではないのか、それから原因にしても、子供との関係なのか、保護者との関係なのか、職場の同僚との関係なのか、管理職との関係なのか、またそのほかなのかということ。
そういうことを考えると、石川県で今四十五人という数字が出ていましたが、これは、一人一人に、何かあったら来いよというのじゃなくて、一人一人の教職員に対して、出かけていって、どうなんでしょうか、職場復帰するためには何が必要と思われますかというふうな、そういう支援プログラムがあったり、その先生の専門教科についての研修があったり、学級経営についての研修があったり、そういうきめ細かい対応をしてあげる必要があるんじゃないかなと私は思いました。
復帰支援プログラムというのは、多分、都道府県によって、人事管理者によってそれぞれやっておられるとは思うんですが、何としてもこの方々、一度は、免許を取って、試験に受かって、現場に配属をされている方々で、若い人ばかりではないじゃないですか。そうすると、ベテランであろうとも起こり得る問題と考えれば、いろいろな精神疾患による、うつ病等々による休職者に対する復帰支援プログラムのサポートを、私は、文科省としてもぜひとらえて、推進してほしいなと思って、きょうこういう質問をしているんですね。
長くしゃべりましたが、大臣か鈴木副大臣、ちょっと考えをお聞かせください。
〔主査退席、大串主査代理着席〕
○鈴木(寛)副大臣
問題意識は全く共有をいたします。私は東京なものですから、東京の場合は、この問題の深刻度合いというのも強いということもあるのかもしれませんけれども、まず、復帰の以前に、ストレス検査を二十三年から健康診断項目に入れるとか、それから、残念ながらそうした休職状態になった教員の復帰プログラムに関しては、一カ月から三カ月以内の期間で、それぞれの教員に応じて、しかも、教育委員会が主体者でありますけれども、直営の病院等々も、公立学校共済組合の直営病院の協力などもいただきながら対応しているという事案もございます。
ですから、おっしゃるように、かなり都道府県によって対応あるいはその中身が違うのかなということを今のお話を伺いながら思いました。
したがいまして、やはり、委員おっしゃるように、これはすべての教育委員会所属の教員に対して、より復職支援プログラムを充実させるということは大事でありますから、これまでもいろいろ、各県が何をやっているのかという概要は調査をいたしまして、九四%ぐらいの教育委員会では何らか、石川県も含めて、やっているということでございます。その内容、結果、そしていろいろないい事案というもののフィードバックはやっております。
それから、通知ということでは、管理職に対してこういう意識をきちっと持ってくださいということを、そして教育委員会については、復職時の支援体制を整備してくださいという通知は出していますけれども、きょうの御議論もございましたので、各県、ないところはまずちゃんとやってもらう、それから、あるところでも、やはりこの問題は重要でありますから、きちっとレベルを上げていただくということに国もきちっとかんでやっていくということが必要なのかなというふうに、今、聞かせていただいて考えているところでございます。
○馳分科員
スクールカウンセラー、子供たちの心の相談相手、同時に、教職員の心の相談相手というのは必要なのかなと。私は、出身が石川県の星稜高校、学校法人稲置学園なんですが、大学側が大学の予算、人件費で、まさしく教職員も含めて学生を相手のいわゆるスクールカウンセラー、大学ですからメンタルトレーナーみたいなものを雇用したんですね。抜群な効果を発揮しているということで、なるほど私学らしいなと思っておりました。
最近、私の好きなアメリカのドラマで「グリー」というのがあるんですけれども、あれを見ていると、学校にいるメンタルトレーナーというのは、子供たちのカウンセリングもするし、教職員のカウンセリングもするという非常にポピュラーな存在でもありますね。
特に、教職員であるがゆえに、うつ病、精神疾患になることはあります。私だってもしかしたら、どういう状況で、いつなるかもわかりません。そういったときに、行政の届け出制みたいな感じではなくて、教職員に対する常にきめ細かい対応としても、すぐにかゆいところに手が届く、そういうメンタルトレーナーを派遣したりする一つのやり方もあるでしょうし、基幹校にメンタルトレーナーを配置するということもあるかもしれません。大事な人材としての教職員を失うことのないように、今後とも対応をお願いしたいと思います。
これにて私の質問を終わります。
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(常任委員会 → 予算委員会の会議録 → 予算委員会第四分科会 2月25日 第1号 )