医療関係職種における籍訂正申請に課される登録免許税の見直しに関する質問主意書


下記の質問主意書を提出する。

平成二十四年十一月二日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 医師、歯科医師、薬剤師などの医療関係職種の免許に関して、これまで名簿や住所等登録事項の変更が生じた場合、訂正申請にあたり、登録事項一件につき千円の登録免許税が賦課されてきた。ところが、登録免許税の取扱いの審査請求に対する国税不服審判所の裁決を受け、厚生労働省はこれまでの登録免許税に関する計算方式を改め、訂正する登録事項の数に関わらず、一通の訂正申請に対し千円の登録免許税を賦課する方式に見直された。

上記を踏まえ、次の事項について質問する。

一 今般、厚生労働省が医療関係職種の登録事項の変更に関する登録免許税の取扱いを見直した理由について示されたい。 

二 平成二十四年五月九日付の国税不服審判所の裁決において、これまで厚生労働省が主張していた、医療関係職種の登録事項変更の件数が登録件数になる旨の考えが否定されたことについて、どのような認識をお持ちか、見解を示されたい。 

三 国税不服審判所の裁決以前において、医療関係職種である、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士、歯科技工士、歯科衛生士、救急救命士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師の免許と、同じ厚生労働大臣免許である理容師、美容師の免許とで、登録事項の変更に関する登録免許税の計算方式が異なっていたが、その理由を示されたい。 

四 医療関係職種の免許で、複数の登録事項の変更を一通の申請書で行った場合に賦課される登録免許税を千円ではなく、千円に登録事項の変更箇所数を乗じたものとしていた期間を示されたい。また、それにより過大に納税された件数と過大に納税された金額を免許別に示されたい。 

五 誤って賦課された過誤納金の還付請求に関して、遡って請求することが出来る期間を籍の訂正登録が完了した日から五年間と定めたが、その根拠について明らかにされたい。 

六 厚生労働省が示していた誤った計算方式に従い、過大に納税した者に対し、過誤納金を還付する旨の通知、周知はどのように行われているのか、示されたい。 

七 還付請求の届け出が無かった分の過誤納金に関しては、どのような取り扱いをするものとお考えか、見解を示されたい。 

八 行政の誤った指示が原因で、過大に納税を強いられたにも関わらず、申請をしなければ過誤納金が還付されないというのは、行政の怠慢にあたるのではないか、政府の見解は如何。

 以上質問する。



衆議院議員馳浩君提出
医療関係職種における籍訂正申請に課される登録免許税の見直しに関する質問主意書
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質181第23号
平成24年11月13日

内閣総理大臣                  野田 佳彦

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 医療関係職種における籍訂正申請に課される登録免許税の見直しに関する質問 に対する答弁書

一及び二について

 医療関係職種に係る籍又は名簿 (以下 「籍等」 という。) にする登録事項の変更の登録に課される登録免許税の課税標準については、登録免許税法 (昭和42年法律第三十五号) 別表第一において 「登録件数」 と規定されており、一通の籍等の訂正申請書により、一つの登記等の区分内において複数の登録事項の変更の登録を受ける場合の 「登録件数」 については、厚生労働省においては、従来、変更する個々の登録事項の件数の合計として取り扱ってきたところであるが、平成24年5月9日国税不服審判所裁決により、薬剤師名簿にする登録事項の変更の登録について、この場合の 「登録件数」 は、一件となる旨の考え方が示されたことから、同省としては、当該裁決を真塾に受け止め、今般、各都道府県衛生主管部(局)長に対して、「医療関係職種の籍又は名簿の訂正申請に課される登録免許税の課税標準である登録件数の取扱いについて」 (平成24年6月12日付け医政医発〇六一二第一号・医政歯発〇六一二第一号・医政看発〇六一二第一号・薬食総発〇六二一第一号厚生労働省医政局医事課長、歯科保健課長及び看護課長並びに医薬食品局総務課長連名通知。以下 「通知」 という。) を発出し、医療関係職種に係る籍等について、一通の籍等の訂正申請書により、一つの登記等の区分内において複数の登録事項の変更の登録を受ける場合の 「登録件数」 については、一件として取り扱うこととする見直しを行ったものである。

 

三について

 お尋ねの医療関係職種並びに理容師及び美容師に係る籍等にする登録事項の変更の登録に課される登録免許税の課税標準である 「登録件数」 については、それらの資格に係る籍等にする登録が登録免許税 (昭和42年7月31日以前にあっては、登録税。四についてにおいて同じ。) の課税対象とされた経緯の違い等により、その厚生労働省における取扱いに相違が生じていたものである。

 

四について

 「期間」 についてのお尋ねの趣旨は、医療関係職種に係る籍等について、一通の籍等の訂正申請書により、一つの登記等の区分内において複数の登録事項の変更を受ける場合の 「登録件数」 (登録税にあっては、「毎一件」 ) について、変更する個々の登録事項の件数の合計として取り扱っていた期間を問うものと解されるところ、当該期間は、各医療関係職種に係る籍等にする登録がそれぞれ登録免許税の課税対象とされてから一及び二についてで述べた 「登録件数」 の取扱いの見直しを行うまでの間である。

 また、お尋ねの 「過大に納税された件数」 及び 「過大に納税された金額」 については、いずれも把握しておらず、お答えすることは困難である。

 

五について

 過誤納金に係る国に対する請求権は、国税通則法 (昭和37年法律第六十六号) 第七十四条において、「その請求をすることができる日」 から5年間行使しないことによって、時効により消滅する旨が規定されており、本件における「その請求をすることができ各日」は、籍等の訂正の登録を受けた日と解されることから、一及び二についてで述べた 「登録件数」 の取扱いの見直しによる過誤納金の還付を請求することができる期間は、籍等の訂正の登録を受けた日から5年を経過する目までであることを、通知により、お示ししたものである。

 

六から八までについて

 厚生労働省においては、過誤納金が生じた者の現在の住所等の連絡先を把握していないことから、登録免許税法第三十一条第二項の規定による請求をしていただくことにより、過誤納金の還付に関する手続を行うこととしたものであり、当該請求をしていただけない場合には、過誤納金の還付に関する手続を行うことは困難である。このため、同省としては、当該請求が円滑に行われるよう、一及び二についてで述べた 「登録件数」 の取扱いの見直しについて、同省のホームページに掲載するとともに、各都道府県や医療関係団体に対しても周知を依頼しているところであり、引き続き、可能な限り周知に努めてまいりたい。


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