サイバー攻撃に関する質問主意書


下記の質問主意書を提出する。

平成二十四年七月六日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 国際ハッカー集団「アノニマス」について、日本の政府機関や政党などが被害を受けたサイバー攻撃に関わっているとされる。ウェブサイトに大量のデータを送りつけ通信障害を引き起こすDoS攻撃や、システムへの不正侵入による内容改竄などの攻撃を受けた。昨年、衆参両院や政府機関、企業などを狙ったサイバー攻撃により重要情報が窃取されるという事態が起きたことからもサイバー攻撃は安全保障や危機管理上の重要問題であり、情報セキュリティー確保の為の基盤整備が急務と考える。以上を踏まえ、次の事項について質問する。 

一 今回の政府機関や政党などを狙ったサイバー攻撃とアノニマスとの関連性について、政府はどのように認識しているか、見解を示されたい。 

二 犯行声明を出しているアノニマスはどのような集団・組織と認識しているか、政府の見解を示されたい。 

三 今回の政府機関、政党などを狙った複数のサイバー攻撃の目的について、政府はどのように分析しているか認識を示されたい。 

四 今回のサイバー攻撃に対し、警視庁が捜査に乗り出す方針を固めたとされるが、一般的にサイバー攻撃は攻撃元の犯人特定が困難であり、また海外からの攻撃に対して国境を越えた捜査が必要なことから、これまでも摘発検挙が充分行われてきたとは言えない状況にある。今回のサイバー攻撃に対して政府はどのような対応を行っていくのか見解を示されたい。 

五 アノニマスは、今後更なるサイバー攻撃を仕掛ける声明を出しているとされるが、予測されるサイバー攻撃の脅威に対し、どのような対策を考えているか、見解を示されたい。 

六 サイバー攻撃は国家安全保障、国防上の重要課題であり、より組織化、巧妙化する攻撃に対応していく為にも、情報セキュリティー対策に必要な法整備、組織整備が必要ではないか、政府の見解を示されたい。 

 以上質問する。 



衆議院議員馳浩君提出
サイバー攻撃に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質180第330号
平成24年 7月17日

内閣総理大臣                  野田 佳彦

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 サイバー攻撃に関する質問 に対する答弁書

一及び三について

 御指摘のサイバー攻撃 (以下 「今回のサイバー攻撃」 という。) については、アノニマスと称する者が、著作権法の一部を改正する法律 (平成24年法律第四十三号) の内容を批判していると思われる主張とともに、サイバー攻撃を行うことを示唆する内容をウェブサイトに掲載し、その後、政党等のウェブサイトに対する閲覧要求等の大量送信が行われるなどしているものであるが、現在警察において、その事実関係の確認を行っているところであり、お尋ねの攻撃目的やアノニマスと称する者との関連性についてはお答えを差し控えたい。

 

二について

 アノニマスと称する者が、これまでもウェブサイトにおいて様々な主張を行い、サイバー攻撃を行うなどしていると承知しているが、その実態の詳細についてはお答えを差し控えたい。

 

四及び五について

 政府においては、政府機関の情報セキュリティを確保するための統一的な基準となる 「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一規範」 (平成23年4月21日情報セキュリティ政策会議決定) 等を策定し、政府機関全体の情報セキュリティ対策の強化等を図っているほか、サイバー攻撃に対し迅速かつ的確に対処するため、各府省庁が業務において得たサイバー攻撃に係る情報を内閣官房に集約し、適時適切な情報の共有を図り、さらに、認知したサイバー攻撃の規模等に応じ、政府一体となった初動対処体制をとるなど、必要な措置をとることとしている。

 今回のサイバー攻撃については、現在警察において、関係者からの協力を得つつ、事実関係の確認を行っているところであり、その結果も踏まえ、適切に対処してまいりたい。

 

六について

 政府としては、情報セキュリティの確保は、国家の安全保障や国民の社会経済活動等にとって重要な課題であると認識しており、これまでも必要な法整備や組織整備等に努めてきたところであるが、引き続き必要な対策を進めてまいりたい。


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