放射性ラジウムの処理に関する質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十四年一月二十四日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 昨年十月、東京都世田谷区にて放射線数値が高い地域、いわゆるホットスポットが相次いで見つかった。その後の調査で、福島第一原子力発電所の事故とは無関係の放射性物質だということが発覚した。

世田谷区のスーパーの敷地内から見つかった放射性物質ラジウム226は調査後、掘り起し作業が行われ、回収されたが、このように出所不明の放射性物質が見つかった場合、その処理に膨大な手間と費用がかかることから、国としてどのような対応を取るのか注目されている。

以上を踏まえ、以下質問する。

 

一 現在、東京都世田谷区のスーパーで見つかったラジウムはどこで管理され、どのように処理されているか示されたい。 

二 地中から発見された放射性物質の調査や掘り起し、管理、処理について、所有者が不明の場合は全額その土地所有者の負担になることが明らかにされているが、現在までに試算されている処理費用の金額について、政府の把握するところを示されたい。 

三 放射性物質の処理に関し、高額な費用負担を身に覚えのない土地所有者にすべて押し付けることは、あまりにも乱暴で、個人の場合はとても対応出来ない。今後、国としてどのような対策を考えているか見解を示されたい。 

四 放射性物質が発見された土地、周辺商店、居住者に対する風評被害への対応について、どのような認識をお持ちか見解を示されたい。 

五 今後、個人の調査等でラジウムなどの放射性物質の存在が見つかった場合、その高額な処理費用負担や扱いの煩雑さを嫌い、届け出をせず不法投棄等が横行してしまうことも可能性として否定できないが、その対策について政府の見解は如何。 

六 今回の問題を機に、今後、土地購入などの際に、放射線量の数値を調べる検査も必要になってくるのではないか、政府の見解は如何。 

七 今後も各地でラジウム等の放射性物質が見つかる可能性はあると考えられるか見解を伺う。

 以上質問する。 



衆議院議員馳浩君提出
放射性ラジウムの処理に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質180第5号
平成24年 2月 3日

内閣総理大臣                  野田 佳彦

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 放射性ラジウムの処理に関する質問 に対する答弁書

一について

 平成23年10月に東京都世田谷区八幡山で高い放射線量が検出され、同年11月以降にその原因物質として掘り起こされたラジウム226 (以下「本件物質」という。) については、本件物質が発見された土地 (以下「本件土地」 という。) の所有者がその廃棄を依頼した放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号)第11条第一項に規定する許可廃棄業者の事業所及び本件土地上に建築された建物等の中において、放射線量の高いものについて鉛による遮蔽が行われるなどして、それぞれ保管されていると承知している。

二について

 本件物質に係る処理費用の試算額については承知していない。

三及び五について

 ラジウム226等の放射性同位元素が廃棄され、地中等から発見された場合であって、当該放射性同位元素の所有者や当該廃棄を行った者を確知できないときにおける、当該放射性同位元素の廃棄に係る国の対策の在り方については、今後の検討課題であると認識している。

四について

 御指摘の 「風評被害」 の意味するところが必ずしも明らかではないが、本件土地で本件物質が発見された際を含め、出所不明のラジウム226等の放射性同位元素が地中等から発見された際には、報道発表において当該放射性同位元素の放射線による影響等について正確を期して公表するなどの対応を行っているところであり、今後とも正確かつ丁寧な対応を続けていく考えである。

六について

 土地購入等の際に当該土地の放射線量の検査を行うかどうかについては、当該土地の購入者等の判断に基づくものであると認識している。

七について

 今後、出所不明のラジウム226等の放射性同位元素が各地で発見される可能性は否定できないと考えている。


馳浩の質問主意書メニューへ戻る


メールをどうぞ


ホームページへ