シー・シェパードによる日本の調査捕鯨船への妨害行為に関する再質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十三年五月二日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 前回質問主意書(内閣衆質一七七第一二二号)にて、日本の調査捕鯨船に対するシー・シェパードの妨害行為について政府の見解を質し、答弁を受けたが、更に具体的な内容を確認したく、再度以下の事項について質問する。

一 前回質問主意書の三に対する答弁「内閣官房を中心に関係省庁が連携し、これまでの妨害事例を検討の上、調査捕鯨船団の自衛措置の強化に対する支援を行う」とあるが自衛措置の強化とは、具体的にどのようなことが実行されたのか示されたい。

二 同じく前回質問主意書の三にて「調査捕鯨船団の船員等の安全を確保するために海上保安官が乗船する」との答弁を受けたが、海上保安官何名がどのような態勢で乗船したのか。また、それによりどのような効果があったと考えられるか政府の見解を示されたい。

三 報道によると、三月六日、豪警察が帰港したシー・シェパード抗議船のスティーブ・アーウィン号とボブ・バーカー号の二隻に対して強制捜査を行ったとされる。抗議船の一隻が豪船籍であることからも、豪の国内法で立件に踏み切れるかどうかが焦点とされているが、政府の見通しと見解について示されたい。

四 前回質問主意書の八に対する答弁で「公海上でのシー・シェパードの妨害行為を取り締まるための法整備は困難」との旨の見解を示されたが、それではシー・シェパードの妨害行為に対して「海賊対処法」適用の是非について政府の見解を示されたい。

五 前回質問主意書の九に対する答弁で「今後の捕鯨の在り方については、鯨類は重要な水産資源であり、科学的根拠に基づき持続可能な利用を図るべき」との考えを示されたが、昨今、鯨肉の需要が減少していることについて、その原因と政府の認識は如何。また今後の調査捕鯨への影響について見解を示されたい。

 以上質問する。 



衆議院議員馳浩君提出
シー・シェパードによる日本の調査捕鯨船への妨害行為に関する再質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質177第159号
平成23年 5月13日

内閣総理大臣                  菅 直人

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 シー・シェパードによる日本の調査捕鯨船への妨害行為に関する再質問 に対する答弁書

一について

 シー・シェパードを含む反捕鯨団体による妨害行為に対し、妨害行為を予防するための船舶の派遣、放水設備の改善等、調査捕鯨船団の自衛措置の強化に対する支援措置を講じたところである。

 

二について

 お尋ねの調査捕鯨船に乗船した海上保安官の態勢及び海上保安官の乗船による効果については、今後の調査捕鯨船団及びその乗組員の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

 

三について

 他国が行う捜査の見通しについては、政府としてお答えすべき立場にはないが、豪州連邦警察による捜査が、シー・シェパードによる不法な妨害行為の防止につながることを期待している。

 

四について

 シー・シェパードによる南極海鯨類捕獲調査へのこれまでの妨害行為は、海賊行為の処罰及び海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律(平成21年法律第55号)第2条に規定する海賊行為に該当するとは考えていない。

 

五について

 鯨肉の生産量及び輸入量並びに流通在庫量から推定される国内の鯨肉の消費量は、近年では、平成18年までは増加傾向で推移し、平成19年以降は減少しているが、その原因は明らかではない。なお、お尋ねの「今後の調査捕鯨への影響」の趣旨が必ずしも明らかではないが、我が国の調査捕鯨は、鯨資源の適正な利用と管理問題の解決に必要な科学的知見を収集することを目的として行われており、そのために必要な頭数を捕獲することとしている。


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