スポーツ基本法案に関する質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十三年二月二十八日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 今から五十年前に制定された「スポーツ振興法」は、プロスポーツやスポーツの国際化等に対応しておらず、時代にそぐわないと指摘されてきた。また、スポーツ行政は文部科学省や厚生労働省、国土交通省など監督官庁が複数の省庁にまたがる縦割り行政がスポーツ振興の妨げになっていると問題視され、現在のスポーツを巡る環境に対応した法整備が求められてきた。

 自由民主党・公明党は、スポーツを国の責務であることを明確にし、スポーツ行政の一元化を目的にした「スポーツ基本法案」を議員立法ですでに提出し、現在継続審議になっている。民主党も「スポーツ基本法案」の提出を検討しているとされ、今国会での早期の成立が期待されている。

 従って、次の事項について質問する。

一 政府が考えるスポーツの役割、位置づけについて見解を示されたい。

二 スポーツの振興は国民に対して、どのような効果やメリットをもたらすと考えられるか、政府の認識を示されたい。

三 継続審議になっている自由民主党・公明党案の「スポーツ基本法案」と、今回検討されている民主党案とは、ベースは殆んど変わらないと理解しているが、どのような点で違いがあるのか、政府の把握するところで見解を示されたい。

四 創設が検討されているスポーツ庁について、どの府省の所管で取り扱うことが望ましいと考えているか見解を伺う。

五 報道によれば、厚生労働省所管のパラリンピックなどの障害者スポーツをスポーツ庁の所管にすることで調整に入ったとされるが、その真偽と見解について示されたい。

六 これからの国民体育大会のあり方や役割についてどのような認識か見解を示されたい。

 以上質問する。



衆議院議員馳浩君提出
スポーツ基本法案に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質177第106号
平成23年 3月 8日

内閣総理大臣                  菅 直人

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 スポーツ基本法案に関する質問 に対する答弁書

一について

 スポーツは、国民の心身の健全な発達や明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に重要な役割を果たすものと考えている。

 

二について

 スポーツの振興を図ることは、国民の心身の健全な発達や明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与するものと考えている。

 

三について

 御指摘の「自由民主党・公明党案の「スポーツ基本法案」」及び「検討されている民主党案」は、いずれも政府において検討しているものではなく、お尋ねについて、政府としてお答えすることは差し控えたい。

 

四及び五について

 文部科学省としては、スポーツに関する施策を総合的に推進するための体制を整備することは必要であると考えているが、お尋ねの「スポーツ庁」のような組織については、行政組織の新設につながる問題であるため、十分な検討を行う必要があると考えている。 なお、政府において、「障害者スポーツをスポーツ庁の所管にすることで調整に入った」という事実はない。

 

六について

 国民体育大会は、都道府県ごとに選出された選手が参加して総合的に運動競技をするものとして、財団法人日本体育協会、国及び開催地の都道府県が共同して毎年開催しているものであり、今後も同様に開催することとしている。 文部科学省としては、同大会は、競技水準の向上やスポーツの普及等に重要な役割を果たしていると考えており、今後とも、同大会の円滑な運営に資するため必要な援助を行ってまいりたい。


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