学生の就職難に関する質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十三年一月三十一日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 学生の就職難に関する質問主意書を昨年十一月二十九日に提出(以下、前回質問主意書という)し、同年十二月七日に答弁書の送付を受けたが、その内容について不明確なところもあり、改めて確認したい点がある。

一 前回質問主意書の二で、政府の就職内定率の改善に向けた今後の対策について質問をしたところ、「各都道府県労働局、公共職業安定所等において、平成二十二年十一月十六日から同年十二月十五日までの期間を集中取組期間として求人開拓に取り組む」との答弁であったが、この集中取組期間の成果がどのようなものであったか示されたい。

 また、求人開拓とは具体的にどのようなことを行っているのか示されたい。

二 前回質問主意書の三で、ジョブサポーター制度の実績に対する質問をしたところ、「平成二十二年四月から同年十月末までの間に、ジョブサポーターの支援により、一万二千八百十八人が就職の内定を得ており、特に同年十月の一か月間においては、三千四百九十九人が就職の内定を得ている」との答弁であったが、この数字の根拠について、どのように算出したものか示されたい。

 関連して、ジョブサポーターのどのような支援が効果的であったか、その具体例を示されたい。

三 同じく前回質問主意書の三で、ジョブサポーター制度の周知に対する質問をしたところ、「引き続き、ジョブサポーターによる学校等への訪問、ホームページ等による広報により就職活動中の学生等に対する周知を図り、その活用の促進を図ってまいりたい。」との答弁であったが、学校訪問とホームページの周知だけで充分認知されているとお考えなのか。ジョブサポーターが大きな効果を上げているならば、より周知徹底を行う必要があるのではないか。例えば、大学一、二年時からの制度の活用をPRするような取組みも必要であると考えるが、政府の認識を示されたい。

 関連して、ジョブサポーターの学生への認知率について把握している数字を示されたい。

四 新卒就職者の離職率が、大卒者で三十一.一%(三年以内の離職率で、平成十九年卒業生)と高い数字で推移している。近年における雇用環境の変化も原因の一つと考えられるが、一番の問題は企業と被雇用者との間の雇用のミスマッチによるものが大きいのではないか。

 同様に新卒の就職活動の時点でも、採用意欲のある中小企業と大企業を中心に就職活動を行っている学生とのミスマッチが問題視されている。

 ミスマッチの解消には、前述したジョブサポーターやハローワークでの取組みも当然、必要であるが、学生時からの職業教育の実践等の構造的な改革の必要性が問われている。この点について、政府の見解を示されたい。

五 今春卒業予定の大学生の就職内定率が昨年十二月一日時点で、六十八.八%と過去最低であった。この数字は就職希望者の中の就職内定者の割合の数字であるが、卒業者全体の中の就職内定者の割合(就職率)について、把握している数値を示されたい。

六 政府は今年度卒業生の最終的な就職内定率が、どの程度になると試算しているのか示されたい。

 

 以上質問する。 



衆議院議員馳浩君提出
学生の就職難に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質177第030号
平成23年 2月 8日

内閣総理大臣                  菅 直人

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 学生の就職難に関する質問 に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、公共職業安定所に配置されているジョブサポーター等が、延べ約7万事業所に対する訪問を行うこと等により、公共職業安定所に対する学卒求人の提出を依頼し、御指摘の期間中に約15000人分の学卒求人の枠を確保したものである。

 

二について

 お尋ねの数字については、厚生労働省において、公共職業安定所におけるジョブサポーターの支援を受け、就職が内定した者について、各都道府県労働局が把握した人数を集計したものである。
 また、ジョブサポーターによる支援としては、特に、支援対象者ごとに担当者を決め、エントリーシートの作成相談、面接指導、応募先の選定についての相談等を個別に行うことが効果的であると考えている。 このような個別の支援により、平成22年9月から同年12月末までの間に8000人の就職が内定しており、これは同期間の就職内定者の約半数を占めている。

 

三について

 厚生労働省としては、ジョブサポーターの活用について、就職活動中の学生等に対し、一層の周知を図る必要があると認識しており、現在、ジョブサポーターによる学校等への訪問及びホームページ等による広報に加え、新聞広告や民間企業が運営する学生のための就職情報ザイトを活用した幅広い周知を行っているところである。
 また、お尋ねの大学1、2年生に対するジョブサポーターの活用の周知については、まずは卒業年次の未内定者及び卒業後3年以内の既卒者に対する周知を図った上で、その必要憶を検討してまいりたい。
 厚生労働省としては、お尋ねの学生の間におけるジョブサポーターの認知率については把握していない。

 

四について

 お尋ねのミスマッチの解消については、幼児期の教育から高等教育まで発達段階に応じ、体系的に、社会的及び職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育成するための教育を実施することが必要であると認識しており、特に大学教育については、大学設置基準(昭和31年文部省令第38号)及び短期大学設置基準(昭和50年文部省令第21号)を改正し、各大学は、学生の社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培うための体制を整備しなければならないこととするとともに、関係省庁が連携し、中小企業等との連携による課題解決型授業やインターンシップの充実など、各大学における学生の就業カ育成のための取組の充実を図っているところである。
 また、大学における学生の就業カ育成のための取組等の推進や企業が求める人材像の明確化などについて、産業界と大学関係者との聞で意見交換を行う場を設けているところである。

 

五について

 現時点では卒業者数が確定しておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。

 

六について

 政府としては、お尋ねの試算については行っていないが、引き続き、卒業までに一人でも多くの者の就職が内定するよう、政府横断的な取組を強力に推進してまいりたい。


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