花粉症に関する質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十三年一月二十七日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 公共機関の調査によると、今年は例年に比べ花粉の飛散量が多いと予測されている。これは昨年の記録的猛暑により、スギの雄花が生育したことが影響している。花粉の飛散量はここ十年でも増加傾向で、花粉症患者もそれに比例して増えている。花粉による被害は深刻であり、健康被害、仕事の能率の低下、医療費の増加など、その影響は様々であり、その損失は大きい。被害が広がってきた現状に対して、花粉症対策に国を挙げて取り組んでいく姿勢が問われている。

 従って、次の事項について質問する。 

一 現在の花粉症患者の人数と割合について政府の把握される数値を示されたい。 

二 花粉症による経済的損失はどの程度の規模になるのか、算出される数値を示されたい。 

三 花粉症の原因としてスギ花粉の飛散はこれまでにも指摘されてきているが、これは国の林業政策が大きく関係している。戦後の住宅増設のため、その材料となるスギの大量植林が行われた。その後林業の衰退による山の荒廃でスギが生育を続け、過剰な花粉を放出するようになった。
 この点について政府は、過去の林業政策に対してどのような認識・評価をしているのか問う。 

四 花粉症患者の増加は、花粉量増加以外にも、都市化、大気汚染、食生活の変化等も挙げられるが、政府の見解を問う。 

五 三、四を踏まえて、花粉症の根本的な解決に向けた対応策として政府の取組みを示されたい。 

 以上質問する。 



衆議院議員馳浩君提出
花粉症に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質177第020号
平成23年 2月 4日

内閣総理大臣                  菅 直人

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 花粉症に関する質問 に対する答弁書

一について

 政府としては、お尋ねの人数及び割合については把握していないが、社団法人日本アレルギー学会においては、平成20年における花粉症の有病率を29.8パーセントと推計している。

 

二について

 お尋ねについては、把握していない。

 

三について

 戦後、荒廃した国土の復興、建築用材の需要増大等に対応するため、スギを始めとする針葉樹を中心とした人工林の造成を積極的に進めてきた成果として、現在、これらの人工林が本格的に利用可能となる段階を迎えていると認識している。
 今後は、このような成果を踏まえ、これらの人工林について、資源の循環利用、国土の保全等森林の多面的機能が十全に発揮されるよう、間伐等を始めとする森林施業を適切に推進するとともに、針広混交林化、広葉樹林化等多様な森林整備を進めていくこととしている。

 

四について

 花粉症患者の増加の要因については、現時点においては十分な知見が得られていないものと認識している。

 

五について

 政府としては、花粉症の対応策として、予防及び治療法の開発・普及、無花粉スギ等花粉症対策品種の開発・普及、花粉の少ない森林への転換等の促進、花粉症に対する適切な医療の確保等の施策を講じているところであり、引き続き、こうした施策を推進してまいりたい。


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