幼保一体化に関する質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十二年十二月一日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 政府は先日、幼稚園、保育所を廃止して、こども園に統一しての幼保一体化方針を決定した。しかし、その内容があまりに雑駁であり、幼稚園や保育所の現場において大変な混乱を生じさせている。この問題に深く関わる自民党の議員連盟において、政府に説明を求めても一向にその内容が詳らかにならなかった。

 以上を踏まえて、次の事項について質問する。

 

一 そもそも幼保一体化とは、自民党が唱えてきた幼保一元化とはどこが異なるのか政府の見解如何。

二 幼稚園や保育所を所管する省庁の連携・統合、さらには予算の一元化についての政府の見解如何。

一方、幼児を預かる幼稚園・保育所等の多様化、機能強化は別問題であり、むしろ多様化、機能強化はさらに推進していくべきではないのか政府の見解如何。

三 小学校に入学してきた児童において、自席に座れなかったり、先生の話をしっかり聞けなかったりする児童は、大半が保育所出身の子どもが多いと言われているが、政府はこの問題についてどう認識しているのか政府の見解如何。

四 幼保一体化の話は、マスコミ報道によれば二転三転しており、事実上断念したとの報道もあるくらいである。そこで現段階において、幼保一体化は誰の指示で方針決定しているのか政府の見解如何。 

 以上質問する。 



衆議院議員馳浩君提出
幼保一体化に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質176第233号
平成22年12月10日

内閣総理大臣                  菅 直人

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 幼保一体化に関する質問 に対する答弁書

一について

 お尋ねの「幼保一体化」及び「幼保一元化」については、幼児教育及び保育の総合的な提供の推進という基本的な方向性に差異はないものと考えているが、政府としては、幼児教育及び保育の総合的な提供について、「子どもが主人公(チルドレン・ファースト)」という基本的視点に立ち、全ての子どもの健やかな育ちを保障するため、誰もが希望する幼児教育と保育サービスを受けられるよう検討していくという趣旨で、「幼保一体化」という用語を用いているものである。

二について

 お尋ねについては、「子ども・子育て新システムの基本制度案要綱」(平成22年6月29日少子化社会対策会議決定。以下「要綱」という。)に基づき、事業ごとに所管や制度、財源が様々に分かれている現在の子ども・子育て支援対策を再編成し、幼保一体化を含め、制度・財源・給与について、包括的・一元的な制度の構築を進めることとしている。 また、政府としても、子どもと子育て家庭の多様なニーズに応える良質なサービスを提供する必要性は認識しているところであり、要綱に基づき、全ての子どもと子育て家庭のニーズに応じて必要な給付を保障することとしている。

三について

 政府としては、御指摘のような問題があるということは把握していない。

四について

 お尋ねの「幼保一体化は誰の指示で方針決定しているのか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、幼保一体化の具体的な制度設計については、「子ども・子育てビジョン」(平成22年1月29日閣議決定)、要綱等に基づき、内閣府特命担当大臣(行政刷新)、国家戦略担当大臣及び内閣府特命担当大臣(少子化対策)を共同議長とする子ども・子育て新システム検討閣議の下で開催それているワーキングチームにおいて、検討を進めているところである。


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