統合幕僚学校卒業式への前航空幕僚長出席拒否問題に関する質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十二年三月八日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

  三月四日付の産経新聞によると、「田母神俊雄前航空幕僚長(六一)が、統合幕僚学校(東京都目黒区)から三月五日の卒業式に招待されながら、後に一転して出席を『拒否』されたことが三日わかった。田母神氏は、防衛省から“圧力”がかかったとみている。」とのことである。
 このことが事実であれば、田母神氏もコメントしているように、「言論弾圧であり、人権弾圧みたいな嫌がらせ」である。
 そこで、次の事項について質問する。 

一 統合幕僚学校が田母神氏に卒業式への招待状を送付した事実の有無について、情報の開示を求める。

二 田母神氏よりの返答が統合幕僚学校に到着した事実の有無について、情報の開示を求める。

三 田母神氏の返答は「出席」であったか、「欠席」であったか、情報の開示を求める。

四 同紙によれば、「渡辺隆統幕学校長(陸将)」「は、防衛省が『田母神氏が出席するなら防衛省関係者は一切卒業式に出席しない』と学校側に通告してきたと説明したという。」が、このような事実が存在したか、情報の開示を求める。

五 二〇〇五年から二〇〇九年までの各年について、統合幕僚学校は卒業式への招待状を田母神氏に送付したか、情報の開示を求める。

六 また、同紙によると「昨年には同省の民間協力団体『防衛省自衛隊東京地本援護協力会杉並支部』が都内で『日本は侵略国家ではない』と題した講演会の主催を予定していたが、防衛省側から中止を求める要請があり、主催名を変更した。」とのことである。このような事実が存在したか、情報の開示を求める。

七 日本国憲法第二十一条第一項には、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」とあり、表現の自由が保障されている。

 また、日本は議会制民主主義の国であり、政府も主として言論という表現を基礎として成り立っている。四及び六のような事実が存在していたとするならば、政府の一員である防衛省が自らその存立の基盤である表現の自由を侵害したこととならないか、政府の見解を問う。

  以上質問する。



衆議院議員馳浩君提出
統合幕僚学校卒業式への前航空幕僚長出席拒否問題に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質174第220号
平成22年3月16日

内閣総理大臣                  鳩山 由紀夫

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 統合幕僚学校卒業式への前航空幕僚長出席拒否問題に関する質問 に対する答弁書

一から三までについて

 統合幕僚監部統合幕僚学校(以下「統合幕僚学校」という。)は、元校長である田母神俊雄(以下「田母神氏」という。)に対し、平成22年3月5日に実施した第7期統合高級課程卒業式の来賓として、同年1月29日に招待状を送付し、同年2月15日に田母神氏から出席する旨の返書を受領している。

四について

 防衛省の内部部局等から統合幕僚学校に対し、御指摘のような通告を行った事実はない。
 また、渡邊隆統合幕僚学校長からは、同氏が田母神氏に対して第7期統合高級課程卒業式への出席を断る旨の連絡を行った際には、田母神氏が航空幕僚長であった当時に、政府の認識と明らかに異なる見解を公にしたこと等については、極めて遺憾なことであるという政府の認識を踏まえて、説明をしたものと聞いている。

五について

 統合幕僚学校は、平成17年から平成21年までに実施した一般課程及び統合高級課程の卒業式への招待状を田母神氏に送付している。

六について

 任意団体である東京地本援護協力会城北地区援護協力会杉並支部から自衛隊東京地方協力本部に対し、平成21年2月3日に田母神氏の講演会を計画している旨の連絡はあったが、これに対し、防衛省より、講演会の中止又は主催者の変更を求める旨の要請を行った事実はない。

七について

 四について及び六についてで述べたとおり、御指摘のような事実はない。


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