オウム真理教対策に関する質問主意書

下記の質問主意書を提出する。
平成二十二年二月十五日

提 出 者                  馳   浩

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 昨年一月、政府はオウム真理教に対して「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」(以下、団体規制法)による観察処分の、三度目となる期間更新を決定した。また昨年十二月、同法の見直しにあたって、その存続は認めたものの、その規制強化は見送った。
 以上を踏まえて、次の事項について質問する。 

一 団体規制法の存続理由として政府は、オウム真理教には依然として危険性が認められるとしつつ、一方、同法の観察処分の実施によりオウム真理教の危険性の増大は抑止できているとして、同法の規制強化までは必要ないとしている。 前回の五年前の見直しの際も同様な内容であったはずである。 これでは、オウム真理教の危険性を完全に排除しようとする姿勢が政府には全くないと言われても仕方ない。 同法を規制強化せず存続させるという政府の対応は、オウム真理教がもつ現在の危険性を根絶させるものでなく、むしろその危険性を結果的に維持させる対応であり、現状に満足する対応でしかないと考えるが如何。

二 政府は、同法が問題視しているオウム真理教の危険性を根絶させるつもりがあるのか、この際はっきりと態度表明してもらいたいが如何。

三 仮に、その危険性を根絶させる方針であるなら、同法の規制強化をせず、どういう方法でこれを実現させるおつもりなのかお聞かせ頂きたい。

四 関連して、同法の再発防止処分の適用が現実的でない現状において、同法の観察処分の適用、さらにはその運用強化で、オウム真理教の問題となる危険性を根絶できると考えているのかお聞かせ頂きたい。  

 以上質問する。



衆議院議員馳浩君提出
オウム真理教対策に関する質問
に対し、下記答弁書を送付する

内閣衆質174第119号
平成22年2月23日

内閣総理大臣                  鳩山 由紀夫

衆議院議長  横 路 孝 弘 殿

 

 衆議院議員馳浩君提出 オウム真理教対策に関する質問に対する 答弁書 

一について

 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成11年法律第147号。以下「団体規制法」という。)附則第二項の規定に基づき団体規制法の見直しのための検討作業を行ったところであるが、団体規制法については、オウム真理教には依然として危険性が認められることなどから、廃止せず存続させる一方で、団体規制法に基づく観察処分の実施によりオウム真理教の危険性増大を抑止していることから、規制強化を内容とする改正をすることなく現状のまま存続させるべきであるとの結論に至ったものである。
 こうした結論に基づき、オウム真理教については、今後も団体規制法を一層厳格に運用し、その活動状況を明らかにしていくことにより、国民の生活の平穏を含む公共の安全の確保に寄与し得ると考えている。
 したがって、このような政府の対応は、御指摘のようにオウム真理教の危険性を結果的に維持させる対応でも、現状に満足する対応でもないものと考えている。 

二から四までについて

 オウム真理教に対する観察処分を適正かつ厳格に実施することで、その危険性の増大を抑止しており、その結果、国民の生活の平穏を含む公共の安全の確保に寄与しているものと考えている。 また、今後オウム真理教の危険性が増大し、団体規制法第8条に規定する再発防止処分の用件を満たすと判断されるに至った場合には、速やかに、同処分を請求する考えである。 


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